風邪に生姜入りうどんがスゴい効く!【汗をかいてスッキリしよう!】
<監修医師 WASHIO>
皆さんは風邪をひいた時、おかゆ派ですか?うどん派ですか?
今回は、「風邪の時はおかゆ!」という人でもきっと食べたくなる、生姜入りのうどんのスゴい効果についてのお話です。
作り方も簡単で、煮込んだうどんに、おろし生姜を加えるだけ。大根おろしやお野菜、卵なんかを一緒に入れても栄養満点で美味しいですよね。
風邪によく効く生姜の効能について、“どうして風邪の時は消化の良いものを食べるのか”などの疑問と共に、詳しく解説していきたいと思います。
風邪のときにうどんを食べる理由
そもそも風邪って何?
皆さんが当然のように口にする“風邪”。
実はこれ、正式な病名でないことはご存知ですか?では、風邪とは一体何なのかというと、ウイルス感染によって呼吸器系に炎症が起きるものの総称です。
原因となるウイルスは200種類以上。その原因をいちいち特定することは難しいので“風邪”と診断しているのです。つまり、毎年冬になると流行するインフルエンザも風邪の一種と言えるわけですね。
風邪を治すには?
風邪の原因はウイルス。ということは、そのウイルスを退治する薬を飲めば風邪も治ると思いますが、残念ながら特効薬とも呼べる抗ウイルス剤は存在しません。
病院で出される薬も、解熱鎮痛剤や咳止め薬など、症状を抑えるものが中心ですよね。
風邪を治すためには、対処療法で症状を抑えつつ、十分な睡眠と栄養を取ることによって、私たちの身体に備わっている免疫力を高めてあげることが大切なのです。
ちなみに、風邪によって引き起こされる症状にも意味があって、熱はウイルスを死滅させるため、咳や痰、鼻水などはウイルスを外に出すために出ているのです。
なので、薬にばかり頼り過ぎて症状を抑えてしまうのも、あまり良くはないんです。
どうして消化の良いものを食べるの?
風邪をひいた時は、消化の良いおかゆやうどんが定番ですよね。おかゆやうどんが良い理由は、食べ物の消化に余分なエネルギーや血液を使わずに済むため。
肉などの消化に時間のかかるものを食べてしまうと、消化のほうに余分なエネルギーを使ってしまい、ウイルスに対抗するだけの体力がなくなってしまいますよね。
また、胃を働かせるためには血液も必要。消化のために血液を胃に集中させてしまうと、免疫機能の中心となっている白血球が、ウイルス退治にまで力を使えなくなってしまうのです。
風邪の際におすすめの食べ物についてはこちらを参考にして下さい。
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だから生姜入りうどんがオススメ!
おかゆももちろん良いのですが、今回オススメしたいのはうどんです。
うどんと言っても、煮込みうどん。柔らかく煮込むことで弱った身体でも食べやすくなり、消化もさらに良くなります。また、うどんの主原料である小麦粉に含まれるグルテンには、消化酵素の働きを助ける効果もあります。
免疫力を高めるためには、身体を温めて、血流を良くすることも大切。そのため、身体をポカポカと温めてくれる生姜を入れたうどんは、風邪の時に最適な料理なのです。
生姜の効能
生姜の成分
生姜の成分として欠かせないのは「ジンゲロール」と「ショウガオール」の2つです。
ジンゲロールは、白血球を増やして免疫力を高めてくれる作用があり、生の状態で豊富に含まれています。
ただし、空気に触れるとわずか3分で減少し始めてしまうため、その作用を十分に発揮するためには、食べる直前に切ったり、すりおろしたりすることが前提となってきます。
一方、ショウガオールは、血行を良くして身体を温めてくれる作用のあるものですが、生の生姜にはほとんど含まれていません。
生姜を加熱や乾燥させると、ジンゲロールの一部がショウガオールへと変化する仕組み。そのため、身体を温めたい時には、火を通すなどの調理をすると、より一層効果が高まります。
ジンゲオールの効能
ジンゲオールの代表的な効能は、白血球を増やして免疫力を高めることですが、それ以外でもジンゲオールには様々な効能があります。まずは、風邪の時に役立つ効能から。
✅ 殺菌作用
✅ 抗炎症作用
✅ 吐き気の抑制
✅ 胆汁の分泌を促進
これらによって、解熱作用や鎮痛作用が期待できるため、発熱や頭痛、のどの痛みに対して効果があります。また胆汁は、脂質やたんぱく質の分解を助けてくれるため、消化吸収にも一役買ってくれます。
それ以外でも、ジンゲロールには以下のような効能もあります。
✅ 抗酸化作用(アンチエイジングや生活習慣病の予防)
