爪の横筋が出来る6つの原因【ストレスが関係しているかも!】
<監修医師 WASHIO>
ふと手を見た時に、爪に筋のようなへこみがあって「あれ?どうして?」と思った人も多いのではないでしょうか。実はその筋、爪が発している重要なサインかもしれません。
爪に入る筋は、縦か横かで表していることが大きく違ってきます。今回は爪の横筋にスポットを当てて見ていきたいと思います。
爪に出来た横筋の原因は何なのか、ぜひ参考にしてみてください。
爪は健康のバロメーター
爪は身体に異変が起こった時に、何らかのシグナルが出やすい部分だと言われています。そのため「健康のバロメーター」などとも呼ばれ、昔のお医者さんは患者の爪を見ただけで体調不良を見抜けたなんて話も聞きます。
爪に横筋が入る時は、身体がSOSを出しているサインなのだとか。それは精神的なものから内臓の病気まで様々。
体調不良によって爪の生成に必要な栄養が十分に届かないため、横筋が入った状態で伸びてくるのです。
ちなみに縦筋が入る時の大きな原因は加齢。爪に出来たシワと考えるとわかりやすいかと思います。
「私、まだ若いのに…」という人は、無理なダイエットなどに心当たりはありませんか?または指先が乾燥しているのかもしれません。栄養不足や乾燥も縦筋の原因とされています。
爪は一日に平均0.1mm伸びます。そこから逆算すると、ちょうど爪の真ん中あたりに横筋が入っている人は2~3か月前に何らかの原因となる不調が起こっていたと考えられます。
ちなみに爪の伸びるスピードも健康のバロメーターになっています。くわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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爪の横筋は6つの原因から起こる
ストレス
ストレスがかかった時、無意識に爪をいじっている人というのは結構いるそうです。爪を噛んだり、何となく押してみたり。
爪の根元には「爪母」という爪を作る工場があります。甘皮の下にはまだ爪母で作られたばかりの柔らかい爪があるため、そこに負担がかかると伸びてくる爪に筋が入ってしまうのです。
爪を噛む癖には意外な弊害も。爪についている雑菌が口から入って腹痛や下痢を引き起こすこともあるそう。
他にも自傷行為だと言う人もいるので、できれば早めに治したほうが良さそうです。歯科矯正をしたら爪を噛むクセも治ったなんて人もいます。
爪に筋やへこみがあると、つい気になって触ってしまうと思いますが、ぐっと我慢することも必要なようです。
皮膚疾患
爪は皮膚の角質が変化したものと言われています。そのため、アトピー性皮膚炎や乾癬などの慢性皮膚疾患を持っている人は、皮膚と同時に爪にもトラブルが起こりやすいと言われています。
水仕事の多い職業の人や主婦の人は、手が荒れやすいのではないでしょうか。手にできる湿疹や乾燥、洗剤などの化学薬品によるダメージも多大です。
特に冬場の季節は乾燥しやすいのでケアをしっかりしたいところですね。
髪もまた、爪や皮膚と同じ成分で出来ているため、円形脱毛症などの髪トラブルを持っている人は爪に横筋が出やすくなっています。
内臓疾患
意外と多いのが高熱を出したということ。急性の熱性疾患のほかにも、尿毒症や慢性的な胃の不調がよく挙げられます。爪を作る成分の不足による疾患にも要注意です。
ビタミンA欠乏症や低カルシウム血症など、初期症状では判断が難しい病気も、爪の横線から考えることができます。
さらには糖尿病。血糖値が高くなることで血液循環が悪くなり、指先にまで十分な酸素や栄養が送られていない可能性があります。
糖尿病の気になる他の症状についてはこちらも参考にして下さい。
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外傷
爪周辺に怪我をしたり、ぶつけたりした覚えはありませんか?横筋が出来るのは、爪の工場である爪母にダメージがかかったからかもしれません。
また、注意したいのはネイルケア。女性では甘皮の処理をする人も多いとは思いますが、あまり甘皮に力を加えるとその下にある爪が傷んでしまいます。
もし修復不可能なまでにダメージが加わってしまうと一生爪の変形が続くなんてことも。
甘皮があるとマニキュアが塗りづらくなるので、ある程度の甘皮処理は大丈夫ですが、爪に横筋が出る場合にはやり過ぎだということを頭に入れておきましょう。
ケアに使う道具も専用のものを。カッターや爪切りで処理をするなんてもってのほかですよ。
栄養状態
過度なダイエットや偏食で「亜鉛」や「鉄分」が十分に取れていない可能性もあります。
亜鉛は爪の新陳代謝を促すのに必要です。また鉄分不足は貧血になりますよね。貧血によって爪まで酸素が送られないと、横筋だけでなく爪が薄く剥がれる二枚爪になる危険性もあります。
極度の栄養不足だと、爪の先が湾曲することもあります。そうなると爪が割れることもあるので、一度病院で診てもらうと安心でしょう。
