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ヒルシュスプルング病の手術(根治術)について【特徴的な症状一覧】

赤ちゃんの手

小児科では比較的よく見られるという「ヒルシュスプルング病」についてご存じですか。どのような症状か知っておかなければ、放置していると取り返しのつかない事態に陥ることもある病気です。

今回はヒルシュスプルング病の手術(根治術)について、特徴的な症状一覧と併せて解説します

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ヒルシュスプルング病とは?

 

まずはヒルシュスプルング病がどのような病気なのか、その概要を解説します。

 

ヒルシュスプルング病はこのような病気

ヒルシュスプルング病は先天性の病気で、腸の神経節細胞が先天的(生まれつき)に失われているために重篤な便秘症状や腸閉塞を引き起こします。消化管の運動を制御する腸の神経細胞がないことが原因です。

 

発症者の8割が肛門からS状結腸くらいまでの長さの欠損ですが、まれに小腸までの長い器官が欠損している小腸型や広範囲に渡る欠損である全結腸型も存在します

 

お母さんの胎内で胎児の各器官が形成されますが、腸の神経細胞は胎児が5週から12週の頃に形成されます。まずは食道の口側の端に腸の神経細胞が形成され、徐々に肛門側に向かって形成されていきます。

 

ただしこの際に何らかの異常が起き、分布が阻害されると腸の神経節細胞の一部あるいは大部分に欠損が起きます。

 

ヒルシュスプルング病の検査方法

新生児や小児は体調不良が胃腸関係の症状に表れることが多く、一見他の症状と区別がつかないことも多いです。まずは一般的な小児科向け検査を行った後、ヒルシュスプルング病の疑いがある場合は専門の検査を行います

 

【直腸指診】

肛門から直接指を入れ、便が詰まっていないかどうか、ガスが出るかどうかを確認します。

 

【注腸造影検査】

ヒルシュスプルング病の場合、単純にX線撮影を行うと、腹部にガスが溜まっている様子が分かります。

 

さらに原因を探るために、お尻から大腸までを造影し細い腸がないかどうかを確認します。特に大腸の肛門側が細い場合は要注意です。

 

【直腸肛門内圧検査】

直腸肛門内圧測定検査は、お尻の締まり具合を見て正常か異常かを判断する検査方法です。

 

正常の場合は肛門の括約筋には弛緩反射が起きませんが、もしも弛緩反射が起きるようであればヒルシュスプルング病の可能性が高いです。

 

【直腸生検検査】

直腸の粘膜を顕微鏡で観察し、神経の異常がないかどうかを判断します。直腸粘膜の生検では、外来神経の増加を組織学的に確認します。

もしも腸管の壁に神経節細胞が欠如していれば外来神経が増加しています。

 

ヒルシュスプルング病の治療方法

もしも神経節細胞の欠如が非常に狭い範囲だった場合は、浣腸などの手段で症状を改善させることも可能です。しかしほとんどの場合、手術が必要になります。

 

ヒルシュスプルング病は手術によりその症状を緩和させる方法(根治術)が確立しています

 

ただし症状型や全結腸型になると長域腸管蠕動不全を起こしているため、人工肛門や腸瘻(ちょうろう)を造設する必要があり、死亡率も高くなります。

 

また手術にはある程度の月齢と体重が必要になるので、新生児で生後すぐに発見されても即手術には踏み切らず、しばらくは敗血症や腸炎などの合併症に注意しながら経過をみることになります。

 

さらに新生児以外にも、成長後に見つかる場合もあります。この場合も手術でなければ根本的な解決は出来ません。

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ヒルシュスプルング病の症状

 

ヒルシュスプルング病は先天的な病気のため、新生児の時期に発見されることの多い病気です。具体的にはどのような症状が見られるのか解説します。

 

便秘、腹部膨満

生まれつき便秘気味やお腹が張りがちな子供は多いですが、ヒルシュスプルング病を発症すると顕著に便秘や腹部膨満(腸閉塞)の症状が出ます。

 