✅ 血栓予防 ✅ うつ病予防 ✅ めまい・耳鳴りの予防 ✅ デトックス効果 ✅ 冷え症の改善 ✅ 抗菌・抗ウイルス効果 |
ジンゲロールだけで、病気予防から美容まで、幅広い効果があることが分かりますね。
ショウガオールの効能
ショウガオールは、生姜を加熱や乾燥することによってジンゲロールから作られる成分。
血行を良くして体を温めてくれるため、冷え性には効果抜群。その保温効果は3~4時間も続くと言われています。また、冷えからくる関節の痛みも軽減してくれたり、脂質や糖質の代謝を助けてくれる作用も持っています。
身体を温めると言ったらショウガオールですが、実はショウガオールは熱を作る作用に特化しており、その熱を身体の隅々まで運ぶのは主にジンゲロールの役目となっています。
冷え性改善と免疫力アップ、どちらの作用を優先するかによって、調理法を変えたいですね。
風邪に効くほかの食べ物
食事選びのポイント
風邪をひいた時、食欲がなければ無理に食べる必要はありません。特に吐き気や嘔吐、下痢などの消化器症状がある時は、絶食して胃腸を休めるくらいでも良いでしょう。
食べられるようになってきたら消化の良いものから。その時のポイントとしては、温かいものを中心に。
たんぱく質や糖質はエネルギー源になりますし、たんぱく質は新陳代謝を助けるので、バランスよく食べることが大事。また、ビタミンCには白血球の働きを助ける作用があるので、積極的に摂りたいですね。
ビタミンCについてはこちらを参考にして下さい。
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まずは水分補給
布団を被って寝るにしても、生姜を食べて身体を温めるにしても、汗をかくことで熱と一緒に水分や電解質が失われます。
そのため、食欲がない時に無理に食べる必要はありませんが、脱水を防ぐためにも水分補給だけはしっかりと行うようにしましょう。お茶やスポーツドリンクも良いのですが、経口補水液があればベストです。
また、風邪に効果のある飲み物として、今回のテーマである生姜を使った「生姜湯」や「ジンジャーティー」もオススメ。
ほかにも、「たまご酒」なんかが有名ですね。卵はたんぱく質やビタミンなど栄養満点で、お酒によって身体を温める効果が期待できます。
脱水症状についてはこちらを参考にして下さい。
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はちみつ
はちみつは、ビタミンやミネラル、アミノ酸などが豊富に含まれています。消化も早く、のどの炎症を抑える効果もあり、さらにビフィズス菌を増やすことで腸内環境も整えてくれます。
「ホットレモネード」はビタミンC豊富なレモンと、栄養価の高いはちみつで作るものなのでオススメ。また、ビタミンCがレモンの3倍もあるという柚子を使った「柚子茶」にはちみつをプラスしても良いですね。
自然の甘さで、様々な料理や食材に合うはちみつですが、生後1年未満の子供には、ボツリヌス菌による病気の危険性があるので、食べさせないように注意しましょう。
ネギ
次にオススメなのがネギ。ネギの白い部分には、殺菌作用のある硫酸アリルやアリシンなどの成分が豊富に含まれているため、口やのどのウイルス撃退に効果的です。
また、硫酸アリルには、血行を促進して身体を温めてくれる作用も。ネギ以外でも、玉ねぎやニンニク、ニラなどにも多く含まれています。
また、ネギの青い部分には、β-カロテンやビタミンA、ビタミンCなどが豊富に含まれており、免疫力を高めてくれる効果が期待できます。
よく、風邪をひいたらネギを首に巻くと良いなんて聞きますが、それよりも、生姜入りうどんに入れて一緒に食べたほうが良いですね。
ネギについてはこちらも参考にして下さい。
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果物
白血球の働きを助けてくれるビタミンCを豊富に含む、柑橘系の果物は特にオススメ。食欲がない時でも飲み込みやすいですし、ジュースやゼリーなどでも摂れるので便利ですよね。
ただし、身体が冷えないように、食べ過ぎには注意です。冬ならミカン、夏ならグレープフルールが手に入りやすいですね。柑橘系以外では、バナナやキウイ、すりおろしたリンゴは定番でしょうか。
意外なところだと、梨も風邪に良いんです。梨に豊富に含まれるカリウムが熱を下げてくれるほか、梨のエキスがのどを潤すことによって痛みを軽減してくれます。
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