胸焼けの4つの原因!治し方を知って楽になろう!
<監修医師 ドクターTST>
胸焼けが起こるととにかく不快で苦しくて、何をするにも身が入らない状態になってしまいますよね。
胸焼けが起こる原因にはどんなものがあるのでしょうか。
とても身近な症状でありながら、原因が分からずにそのままにしがちな胸焼けについて解説していきます。
気になる所から確認してみよう
胸焼けを起こす原因
胸焼けとは胸の真ん中辺りが熱く感じたり、焼けたような感じがする症状のことです。
食べ物やストレスなどにより、胃酸が過剰に分泌されたり(胃酸過多)、通常は逆流しない食道へ逆流することで傷がつき、炎症を起こすのが原因です。
胃と食道の間には蓋の役割をする筋肉があり、この筋肉の機能が低下するために胃酸の逆流が起こる病気として、逆流性食道炎が有名です。
さらに胸焼けを起こす原因を細かくみていきましょう。
食品
揚げ物や脂っこいものは胸焼けの原因の第一です。
胃の中に入った脂質の多い食べ物は消化しにくく、消化するためにはいつもよりも多くの胃酸が必要になります。分泌される胃酸が過多になるため胸焼けが起こるのです。
他にも胸焼けを起こしやすい食品としてはパン・ラーメン・肉類・玉ねぎ・レンコン・芋類などや、チョコレート類、生クリームがたっぷりのったケーキなどの甘いもの、香辛料をたくさん使ったものやカフェインを多く含むものなどがあります。
お酒や酸味の強いジュースなども胃酸の分泌が活発になります。
また、おにぎりのように箸を使わず簡単に食べられる状態のものも、よく噛まなかったり、ついたくさん食べてしまうことで胃酸が多く分泌してしまいます。
トンカツにはキャベツ、さんまの塩焼きには大根おろし、という風に、添えられている食材には消化を促す作用のある食品が組み合わせられていることが多いので、積極的にとるように心がけましょう。
食生活や生活リズムの乱れ
朝起きた時や空腹時に胸焼けを感じる場合には、夕食時のお酒の飲みすぎや、食べ過ぎた前食のために胃粘膜が影響を受けていると考えられます。
また、重いストレスを感じていたり、または朝食を抜いて昼食時にたくさん食べてしまうなど、食生活や生活リズムが乱れることで胃に影響を及ぼします。
夕食は就寝時間の2~3時間前までには終えておくのが理想的です。1回の食事量は腹八分目にして、数回に分けて食べるほうが胃の負担が減ります。
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妊娠時や生理前
妊娠初期のつわりで胸焼けや気持ち悪いなどの症状が出るのが一般的ですが、臨月と呼ばれる妊娠後期に胸焼けや吐き気が起こる場合があります。
妊娠中は女性ホルモンの一つである黄体ホルモン量が増えます。
このホルモン量の変化により胃腸の機能が低下して胃のムカムカ感が増し、実際に嘔吐することで喉や食道を胃酸で傷めて胸焼けが起こるのです。
さらに、臨月期の妊婦は子宮が大きくなるため、胃や他の内臓が圧迫されることにより胸焼けや胃もたれが起こります。
また生理前の女性の中に胸焼けや吐き気、イライラ感などの症状が出る人もいます。
これは子宮収縮ホルモンのプロスタグランジンという物質が増えるためで、冷えや血行不良によって過剰に分泌されるからです。
体を温める食材であるショウガをジンジャーティーなどにして積極的にとりいれたり、ストレッチや入浴などで血行を良くすることが大切です。
心臓の病気の可能性
胸焼けは英語でheartburnと綴ります。
英語のheartは心臓・胸の両方の意味で使われていることからも、実際に胸焼けと狭心症などの心臓の病気は症状が似ていることが多く、見分けがつかないことがあります。
どちらも胸が焼けるような感じや不快な感じがあるのですが、胸焼けは食後に安静にしている時に症状が出ることが多いのに対して、狭心症は運動中や作業中などの体を動かしている時に出ることが多いのです。
胸焼けでは息切れ、発汗、意識が朦朧とするなどの症状が出ることはないので、このような症状が併発している場合には家族や周囲の人の助けを借りて病院へ行きましょう。