排便や排ガスがうまくいかず、まるで風船のようにお腹がふくらみます。慢性的な便秘を放置すると敗血症を併発することもあります

放置すると死に至る場合もあるため、要注意です。

 

嘔吐

消化器官に器質的閉塞が認められないにもかかわらず、嘔吐感があります。また濃緑色の吐瀉物がある場合は、胆汁がそのまま排出されていることが考えられます。

 

体重増加不良

慢性的な便秘症状やガスが溜まっている状態なので哺乳力も落ち、一見するとお腹が膨らんでいても栄養がほとんど摂れていないために体重がほとんど増えなくなります

 

栄養不良

腸の蠕動運動が起きておらず、必要な栄養分がほとんど摂取できません。

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ヒルシュスプルング病にかかる原因

 

ヒルシュスプルング病は腸の神経節細胞が一部あるいは大部分が欠損しているために引き起こされる症状ですが、なぜこのような事態が起きるのでしょうか。

ヒルシュスプルング病を発症する原因について解説します。

 

遺伝子異常

すでにいくつかの、ヒルシュスプルング病を引き起こす原因遺伝子が特定されています。その数は10種類以上で、一部には遺伝性も見られます。

 

特に患者全体の10%しか発症しない小腸型と全結腸型については、家族に発症例があると高確率で遺伝するとみられています

 

原因不明

全てのヒルシュスプルング病患者が遺伝的に引き起こすわけではなく、まだ大部分の原因が不明です。

 

何らかの合併症

ヒルシュスプルング病は別の病気は発症した際に併発することもあります。具体的には以下の病気が挙げられます。

✅ ダウン症

✅ モワット・ウィルソン症候群

→ヒルシュスプルング病の他にも、精神運動の発達障害やてんかんといった症状を発症する場合もある難病です。

 

ヒルシュスプルング病の手術

 

ヒルシュスプルング病は手術により根治治療が可能です。いったいどのような手術を行うのか、また手術後には何に気を付けなければならないのか解説します。

 

無神経節領域の切除と開通

無神経節腸管の切除を行い、無神経節領域以外の正常な腸を神経節細胞のある口側から引き下ろし、肛門とつなぎます。

 

手術の一部には腹腔鏡補助下手術を用います。腹腔鏡手術の場合は身体を切り開かなくて済むため、手術後の経過も早く良くなります。また肛門側から手術を行う経肛門手術も同様に、手術後のリスクが低くなります

 

切除する部分が多くなる全結腸型や小腸型の場合、さらに埋め込み型の中心静脈カテーテルの留置が必要になります。

 

これは、人体の生命維持に必要な栄養の摂取や水分摂取を管理するためです。さらに範囲が広い場合は、小腸自体の臓器移植が必要になります。

 

人工肛門造設

全結腸型・小腸型のヒルシュスプルング病の場合は、神経節が存在する腸管とつないだ人工肛門を造設します。

 

この場合は、栄養分と水分摂取のために手術後も口から摂取する栄養だけでは万全ではなく、静脈栄養も併用する必要があります

 

手術後も注意が必要

人工肛門を造設した場合、排便機能は万全とは言えず、看護が必要になります。人工肛門を造設しなかった場合も、排便の訓練や長期にわたる医学的観察により成長状態を見守ります。

 

またヒルシュスプルング病は予後にも予断を許さず、治療範囲が広ければ広いほど手術後の死亡率も高くなっています

ヒルシュスプルング病自体の死亡率は3%ほどですが、全結腸型は15.8%、小腸型で35.5%となっています。

 

ヒルシュスプルング病の手術の手術と特徴的な症状について解説しました。日頃から観察を怠らないことが、症状を悪化させないためのポイントです。

 

小児は特に便秘などの消化器系統の不調が出やすいので、保護者が注意深く観察しましょう。

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