PMDDで眠気が襲う【症状チェックや3つの治療法を解説】
<監修医師 ゆまこ>
PMDDという言葉を聞いたことはありませんか?PMDDとは女性なら誰しもがなり得る病気です。何もないのに眠気が来てしまう…なんて方はもしかしたらPMDDかもしれません。
PMDDには沢山の症状があるため、症状チェックや3つの治療法について詳しく説明していきます。
気になる所から確認してみよう
PMDDとは
月経前症候群(PMS)のうち、月経前不快気分障害の事をPMDDと言います。一言で症状を言うとするなら、生理前になると普段の生活に支障があるような精神的不調があることです。
月経前までは何も変わりなく生活していたのにも関わらず、月経の約1~2週間前になると攻撃的・暴力的になる事や、重度の抑うつ感から自傷行為をしてしまうこともあります。
PMSとPMDDは似たような症状や名前ですが違います。そのため、ちょっとここで月経前症候群(PMS)についても説明しておきます。
月経前症候群(PMS)には身体的症状と精神的症状があり、下腹部痛、頭痛、肩こり、むくみ、イライラ、不眠などが月経前に起こります。
おおよその時期としては、月経の1~2週間前から症状が現れ、生理が始まると症状が無くなる場合や軽くなることもありますが、個人差があります。
月経がある女性の半数から7割程度の方がPMSに悩み、そのうちの約5%の方がPMDDで悩んでいます。PMDDは精神症状がとても強く出現するため、同じ女性同士でも理解されにくい重篤な症状である場合があります。
PMSの身体的症状についてはこちらを参考にして下さい。
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PMDDの症状
PMDDがどのような疾患か、そしてどんな症状かは少し分かったでしょうか。次は更に深く具体的な症状を挙げます。次に挙げる25項目のうち、2つ以上に該当する症状のある場合はPMDDが疑われます。
また、該当する数が多いほど症状が重症であることが多いですし、PMSと同じで、生理前2週間以内にはじまることが多いです。
✅ 激しいうつ状態
✅ 自己否定感がある
✅ 絶望感がある
✅ 気力がなくなる
✅ イライラする
✅ 激しい不安感がある
✅ 著しい緊張感、何かに圧倒される感じがある
✅ 日常生活に支障のある情緒不安定
✅ ひどく悲しくなる・号泣する
✅ 怒りっぽくなる・攻撃的になる
✅ 周囲のことに興味がなくなる
✅ 引きこもりがちになる
✅ 酷く疲れやすく・だるくなる
✅ 判断力・集中力が低下する
✅ 眠くなる、又は眠れない
✅ 性欲を抑制できない、又は性欲が減退する
✅ 食欲を抑えられない
✅ 自分をコントロールできない
✅ 下腹部が痛い・重い・張る
✅ 乳房が張る・痛い
✅ 頭が痛い・重い
✅ 手足がむくむ
✅ 便秘になる
✅ 人の言葉でひどく傷つきやすくなる
✅ 希死念慮(死にたいと思う)、または自殺衝動に襲われる
個人差もある症状のために、該当する項目が沢山あったからと言って思い詰めることはありません。女性の誰もが経験していることですし、治らない事ではありません。一度診療科を受診する参考までにしましょう。
生理前の精神的なトラブルについてはこちらを参考にして下さい。
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PMDDの治療法
症状だけを見ていくととても該当する項目が多かった方もいると思いますが、先ほども言ったように思い詰めないでください。
ですが、PMDDと診断された場合には適切な治療を受けることが必要です。症状のある方は、早めに専門の病院を受診して根本的な原因を解明しましょう。それに沿った治療を行うと数か月で改善することが多いと言われています。
薬物療法
PMDD(又はPMS)の治療法としては薬物療法が一番目に選択されます。心療内科・精神科では、抗うつ薬や精神安定剤などの向精神薬が処方されます。
婦人科では低用量ピルが処方されます。低用量ピルは排卵だけを止めて、卵巣から分泌されるホルモンの量を少なくします。PMDDの治療だけではなく、月経不順や月経痛の軽減などにも効果があります。
薬を内服することで、PMDD症状を一時的に回避することはできますが、ピルや向精神薬は、薬の効能よりも副作用が強く出てしまう場合も多く、注意が必要です。
※低用量ピルと向精神薬について簡単にまとめてみました。
✅ 低用量ピル
もともと避妊を目的として開発された薬で、女性ホルモンが含まれています。ピルに含まれる女性ホルモンの作用で、排卵を抑制し、妊娠している状態に近くします。
PMDDは月経前に起こる女性ホルモンのバランスの乱れが関与していると考えるため、低用量ピルを服用することで排卵を一時的に中断させ、女性ホルモンの分泌を低下させることが目的です。
また、副作用として血液を固める作用があり、血栓を作るリスクが上がることが分かっています。ピルは安全性の高い薬とされますが、その一方でデメリットが大きいこともあります。
✅ 抗精神薬
心療内科や精神科で処方される薬は、「抗精神病薬」「抗うつ薬」「抗不安薬」「睡眠薬」「気分調節薬」などがあります。この薬は、副作用や依存性があることは知っておかなければいけません。
漢方薬
漢方薬は鎮痛薬などの一つの成分で作られているのではなく、数種類を組み合わせている為に、同じ薬で複数の症状に効果があると言われています。
PMDDやPMSは複数の症状が出るために効果的です。そして、副作用の心配がありません。
抗うつ剤や抗精神病薬は、便秘になりやすく女性ホルモンのバランスを崩すことがあるなどの副作用があるために、漢方薬と抗精神薬などとの併用もできます。
栄養療法
一般的な薬などの副作用が心配である場合や、苦い薬を飲みたくない場合で、PMDDやPMSを根本から治したい方は、副作用の心配のない栄養療法といった治療法があります。
ビタミンやミネラル(鉄分)の欠乏や、低血糖が、PMDDやPMSを悪化させる原因であるといわれています。
ビタミンやミネラルの役割についてはこちらを参考にして下さい。
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