痛い!脇の下のしこりは何科を受診すれば良いの?
<監修医師 Dr.masa>
ふとした時に脇の下にしこりが出来ている!触るとゴリゴリしますし、しこりなので何か悪いものだったらと心配になりますよね。
しかもサイズが大きいと不安も倍増します。
今回は脇の下のしこりにはどんなものがあるのかをお話しします。
脇の下にしこりができる原因
脇の下に出来るしこりには5つの原因があります。
脂肪が固まって出来るしこり
「脂肪腫」と呼ばれる脂肪細胞が増殖し、固まったものがしこりを形成します。主にお尻や背中に多く発生するのですが、まれに脇の下にも現れます。
通常は痛みもなく、良性のしこりなので特に心配する必要はありませんが、神経の近くに出来たり、大きさが大きくなってしまうと痛みが出る可能性があります。
大きさは時間の経過により大きくなるものもありますが、ほとんど大きさが変わらないものもあるため、症状には個人差があります。
短期間でしこりが大きくなる場合は、別の種類のしこりの可能性がありますので、早めに医師の診察を受ける事が重要です。
垢が溜まって出来るしこり
「粉瘤(ふんりゅう)」と呼ばれる皮膚組織の下で垢が溜まり、しこりが出来る皮膚の病気があります。
垢の溜まりやすいところにはできやすいので、脇の下以外の身体のあらゆる場所に出来る可能性があります。
皮膚の一部にかゆみを感じ、その後しこりができることが多いです。
粉瘤の中心には小さな穴があり、それを潰すと白いドロドロとした液体が出てきます。
悪化するとソフトボール大ぐらいまでになる事があり、炎症を起こすと赤く腫れて痛みを伴う事がありますので注意が必要です。
粉瘤は潰して液体が出ても、また繰り返しできる事がありますので、液体の溜まった袋ごと取る手術が必要になります。
脇の下にしこりができ、少ししこりが固いなと思った時には粉瘤の可能性があります。
また脇がくさい方、いわゆる「わきが」と呼ばれる症状の方も同様に脇の下にしこりを感じる場合がありますが、このしこりも粉瘤である可能性が高いです。
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リンパの腫れにより出来るしこり
リンパは全身の至る所に網目状に存在し、リンパ管を流れるリンパ液には血液からの老廃物を流してくれ、細菌を退治する働きをしてくれます。
リンパの通るところにはリンパ節という卵型の節があり、そこで細菌やウイルスを除去する働きがあります。
リンパ節は特に頸部や鎖骨、鼠径部(そけいぶ:足の付け根あたり)、脇の下に多く存在しています。
よく風邪の時などに「リンパ節が腫れている」という言葉を耳にしたことはありませんか?
この時にウイルスとリンパ節が戦っていて、この時にリンパが腫れることでしこりに触れる形になるのです。
風邪や体調不良の時は腫れる事がありますが、体調が回復すれば自然としこりも引いていきます。
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ムダ毛の自己処理が原因のしこり
女性ですと、脇のムダ毛処理で毛を抜いたりする事もあるかもしれませんが、毛を抜いてしまう事で毛穴に細菌や垢が溜まり、しこりになってしまう事があります。
自己処理する際にはなるべく毛を抜く事は避けた方が良いかと思います。
汗や垢が溜まりやすい場所でもありますので、なるべく清潔に保つようにしましょう。
ガンのために出来るしこり
一番厄介なのが「悪性リンパ腫」の為に脇の下にしこりができてしまうことです。
全身に広がるリンパの中で細胞がガン化し、次第に他の臓器までガンが進行していく怖い病気です。
痛みがほとんどないため、気が付いた時には全身に広がっているケースもあります。
同時に複数のリンパが腫れてくることもある為、発熱や倦怠感などの風邪に似た症状が出た場合には注意が必要です。
また乳がんからリンパ節に癌が移転する場合、「腕がだるい」といった症状が出ることもあります。
もしも異様なほどの腕のだるさを感じた場合、「気のしすぎかもしれない」と見過ごすことは危険です。
ガンの場合には早期発見が重要となる為、リンパ節が腫れて痛みがなく、
発熱や倦怠感などの症状が出た場合に内科や血液内科での検査を受け、医師の診察を受ける事をお勧めします。
また女性ですと、脇の下に非常に近い部分に出来るガンで乳がんがあります。
(かなり稀なケースですが、男性にも起こりうる可能性があります。)
脇の下に近い部分に乳腺があります。この部分にしこりが出来ていたら、乳がんの可能性があります。
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癌とリンパ節の腫れの違いを判断する方法は、しこりを押してみてしこりが動くかどうかでも分かります。
