耳垢が湿ってるのを治す方法!ワキガじゃない可能性もある?
<監修医師 まっちゃん>
耳垢には人によって乾いているタイプと湿っているタイプの二つがあることをご存知ですか?
湿っている耳垢の場合、臭いやべたつきを気にしている方もいるでしょう。
さらに、耳垢が湿っていると、ワキガでもあるという話を聞いたことがあるかもしれません。
今回は、そんな湿った耳垢についてその原因や対処法、さらにワキガとの関係をご紹介します。
耳垢が湿っている!その原因
遺伝
耳垢が湿っている原因は、汗腺の一つであるアポクリン腺です。
耳にアポクリン腺が多く分布していたり、人より発達していたりすると、アポクリン腺から分泌される汗の量も増加するので、必然的に耳垢は湿ってしまいます。
アポクリン腺から分泌される汗は、ベタベタとした皮脂やタンパク質が多く含まれており、それ自体は無臭なのですが耳にいる常在菌などによって分解されることで臭いを発します。
アポクリン腺の分布は生まれつき遺伝子によって決まっています。そのため親が湿った耳垢の場合、遺伝することもあります。
統計的に、白人や黒人はほとんどの人が湿った耳垢を持つと言われているのですが、黄色人種など日本人も含めたアジア人は乾いている耳垢の方が多く、湿った耳垢の割合が少ないようです。
ちなみに日本国内でもばらつきがあり、沖縄や北海道などは比較的湿っている耳垢の人の割合が多いとされています。
食生活の乱れ
湿った耳垢の原因は、そのほとんどが遺伝による生まれつきと言われていますが、
アポクリン腺から分泌される汗は皮脂やタンパク質からできているので、油分の多い偏った食生活の場合、湿った耳垢に拍車をかけてしまう可能性があります。
湿っている耳垢を治す方法
耳の中なので、手術などでアポクリン腺を取り去ることはできません。
そのため根本的に湿った耳垢を治療する方法はないのです。
しかし、気になる耳垢のべたつきや臭いなどを軽減させることはできるので、その方法をご紹介します。
バランスの取れた食事
上記でも書いたように、アポクリン腺から分泌される汗の成分は皮脂やタンパク質からできているので、
油分やタンパク質を摂りすぎないようにすることで、耳垢のべたつきや臭いを緩和することができます。
さらに野菜やフルーツに多く含まれるビタミン類には、脂質やタンパク質の代謝を助ける働きがあるので、積極的に摂るようにしましょう。
そうすることで、耳垢だけでなく全身にあるアポクリン腺から分泌される汗の臭いやべたつきを軽減することができるので、汗っかきで臭いが気になっているという人にもおすすめします。
耳を密閉しない
なるべく耳を密閉せず、風通りを良くして乾燥させるように心がけましょう。
耳を密閉してしまうと、耳の穴の中の湿度が高まるので、耳垢が湿りやすくなります。
普段イヤホンなどを使用して音楽を聴くことの多い方は、できるだけスピーカーを使用してみるのも良いかもしれません。
特にお風呂上りは耳の中が湿っているので、綿棒などで水分を拭き取ったり、ドライヤーなどで風を送って乾燥させたりすることをおすすめします。
耳垢が湿っているとワキガって嘘!?
耳垢が湿っている人はワキガでもある、という話を聞いたことがある方も多いでしょう。
実はこの話、正確には間違っているのです。「耳が湿っている人」=「ワキガ」にはなりません。
まずワキガについてご説明します。そもそもワキガというのは脇にあるアポクリン腺から分泌される汗が原因で、強い臭いを発する体質のことです。
耳垢が湿っているのと同様、アポクリン腺が過剰に発達していたり、多く分布していたりする場合、ワキガになる可能性も高くなります。
しかし、耳のアポクリン腺が多くても脇には少ないという場合もありますし、強い臭いを発するかどうかはアポクリン腺に関わらず個人差もあるのです。
そのため、アポクリン腺が多いすべての人がワキガであるというわけではありません。
結局のところ、耳垢が湿っているとワキガでもある可能性は高くはなりますが、必ずしもワキガであるとは言えないのです。
ちなみに湿った耳垢は治療できませんが、ワキガであれば治療が可能です。
治療法も様々な方法があり、例えばボトックス注射やアポクリン腺切除手術などがあります。
まとめ
湿っている耳垢についてご理解いただけたでしょうか。
日本人では乾いている耳垢の方が多いので湿っていると不安に思う方もいらっしゃるでしょうが、湿っていても実害があるわけではありませんので、ご安心ください。
湿っている耳垢の耳掃除をする場合、耳掻きよりも綿棒の方が掃除しやすいのでお勧めです。
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ちなみに耳垢には防虫作用があるとされており、湿っている耳垢が嫌で耳掃除をやりすぎてしまうと、かえって耳に良くないので気を付けましょう。
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