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ドラベ症候群とは?【6つの症状や治療法を分かりやすく解説!】

<監修医師 豊田早苗>
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ドラベ症候群という聞き慣れない疾患を知っていますか?赤ちゃんなどの乳幼児期に発症する病気で、てんかん発作やけいれんなどの症状が繰り返し起こります。

 

ドラベ症候群は症状の起こり方も決まっておらず、原因もはっきりとはしていません。

症状の経過や治癒するかどうかも不確定なドラベ症候群では、日常生活について注意しなければならない行動や発作症状が起こりやすい季節などもあるようです。

 

厚生労働省によると日本におけるドラベ症候群の患者数は約3000人と言われ、4万人に1人の割合で発生するとされています。

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ドラベ症候群とは?

 

ドラベ症候群とは1978年にフランスのシャーロット・ドラベ博士により提唱された乳幼児期に発症する難治性のてんかん性脳症です。

 

「乳児重症ミオクロニーてんかん」とも呼ばれ、1歳未満の乳児期に多く発症する重度の小児てんかんにも数えられている疾患です。部分発作を合併することもあり、てんかんの重積状態を抑えることが重要視されています。

 

てんかん発作は発達や発育に悪影響を及ぼし発達遅滞を来し、発作・発達予後が不良となることもあり死亡率も16%を超える疾患です。

 

ドラベ症候群の原因

ナトリウムチャネル遺伝子SCN1Aの遺伝子異常が8割弱の原因とされています。まれに他の遺伝子の微細欠損や変異が原因とも報告されていますが、遺伝子異常がない場合も存在します。

 

遺伝子の機能低下によって神経細胞に電機発射が生じて難治性のてんかんを発症すると言われていますが、2割強の原因は不明です。

 

非常にまれな疾患のために診断医が非常に少なく限定されていますが、てんかん専門医を受診する点が重要です。

 

親子間での遺伝は

健康な両親で遺伝子異常がなければ子供に発症するリスクは低いです。血液細胞には認められないものの遺伝子異常が両親のどちらかに稀に見られる場合は、発症リスクはわずかですが高値になる可能性はあります。

 

家族に「熱性けいれん」やてんかんの既往がある場合は両親のいずれかが同様の遺伝子異常を持つ可能性も考えられ、この場合も子供への発症リスクは可能性として考えられます。

 

すでに遺伝子異常を持つ場合、子供にその遺伝子異常が遺伝する可能性は50%と言われています。ドラベ症候群発症のリスクは高くなりますが、それ以外のてんかん発症の可能性も上がってきます。

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ドラベ症候群の症状

 

ドラベ症候群の特徴的な症状はてんかん発作です。これは十分なメカニズムは判っていませんが、発熱や入浴などの体温が上がる原因に誘発されると考えられています。

 

発熱もなくその他の誘因がなくても起こることがあります。5分経過しても痙攣が止まらない場合は痙攣重積となり、救急搬送しての処置が必要となります。

 

強直発作

全般性あるいは片側性の発作でおもに発熱や入浴などの熱誠の誘因により発生する発作です。

 

片側性のものは左右が一定せず、3歳ぐらいまでは数秒間脱力する「欠神発作」が起こりやすいと言われます。長時間にわたるため、1回の発作中に左右が交代することも特徴とされています。

 

ミオクロニー発作

意識が覚醒している時に一瞬の四肢の一部筋肉がぴくつきいたり転倒するものまであります。

誘発要因の一部として、点滅する光や縞模様などの図形を見ることでミオクロニー発作が起こり全身の痙攣へと移行する場合があります。

 

非定型欠伸発作

ミオクロニー発作や短時間の脱力を伴って前傾する発作です。脳波の形状が否定形になることが特徴で、見た目には身体の引き釣りや目をぱちぱちしたりぼんやりしたりします。

 

複雑部分発作

発作が起きると意識がなくなり、不随意に体が動き出すのが特徴です。眼球が偏倚したりチアノーゼなどの自律神経の症状を伴う複雑部分発作もあります。

 

