えっ爪が白い!原因はこの危険な病気かもしれない
<監修医師 WASHIO>
健康な爪はピンク色をしているものです。美しい女性の爪先を「桜貝のよう」とも表現します。しかし中には、爪が白色、黄色や黒色に変色している人もいます。
爪が白い時、実はすぐに治療が必要な病気のサインである可能性があるのです。
爪だからと安易に考え、長期間放置すると症状が悪化して命の危険にかかわることもあります。
今回はそんな爪が白くなる原因や理由、考えられる病気をご紹介します。
爪が白い原因
点状爪甲白斑(てんじょうそうこうはくはん)
点状爪甲白斑とは、爪の形成時に空気が入ることにより、白い斑点が現れるものです。特に命にかかわる危険な症状ではありません。
また、マニキュアを塗るなど爪にダメージを与えることでも白斑が現れることがあります。治療の必要はなく、爪が伸びてくると白点も移動し、正常な爪に戻ります。
縦筋
爪に白い縦筋が現れるものの多くは加齢によるものなので、病気の心配はいらないでしょう。しかし、その縦線が黒くなる様であれば注意が必要です。
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また栄養失調でも爪に白い横線が入ることがあります。「まさか現代の日本で栄養失調が、しかも自分に起きるはずがない」とおもっていませんか?
ところが現代でも栄養失調に陥る人は後を絶ちません。
爪は健康状態を映し出す鏡ですので、爪が白っぽくなったら必要な栄養素が身体に欠けているサインかも知れません。
爪が白くなったらタンパク質・鉄分・亜鉛を多く含む食品を意識的に摂取すると、症状が少しづつ改善されます。
爪が白いのは危険な病気かもしれない
爪の白濁
爪がまだらに白濁した場合に考えられる病気は、爪白癬(つめはくせん)です。爪白癬とは、爪の水虫のことです。
白癬菌とはカビの一種で、皮膚のケラチンを栄養源にして繁殖するのです。
高温多湿の環境で繁殖しやすいため、靴などに覆われて通気性が悪くなりやすい足の爪にできることが多いです。
起因としては、足の水虫を長期間放置することで爪白癬を発症します。
爪白癬を発症すると、白く濁った部分が段々広がっていき、爪が厚くなります。そして厚くなった爪はボロボロと崩れ落ちるようになります。
爪そのものには神経が通っていないため、痛みや痒みは感じず、爪の周りが痒くなることがあります。
爪白癬はヒトに移る感染症なので、家族や友人と靴やスリッパなどを共有すると感染が広がってしまいます。
ドラッグストアなどで販売されている水虫用の薬ではなかなか効果を得られないことがあるので、早期に病院を受診することをお勧めします。
爪白癬の他に考えられる病気は、肝臓ガンや慢性肝炎、肝硬変などの肝臓の機能が低下する病気でよく見られます。
いずれも病院での治療が必要な病気ですので、注意が必要です。
横筋
爪に白い帯状の横筋が現れた場合、線が爪の成長とともに移動せず常に同じ位置に留まっているような状態なら、腎臓病や膠原病、ネフローゼ症候群などの腎臓の病気が考えられます。
ネフローゼ症候群というのは血液中のタンパク質が尿の中に過剰に排出されてしまう状態のことを言います。
これは様々な原因によって腎臓の慢性的な病気によって起こっていきます。この場合、白い帯はほとんどすべての爪全体に同時に現れます。
さらに、手だけでなく足の爪にもできるものは、低タンパク質血症から生じる特徴的な爪の変化で大変重要なサインとなります。
腎臓は機能が低下すると命にかかわる重要な臓器ですので、サインを見逃さず早期に病院を受診することをお勧めします。
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爪全体が白色になる
爪の全体が白色になってしまった場合、貧血やレイノー病、低タンパク質血症、肝硬変、糖尿病などの病気が原因と考えられます。
肝硬変は爪が白くなる他、皮膚の変色や発熱などの症状も併せて起きます。爪以外にも気になる症状がないかチェックしてから病院で診察を受けましょう。
レイノー病とは、両手指に痛みや痺れとともにチアノーゼなどの虚血症状を示す病気で、特に若齢の女性に多いとされています。
発作的に指先の血流が減少し、動脈の血流不足によって冷感や痺れ、皮膚の色が変化し、爪も全体が白色になります。
血流不足の原因疾患が不明な場合をレイノー病といい、他に症状が見られない場合の緊急処置は必要ありません。
軽症の場合の治療は防寒や禁煙、十分な睡眠などの予防策が中心となり、基本は対症療法で軽い鎮静薬や血管拡張薬などが用いられます。
発作時以外は臨床的な問題がないので、症状の繰り返しを避けるために予防が重要となります。
抗ヒスタミン薬やコーヒーなどのカフェインを含むものは血管の収縮を促進し、症状の悪化につながるため注意が必要です。
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重症の場合は、交感神経切除術と呼ばれる外科手術が必要になることもあります。
ただの冷え性だと思っていても、爪が白い場合はレイノー病の可能性がありますので、検査をお勧めします。
また爪全体が白っぽくなり乾燥気味であったり、白い筋が入り、皮膚科を受診しても爪白癬ではない場合、糖尿病の症状の一つである可能性があります。
糖尿病により体内の血流が阻害される状態になると、爪にも症状が現れます。
ちなみに、新生児や乳児の爪は白く見えることが多いですが、赤ちゃんの爪はもともと白っぽい色をしており病気の可能性はあまり考えられないので、安心していいでしょう。
たまに爪が白い
常に爪が白いわけではなく、一定の条件下で白くなる場合があります。もし爪の付け根を強く押さえつけ、爪の色が白いままのときは脱水症状を起こしている可能性があります。
脱水症状はお風呂やサウナに長時間入ったせいで起きるほか、熱中症でも引き起こされます。
原因が何であれ、脱水症状が長く続くと命の危険につながったり、腎臓機能に悪影響を及ぼすおそれがあります。早めに対処した方がいいでしょう。
またマニキュアを落とすときに使用する除光液ですが、使用後に爪が白くなりませんか?これは除光液が爪の水分も奪ってしまうために爪が乾燥し、一時的に爪が白く見えるのです。
放置していてもやがて爪は元の色に戻りますが、頻繁に除光液を使用すると爪がもろくなり二枚爪になってしまうので、除光液を使用した後はネイルケアオイルなどで爪に栄養を与えておきましょう。
爪が白い時は何科を受診すれば良いのか
基本的に、爪に異常が見られるときはまず皮膚科を受診します。これは爪が皮膚の延長上のものと考えられているためです。
今回ご紹介した肝臓や腎臓の病気の可能性がある場合は、皮膚科の医師と相談し、治療するための内科や泌尿器科などを紹介してもらうこともできます。
病気によっては白色だけでなく、黒色や黄色、緑色に染まることもあるのです。
このように、爪の異常は様々な病気のサインとなります。爪だからといって放置せず、病院をすぐに受診するようにしましょう。
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