足の裏の皮が固いのはナゼ?【痛いのは魚の目のせいかも】
<監修医師 田中 恵文>
ふと何気なく足の裏を触れてみたら皮がカチカチ!ということはありませんか?
普段あまり意識を向けないかもしれませんが、足は人間の体を支える非常に重要な器官です。
見た目もあまり美しくないだけではなく、実は、足の裏が固くなってしまったのを放っておくと、思わぬトラブルが発生するかも?!
今回は、足の裏が固くなる原因とその対処法についてご紹介します!
足の裏の皮が固い原因
足の裏の皮膚が硬くなってしまう根本的な理由は2つあります。
足の乾燥
人の皮膚は、外側から表皮、真皮、皮下組織で構成されています。このうちの表皮の一番外側にある角質層は、一定の周期で新しく生まれ変わります。
お風呂に入ると垢が出ますよね。あれは古くなった角質層が剥がれ落ちているのです。このように、古い角質層が剥がれ落ちて、角質層が入れ替わることをターンオーバーと呼びます。
ところが、角質層が乾燥しているとこのターンオーバーがうまくいかず、いつまでも古い角質が表面に残る状態になります。これが、足の裏が固くなる理由です。
実は、足の裏の皮膚は、体の他の部分の皮膚と異なり、汗を出す汗腺はありますが皮脂を出す皮脂腺がありません。
皮脂があれば水分をある程度留め、保湿することができるのですが、足の裏の皮膚はそれができないのです。
そのため、靴下の中に汗をたくさんかいていたとしても、皮膚自体は乾燥していることも十分ありえます。角質が硬くなってさらに乾燥が進むと、ひび割れを起こすことがあります。
かかとがひび割れてストッキングが伝線してしまった!なんてこと、ありませんか?
ひどくなると、ひび割れたところから出血して傷になった部分から水虫や雑菌に感染したりするかもしれません。
生活習慣や歩き癖
足の裏は、全体重がかかる部分です。つまり、少しでも無理な体勢が続けば、大きな影響が出てきます。
足の裏に無理な圧力がかかると皮膚が硬くなる原因になります。それでは、足の裏が硬くなりやすい人の例を見てみましょう!
<ハイヒールを好む女性>
ハイヒールの靴は、どうしてもつま先に体重がかかりやすくなる上にデザイン的に先がすぼまっていて足が締め付けられてしまいます。このように足裏の前の方に圧力がかかると皮膚が硬くなりやすいです。
< 靴のサイズが合わない人>
靴がきつかったり、ゆるすぎたり、または靴底がフラットで固い靴などは、足の裏に負担がかかる原因となり、結果的に足の裏の皮が硬くなってしまいます。
< 立ち仕事が多い人、長時間歩くことの多い人>
立ち仕事や長い時間歩行することは、足裏を圧迫します。たとえ少しの刺激でも、それが長時間積み重なると悪影響を及ぼします。
<姿勢の悪い人>
歩くときの姿勢が悪い人は、足の裏の一部分だけに圧力がかかってしまうことがあります。
< 血行の悪い人>
血行が悪いと、角質層のターンオーバーがうまくいかず硬くなりやすいです。上の特徴に当てはまる方は、もう一度自分の歩き方、足の裏の状態を確認してみてください!