強直間代発作

硬直発作と痙攣が併発することを間代発作と呼びます。間代発作は片側性の場合もありますが全身にわたる発作の場合を全身強直間代発作と言います。

 

発作予後の症状

乳幼児期・成長期に発作が多発するため脳の成長が阻害されます運動能力失調筋力低下も1歳以降あたりから見られるようになり、発達遅延精神遅滞も現れます。

 

思春期以降は痙攣などの発作回数は減少してくると言われていますが、ドラベ症候群ではデータは少数ながら思春期までの死亡率が10%とされており寿命が短いとされています。

 

睡眠中の突然死や急性脳症による脳死になる率も高確率です。低年齢の場合には入浴中の発作が多いため、溺死が多いとのデータもあり注意が必要です。

 

1歳ごろから発達が鈍化しはじめ4歳以降では成長の遅れが目に見えるようになります。個人差はありますが中等以上の知的障害を伴い、多くはIQ50以下の重度な知的障害を呈します。

 

歩くことができるようになってもふらつきや下肢に変調が見られる失調性歩行などの歩行障害を伴います。また衝動性や多動・強いこだわりや集中力不足などの広汎性発達障害の症状を多く伴います。

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ドラベ症候群の治療法

 

ドラベ症候群の症状は乳幼児に多くみられる痙攣発作のため、薬物治療以上に保護者や周囲の大人による養護がかなり重要になってきます。

 

成人期になっても完全に発作がなくなることはほぼないため、周囲の援助なしで自立生活を送ることは困難です。また、食事療法も安全で難治性の小児てんかんに対して痙攣を減少させる効果があるとして注目されています。

 

薬物治療

主な治療薬は抗てんかん薬ですが、発作型の多さや長時間繰り返すため多剤併用することが一般的です。

2種類から3種類の併用が多いとされていますが、可能な限り薬の種類は少なくしたほうが副作用も最小限で押さえることができます。

 

痙攣重積の場合には向精神薬や静脈麻酔薬を使用する場合もあります。小児では発作が悪化する薬もあるため、医師の指示に必ず従うようにしましょう。

 

食事療法

薬物療法で使用される一部の薬剤では食欲を低下させる作用があり、低栄養状態にならないように注意をしなければなりません。食事療法として行われているのはケトン食修正アトキンス食です。

 

炭水化物から食物繊維を除き、脂質を増やした食事がケトン食です。脂質から生成するケトン体が生成することにより発生する薬理作用を利用します。

高脂質・低糖質食に替えることでてんかん発作が改善するということから、副腎皮質刺激ホルモン療法の代替療法としても再評価されています。

 

修正アトキンス食はケトン食よりも計算などの煩雑さが少なくなります。1日の糖質摂取量を目安として管理して肉類・魚などのタンパク質摂取は自由なので、保護者にも患者にもやさしいものとなります。

 

発作の治療目的での食事療法は注意点が発生します。糖質制限を行っているため、子供がおやつで糖質の多いものを誤って食べてしまわないように注意しなければなりません。

 

日常生活のケア

体温上昇で発作が誘発されやすいため、入浴はシャワー浴で短時間に済ませることが大切です。

発熱した場合は座薬をしようしたり、ミオクロニー発作のように光の点滅や図形を凝視することで誘発されるものは視野を遮ったり背を向けさせることなども重要です。

 

多動や衝動性・運動失調がある場合には発作でなくても頭から転倒してしまうことが多く発生します。睡眠時以外に頭部を守る保護帽をかぶせることは受傷の危険を避けるために重要ですが熱がこもるため、保冷剤を入れることができる洋服や首巻などを併用するようにしましょう。

 

このほか、もしも覚醒中の発作で転倒して意識を失う可能性もあるため連絡先カードを身に着け、発作が起きても早期に知り周囲と共に対応ができるようにすることが最重要なケアです。

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