生活習慣
偏った食生活はもちろん、睡眠不足や生活リズムが乱れることも爪に影響してきます。生活習慣による身体面のストレスも考慮しましょう。
また足の爪は、合わない靴や歩き方、肥満による足先への負担などが影響してくることもあります。手よりも注意が怠りやすい足の爪も、たまに気にしてみてくださいね。
爪の横筋は指ごとに違う原因
指ごとに違うサイン
横筋が出る指によって、身体のどの部分に異常が出ているのかを見分けることができます。また今回は爪をマッサージする際、どの指をマッサージするとどんな効果があるのかも一緒に見ていきましょう。
親指
精神的ストレスや極度の疲労、過労状態が出やすい指です。
マッサージでは、円形脱毛症やアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患、咳や喘息などの呼吸器疾患に効果があります。
人差し指
慢性的な皮膚疾患を持っていると横筋が出やすくなります。
マッサージでは、主に胃腸の病気に効くとされています。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎など、また胃が弱いという人も良いでしょう。
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中指
尿酸の排出に問題があるなど、排泄系の病気があるかもしれません。マッサージでは耳の病気、耳鳴りや難聴に効果があります。
薬指
気管支炎や眼精疲労などがあると出やすいです。薬指のマッサージは交感神経を活性化させるため、基本触らないほうが良いのですが、抑うつ状態や低血糖には効果があるとされています。
小指
神経痛などを持っていると出やすくなります。
小指のマッサージは、脳梗塞や高血圧などの循環器系のほかにも様々な効果があります。糖尿病を始め、自律神経失調症や肩こり、腰痛や頭痛にも良いとされています。
爪の横筋の解消法
病院へ
爪の横筋は、溝の深さによっても対処が変わってきます。溝が深い場合、病院で診てもらわなければならないレベルの皮膚疾患や内臓疾患があると思ってください。
まだ特定の病気があるとわかっているわけではないため、病院は皮膚科や総合内科に行きましょう。
生活習慣の改善
溝が浅い場合は、自宅でのケアで解消されることもあります。
まずは生活習慣の改善から。ストレスを溜めない、睡眠時間をしっかり取る、生活リズムを崩さないといった基本的なことが重要です。その中でも、食生活は健康的な爪を作るうえで最も重要と考えてよいでしょう。
爪の主成分はケラチン。これは体内でたんぱく質から生成されます。肉や魚、卵などから十分なたんぱく質を摂取しましょう。
また、爪の成長を促進するビタミンやミネラルも大切です。血行が悪いと感じる人はビタミンEを積極的に取ると良いでしょう。
ビタミンEを多く含む食品
✅ アボカド
✅ ナッツ類:アーモンドなど。
✅ モロヘイヤ:青汁で効率よく取れます。
✅ 鰻の蒲焼き
✅ 鮎の塩焼き
✅ オリーブオイル:料理に上手く取り入れてみましょう。
最近ではサプリメントも豊富に出ていますが、できれば食品から取れると良いですね。
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スキンケア
爪も皮膚も元は同じ。そう考えると、お肌のケアはしっかりするのに爪のケアはおざなり…では良くありませんよね。爪のスキンケアも大切です。
まずは正しい爪きりをすること。爪は長すぎると隙間から雑菌などが侵入して不衛生になりますし、短すぎても巻き爪などの原因になります。
あとは保湿です。今は爪専用のオイルなども出ていますのでそれを活用しても良いですし、なければハンドクリームでも大丈夫です。忘れがちになる爪ですが、水仕事をする人はこまめにハンドクリームを塗りましょう。
ハンドクリームを塗る際は一緒にマッサージを。身体の末端まで血流を良くするように、手首から爪の先に向けてリンパを流すイメージで優しくマッサージします。
爪を見てみよう
爪の症状は筋が入る以外にも様々あります。変形や変色は大丈夫ですか?剥がれたり割れたりはしていないでしょうか。もし割れていたりしたら、消毒と固定の応急処置をしてすぐに病院へ行ってください。
足の爪に多い爪水虫。足水虫と同じものですが治りが遅く、人に感染もするので厄介です。爪が白く濁る、変形などの症状があり、悪化すると炎症を起こして痛みも出ます。
ネイルアートをよくする女性は特に、本来の爪を見る機会が減っているのではないでしょうか。爪がでこぼこだからと言って、マニキュアを塗って隠しても何の問題解決になりません。
もし良かったら、このあと自分の爪を見てみてください。あなたの爪は健康ですか?
チェックにはこちらを参考にして下さい。
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