急性低音障害型感音難聴の症状チェック!2つの原因も解説!
<監修医師 豊田早苗>
急性低音障害型感音難聴、聞きなれない病名ですね。ざっくり言うと難聴の一種のことです。
20代~40代の女性に発症することが多く、突然耳が聞こえなくなることが特徴です。
今回はこの急性低音障害型感音難聴について症状のチェックとその原因について解説します。
急性低音障害型感音難聴はどんな病気なのか
この病気について知るためには、まず難聴には種類があるということを知っておくことが必要です。
難聴には伝音性難聴と感音性難聴があります。
「音を聞く」ということは、外の音を振動に変えて体内に伝えていき、体内で電気信号に変換して脳に伝達して初めて成立します。
伝音性は外の音を振動に変えて体内に伝えていく過程での問題であり、耳の機能的な障害です。外耳や中耳に問題がある場合に起こります。
耳垢や鼓膜、内耳骨の不具合により振動を上手く伝えきれないことによって難聴が発生します。
一方、感音性は体内に取り込んだ振動を電気信号に変え脳に伝える過程で問題が発生しています。内耳や聴神経に機能障害があることによって難聴が起こります。
急性低音障害型感音難聴は、「感音性難聴のひとつ」で内耳の蝸牛とよばれる聴覚を司る感覚器官に障害を起こすことで発症します。
その名の通り、低い音が急に聞こえづらくなったり、低い音の耳鳴り、耳の詰まったような感じがすることが主な症状になります。
急性低音障害型感音難聴は、低音障害型感音難聴、急性低音障害など様々な呼ばれ方をしていることがありますが、いずれも同じ難聴の一種になります。
他の難聴との違い
急性低音障害型感音難聴は感音性難聴であると先に述べましたが、感音性難聴はこの他にも突発性難聴やメニエール病など様々です。
突発性難聴も低音障害型難聴も同じ内耳の障害なので症状が非常に良く似ています。
突発性難聴は、聞き取る音の周波数が全体的に低下するのに対し、低音障害型感音難聴では低い音が主に低下します。
そのため、突発性難聴では中等度~高度の難聴に低下する傾向があるとされています。
低音障害型感音難聴は「なんか聞き取りづらいな…」と思う程度ですが、突発性難聴では明らかに耳の聞こえが悪くなります。
突発性難聴も急性低音障害型感音難聴も自己判断せずに、違和感を感じた時点で早急に耳鼻咽喉科に受診しましょう。
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早期治療をすることによって症状をやわらげることができるようです。
急性低音障害型感音難聴の症状チェック
急性低音障害型感音難聴では、外の音が耳の穴を通して入ってきますが、
内耳でうまく電気信号に変換ができず、脳が拾える電気信号はいびつな形をしているために相手が何を言っているのかが聞き取りにくくなります。
自覚症状としては、主にこの様なものが挙げられます。
✅耳が詰まったような感じがする
✅耳鳴りの異常を感じる
✅耳が詰まる感覚がする
✅音が小さく聞こえたり、相手の言葉を聞き取りにくい
では、どの程度の難聴があるのか?難聴には程度があります。
軽度から重度まで、音の大きさを表すデシベルがどこまで聞き取れるかによって診断されています。
正常成人の聴力は0デシベルから25デシベル以下で聞こえており、日常生活に支障がないレベルです。
急性低音障害型感音難聴ではほとんどが26デシベルから40デシベルで聞こえ始め、
1mの距離で相手が普通の声量で話した声を聴き、復唱することができる軽度の難聴とされるレベルです。
ぼそぼそと話されると聞き取りづらさがあり、相手に聞き返すことが多くなります。
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急性低音障害型感音難聴になる原因
ではなぜ急性低音障害型感音難聴になってしまうのか、原因は蝸牛とよばれる内耳を構成するパーツのひとつにあります。
内耳は前庭と蝸牛を合わせたもので、聴覚と平衡感覚を司っています。聴覚は蝸牛が担当し、平衡感覚は前庭が担っています。
蝸牛の中にはリンパ液が入っています。
正常であればこのリンパ液は細かい血管を介して液体の供給と排出をしているので水圧は一定に保たれています。
水圧が一定に保たれていることによって蝸牛が正常に機能し、聞こえが得られます。
しかし、何らかの原因で蝸牛のリンパ液の排出が滞ることによって蝸牛内の水圧が高くなり、正常に機能できなくなります。
水圧が高くなることで低い周波数を拾う神経に影響を与えることによって、急性低音障害型感音難聴が起こるという一説があります。
ストレスとの関係性
急性低音障害型感音難聴を引き起こす原因は蝸牛のリンパ液の排出が困難になることにあると先に述べました。
リンパ液の排出は毛細血管が行います。しかし、この毛細血管が縮んでしまうことによってリンパ液の排出が滞ってしまいます。
何故毛細血管が縮んでしまうのか、それは自律神経がカギになります。
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自律神経は交感神経、副交感神経と分けられ、血管の伸び縮みを調整しています。
ストレスにさらされると交感神経が優位となり、血管は細く縮んだ状態になります。
この状態が長く続くことによって、蝸牛のリンパ液を排出するための血管も縮み、リンパ液の排出が滞った結果、
リンパ液が溜まり水圧が上昇し急性低音障害型感音難聴を発症することになります。
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冒頭でも述べましたが、この病気は20代から40代の女性に多く発症しているというデータがあります。
これを紐解いていくと、20代から40代の女性は結婚や出産、育児に関わる年代です。
それぞれストレスを抱えやすく、ストレスを発散する時間を作ることが難しいので発症率は女性に高いと思われます。
また、女性に限定した話ではありません。
まじめで几帳面、責任感の強い頑張り屋なタイプの性格の方は、精神的ストレスを抱えやすいのでこの病気にかかるリスクがあるといえるでしょう。
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