しこりを押してみてぐりぐりと動くようであったり、つまめるような柔らかいしこりである場合、それはリンパの腫れである可能性が高いです。
もしも逆の症状が出ていれば、がんの疑いがあります。
癌の疑いがある場合は医師による触診やマンモグラフィ検査などの検査を受けましょう。乳がんも「ガン」ですので早期発見が必要です。
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妊娠中・妊娠後にできるしこり
女性は妊娠すると様々な肉体の変化が起きます。その一つとして、「脇の下にしこりを感じる」ケースがあります。
よく見るとまるで小さな乳頭のようなものも見られるかも知れませんが、これらのしこりは「副乳」と呼ばれるものです。
多くのほ乳類は複数の乳房をもっています。犬や猫を飼っている人は見たことがあるのではないでしょうか。
実は人間は進化の過程で乳房が二つになったと考えられており、退化した他の乳頭が妊娠中のホルモンバランスの変化によって意識しやすい状態になることがあるのです。
人によっては押すと痛い場合がありますが、授乳期が終わるとホルモンバランスがまた変わりますので、副乳もまた目立たなくなります。
ですから過剰に気にすることはなく、放置していても問題ありません。
脇の下のしこりが痛い時は何科を受診すれば良いのか
脇の下のしこりに痛みがある場合は何科を受診すれば良いのでしょうか?
脂肪腫や粉瘤、脇の自己処理によるものの場合→皮膚科、形成外科
リンパの腫れ、悪性リンパ腫の場合→内科、血液内科
を受診するのがよいでしょう。
リンパのしこりは急速に大きくなると悪性リンパ腫の可能性がありますので、早急に検査が必要です。
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脇の下のしこりの治療方法
脇の下のしこりの原因を見てきましたが、それに対する治療方法をお話しします。
脂肪腫の場合
脂肪腫はほとんどが良性であり、急に大きくなることもないので、痛みや腫れがひどくなければ経過を見て良いです。
しかしながら、痛みがある場合や大きさがかなり大きくなった場合は手術で取る必要があります。形成外科や皮膚科の医師の判断を仰ぎましょう。
粉瘤の場合
粉瘤は前述でもお伝えしたように、粉瘤の元となっている袋を切除しなければ、再発する可能性が高いものです。
粉瘤が化膿していたり、痛みがある場合には薬で抑えたり、切開して膿を出したりしますが、膿を出しただけでは、元がなくなっているわけではないので、再発します。
粉瘤の大きさが小さいうちに手術をした方が、傷も小さく済みます。
治療や手術も健康保険の適用になりますので、そこまで高額ではなく、早い時期に処置しておいた方が良いです。
ただし皮膚の一部を切除しますので、手術直後は手術跡が黒い状態で残るため、気になる方も多いです。しかし時間の経過と共に手術跡は消えるので、心配はいりません。
もしも手術の跡がなかなか消えずに気になる方は、いくつかの形成外科で相談してみることをオススメします。
リンパの腫れの場合
痛みがある場合は内科や耳鼻科などで診察を受けて処方してもらえる痛み止めで、治まる事が多いです。
リンパの腫れが長引く場合は抗生物質の投与が必要になってきます。
またお薬の服用だけでなく、自分で出来る対処法として、腫れているリンパの部分や脇の下を冷やすことによって痛みや腫れが緩和する事があります。
自己処理が原因のしこり
脇の下をなるべく清潔に保つ事が重要で、痛みや腫れている部分が悪化した場合は化膿止めのお薬の服用や塗り薬が必要なってきます。
なるべく脇の下の自己処理は毛抜きで引っ張ったりするなどの無理はしない事です。
ガンのしこり
ガンによるしこりの場合は、手術による外科療法、抗がん剤を使った化学療法、放射線を当てる放射線治療などがあります。
ガンを発症しても現代の医学の生存率は高くなってきています。早く治療をする事で生存率も上がりますので、早期発見が必要です。
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副乳によるしこり
しこりのように感じるしこりは、産後は気になっても、徐々に消えていきます。放置していても問題はありません。
しかし人によっては痛みを感じることもあります。どうしても痛む場合は、しこりの部分を氷のうなので冷やすと痛みを緩和することが出来ます。
「しこり」といっても考えられる原因は様々です。
怖い病気の可能性もありますので、しこりが大きくなったり気になる場合は早めの医師の診察が必要です。
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