足の裏の皮が固くて痛い原因
足の裏の乾燥や生活習慣によって、足の裏の皮が硬くなるだけでなく、できものやしこりができてしまうことがあります。
足の裏が痛いな、と思って見てみたらできものができていた!という場合は、魚の目の可能性が高いです。魚の目はよくタコと混同されるので、違いを詳しく解説します。
痛みの少ないタコ
タコは、足の裏の表面がやや広範囲に盛り上がっている状態を指します。ほとんどの場合、黄色っぽく平らに盛り上がってカサカサします。痛みはあまり感じません。
できものの性質としては、指の人差し指や中指にできるペンだこと同じです。場所としては、靴と擦れやすい親指や小指、そして足の裏にできやすいです。
痛みがあったら要注意!魚の目
魚の目とは、足の裏などにできる硬い芯のあるできもののことです。医学的には「鶏眼(けいがん)」と言いますが、魚の眼のように見えます。
魚の目は5mm程度と小さいできものですが、歩いたり、押したりすると鋭い痛みがあるのが特徴です。
実は、魚の目はタコとは違い、厚くなった角質層が皮膚の内側に向かって伸長することで神経を刺激します。
この魚や鶏の目の部分が、硬くなって伸びている「芯」です。軽い痛み程度であれば、削ったりして自分でケアすることも可能です。
しかし、痛みがあるほど芯が伸びてしまっている場合、自分で削ろうとして皮膚を傷つけてしまうとばい菌が入り込んで悪化しかねません。
また芯を取り除けなければ再発してしまいます。もし、痛みがひどい場合は皮膚科を受診するようにしてください。
足の裏の皮が固い時の対処法
実は、足の裏の皮が固い状態を放置してしまうと、様々なトラブルが起こります。先ほど説明した魚の目もそうですし、その他にも溜まった角質は雑菌の格好の餌です。
角質をためたまま靴の中で足が蒸れてしまうと、雑菌が繁殖しいや〜な臭いを発します。このような事態を防ぐためにも、足の裏をしっかりケアをして、つるつるの足を手に入れましょう!
角質層を取り除く
まず、古くなった角質層を取り除きましょう。ここでは、主に3つ方法を紹介します。
<ヤスリで削り落とす>
まず、お湯に足をつけて角質を柔らかくしましょう。そのあと、足を乾かしてからヤスリで古い角質層を削ります。
ポイントは、少しずつ丁寧に削ること。一生懸命削りすぎてしまうと、必要な新しい角質層まで削ってしまいかねません。
できたら、粗めのヤスリで削ってから、細かいヤスリで全体を優しくかけてやるとベストです。
<スクラブ>
ヤスリをかけるのが少し不安、という方は、スクラブで落としてあげるのも一手です。スクラブは、わざわざ買わなくても手作りできますよ。
オリーブオイルと塩を2:1の割合で混ぜれば簡単スクラブの出来上がり。これで、かかとや足裏を優しくこすってあげればバッチリです。
<角質除去用パック>
市販の角質除去用パックも人気です。角質除去用の液に足をつけて洗い流すと、1〜2週間ほどで角質がむけるというもの。
角質が剥けている間は少し見た目が悪いのが難点ですが、試してみては?!
保湿
古い角質を取り除いたら、しっかり保湿をするようにしましょう。できれば、顔の肌と同じように、化粧水→乳液→クリームと塗ってあげるとつるつるの足を保てますよ!
マッサージ
血行が悪いとターンオーバーが滞りやすくなっていまいます。スクラブをするとき、保湿をするとき、お風呂上りなどに足首から下をゆっくりマッサージしてあげましょう。
そのときに足の裏をストレッチするように伸ばしてあげるとさらに効果的ですよ。
魚の目の治療
魚の目ができてしまった方は、専用の治療が必要になります。市販の魚の目用の薬もあります。ですが、先ほど述べたように、魚の目は中途半端な治療では再発の可能性もある病気です。
しっかりと魚の目を治すためにも、できれば皮膚科を受診して治療を受けるようにしてください。
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まとめ
今回は足の裏の皮膚が固いなる原因をご紹介しましたがいかがでしたか?普段気を配っていない足裏かもしれませんが、これを機に定期的にケアをするようにしてみましょう。
ケアをしていれば、足の臭いや雑菌の増殖、水虫などのトラブルも防げます。
ただし、もし足の裏が固いだけでなく、水ぶくれや5mm以上のできもの、痒い場合はタコや魚の目以外の足のトラブルの可能性が高いです!
その場合には原因や適用される治療も異なりますので、皮膚科医を受診するようにしてくださいね!
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