この時に決して自分で車を運転することはしないで下さい。
胸焼けの治し方
牛乳を飲む
胸焼けが起こった時に牛乳を飲むことにより、胃の中に膜が張られた状態になり、胃の粘膜が守られます。
コップ1杯程度の牛乳を人肌程度に温めてからゆっくりと少しづつ飲んでみて下さい。牛乳が苦手な方は飲むヨーグルトなどもおすすめです。
他にもチーズなどの乳製品も胃の粘膜を保護したり、胃酸の分泌を抑える効果があります。
ただ、人によっては乳糖不耐症という、牛乳などの乳製品を摂取するとお腹を壊してしまう体質の方がまれにいます。
腸の中の乳糖を分解するラクターゼという酵素が少ないために、牛乳を飲むことでお腹がごろごろしたり、下痢をするのです。
他にも牛乳アレルギーが原因で湿疹が出たり、喘息などの呼吸器系の影響が出る場合もありますので、乳製品をとる際にはかかりつけの医師とよく相談して下さい。
姿勢を変える
胸焼けを感じると胸やお腹の辺りが苦しくなって、つい前かがみの姿勢になりがちです。
背中を丸めた姿勢は胃を圧迫することになるので、できるだけ背筋を伸ばした体勢を保ちましょう。
また寝ている時に胸焼けが起こり眠れないという場合には、毛布や枕などを使って坂道状に角度をつけ、頭を一番上にして、食道を胃よりも上にした状態を保つようにしてみて下さい。
市販薬を服用する
市販されている胃薬を服用するのも胸焼けには効果的です。胃薬には出過ぎた胃酸を抑制するタイプ、胃粘膜の荒れを修復するタイプなど様々なものがあります。
制酸成分としては、炭酸水素ナトリウム・水酸化マグネシウムなどがあり、粘膜修復成分としては、銅クロロフィリンカリウム・ソファルコン・スクラルファートなどがあります。
胃の機能が低下している場合には、胃粘液の分泌促進成分としてのテプレノンや、健胃成分であるケイヒ・センブリなどが配合された胃薬を服用するのがおすすめです。
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自律神経を整える
過度なストレスがかかり続けていると、胸焼けや頭痛・動悸が自律神経症状として現れる場合があります。
自律神経を整える方法としては、自立訓練やカウンセリングなどの心理療法的なアプローチ、また指圧・整体・鍼灸やマッサージなど、体に働きかける方法もあります。
他にもミュージックセラピーやアロマテラピーなど、五感を刺激するのも効果的です。
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改善しなければ病院を受診
市販の西洋薬を2週間程度、漢方薬なら1ヶ月くらい服用しても症状が改善されない場合には病院を受診しましょう。
胃腸の専門である消化器内科を受診することをおすすめします。胃カメラ検査や腹部超音波検査、血液検査などで診断がつきます。
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ほとんどの場合は胃炎や逆流性食道炎と診断されることが多いのですが、げっぷや吐き気など付随する症状によってはヘルニアや潰瘍、ガンなどの可能性もあるので、胸焼け以外の症状があるか、出る時間帯などをメモして医師に伝えましょう。
胃炎や食道炎は生活習慣改善指導と胃酸を抑える薬などの処方で治療をしていきます。
しかし、逆流性食道炎などと診断されて胃酸を抑える薬などを服用していても、胸焼けや胃痛・背中の痛みが数ヶ月続く時は、もしかしたら胆嚢炎や胆石症、慢性膵炎の見落としがあるかもしれません。
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これらの病気は腹部超音波検査や血液検査にもなかなか現れないケースが多いからです。
消化器内科で胃や十二指腸などの病気が改善されているのにもかかわらず胸焼けなどの症状などが続く場合には、消化器内科の中でも胆嚢・膵臓を専門とする医師がいる病院の門を叩きましょう。
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