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腎臓結石の痛みは想像を絶する!【原因や症状なども解説します】

<監修医師 happy days !>

水 

腎臓の中に石ができてしまう「腎臓結石」と呼ばれる病気があります。本来は男性に多い病気ですが、食生活の欧米化が進み、最近は女性にも腎臓結石を患う患者さんが増えてきています。

 

この腎臓結石ですが腎臓の中にある間はとてもおとなしいのに、ひとたび下(シモ)の方に流れていくと、想像を絶するような痛みが出現します。今回はこの腎臓結石の原因や症状などについて詳しく解説します。

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腎臓の役割とは

 

腎臓結石のできる「腎臓」という臓器は、腰のあたりにある左右一対のそら豆状の形をした臓器です。まずはこの腎臓という臓器の役割について解説します。

 

尿をつくる

腎臓に流れ込んだ血液を「ネフロン」というところで濾過し、血液中の老廃物や毒素を取り除き、尿を作って排出します。

 

尿の濃度や量の調節を行い、体の中の体液量を一定に保つように調節をしています。

 

電解質の調節

腎臓では血液中のナトリウムやカリウムなどの電解質(イオンバランス)の調節が行われています。体に必要な電解質や水分を取り込む役割もしており体液量の調整もしています。

 

ビタミンDの活性化

腎臓ではカルシウムを体の中に吸収するために必要な「活性化ビタミンD」が作られています。

 

腎臓の機能が低下すると活性化ビタミンDが低下し、カルシウムが吸収されなくなるため骨が弱くなってしまいます。

 

ホルモンの分泌

腎臓からは「エリスロポエチン」と呼ばれる、赤血球を作るための血液製造ホルモンが分泌されています。

 

腎臓の機能が悪くなると、このエリスロポエチンの分泌も低下して貧血になってしまいます。

 

血圧コントロール

腎臓では、体の中の塩分と水分の排出量を調整することで血圧のコントロールを行なっています。

 

血圧が高い時は、塩分と水分を排出させることで血圧を低下させます。また血圧を維持するホルモンも分泌されており、高血圧の原因となる場合もあります。

 

腎臓の機能についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
腎臓の位置はココ!【腎機能低下の4つの原因や症状をチェック】

 

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体の中になぜ石がたまるのか

 

どうして腎臓に石ができるのでしょうか?これは食生活に大きな原因があります。

腎臓結石には様々な種類のものがありますが、最も多いのが「シュウ酸カルシウム結石」で全体の70〜80%を占めています。

 

このシュウ酸カルシウムの材料になってしまうのが「シュウ酸」で、肉類の動物性たんぱく質に多く含まれています。

シュウ酸は腎臓でカルシウムと結合し、この塊が徐々に大きくなり石化することでシュウ酸カルシウム結石を作ることになります。

 

また肉類を多量に摂取すると尿酸も増えてくるので、尿酸結石や痛風の原因にもなります。この腎臓結石が尿管などに落ちてくると、激しい痛みが出現するのです。

 

こんな症状があれば腎臓結石を疑って

 

腎臓結石は腎臓の中にある時は、小型のものであればほとんど無症状のことが多いです。

 

しかし結石が大きくなったり、腎臓から尿管に落ちてくると、さまざまな症状を引き起こします。腎臓結石が起こす症状について解説します。

 

腰や背中の疝痛

腎臓結石が尿管に落ちてくると腰背部やわき腹に激しい痛みが生じます。この突き刺されるような激しい痛みのことを「疝痛」と言って、尿管結石に特徴的な症状になります。

 

のたうち回るような激しい痛みが続くので、すぐに泌尿器科を受診しなければなりません。結石がなくなれば疝痛は治りますが、それまでが本当に痛くて大変です。

 

血尿が出る

腎臓や尿路に結石があると、結石によって周辺組織が傷ついたり炎症を起こして、そこから出血することがあります。その結果、おしっこが赤く染まって血尿になります。

 

ただし、血尿には「肉眼的血尿」「顕微鏡的血尿」があって、後者であれば目で見ても血が混じっているということがわかりません。

 

おしっこの色が普段より色が濃い場合は顕微鏡的血尿の可能性があります。病院を受診してみてください。

【関連記事】
女性で血尿が出る原因!痛みなしだと危ない?

血尿が出た男性はアノ病気が原因?痛みなしだと危険なの?

 

腰や背中の鈍痛

腰や背中のところになんだか重いような、すっきりしない痛みや違和感が続いている場合は結石の可能性があります。

 

「鈍痛」と呼ばれるこの痛みですが、実は腎臓結石だけでなくその他の重篤な病気が隠れていることもあるので、やはり病院を受診する必要があります。

 

冷や汗・吐き気など

腰背部の疝痛や血尿は腎臓・尿管結石に特徴的な症状ですが、それに伴って「冷や汗」や「吐き気」などの症状も併発することがあります。

 

また人によっては「肩こり」「頭痛」「めまい感」として感じる場合もあります。あくまでも随伴する症状ですが注意が必要です。

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腎臓結石が引き起こす3つの合併症

 

腎臓結石が原因でさまざまな合併症を起こします。ここでは腎臓結石が引き起こす3つの合併症について紹介します。

 

水腎症・腎機能障害

腎臓結石が尿管などを閉塞させると尿の排出ができなくなります。行き場のなくなった尿が徐々に腎臓に溜まっていくと、それに伴って腎臓が腫れてきます。これが「水腎症」と呼ばれる状態です。

 

水腎症の状態が長く続くと腎臓の機能が低下していて「腎機能障害」となります。数ミリ程度の小さな石のせいで腎不全になる場合があります。

 

尿路感染症

同じように尿管や膀胱、尿道に結石がつまってしまうと尿が出にくくなるだけでなく、細菌が感染・増殖し、尿路感染症を起こすことがあります。

 

尿路感染症には「腎盂腎炎」「膀胱炎」「尿道炎」などがあります。尿路感染症は放っておくと細菌が繁殖して全身にまわって全身感染を起こす「敗血症」になることがあります。

 

おしっこの回数が増えて残尿感があったり、熱が出るようなことがあれば抗菌薬の治療が必要になります。

 

原発性副甲状腺機能亢進症

腎臓結石が引き起こす病気ではありませんが、病気が原因で腎臓結石ができてしまう「原発性副甲状腺機能亢進症」という怖い病気があります。

 

副甲状腺は副甲状腺ホルモンという重要なホルモンを産生する臓器です。ここに癌や腫瘍などができると副甲状腺ホルモンの産生が過剰に増えて、血液中のカルシウム濃度が高くなり腎臓結石が形成されます。

 

腎臓結石のある人は逆に原発性副甲状腺機能亢進症を考える必要があります。

 

また腎臓結石は腰背部や腹部などに激しい痛みを起こしますが「胃潰瘍」や「急性膵炎」でも同じような激しい痛みが出現することがあります。

 

腎臓結石をもっている患者さんが疝痛発作を起こしたと思ったら、実は胃潰瘍や急性膵炎が原因だったということもあります。ご注意ください。

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ストレスも一因?腎臓結石の4つの原因

 

腎臓結石は何が原因でできてしまうのでしょうか?激しい痛みに襲われる病気なので、原因を知った上で予防できるに越したことはありません。

 

ストレスもその一因と考えられている腎臓結石ですが、ここでは腎臓結石ができる4つの主な原因について説明します。

 

食生活・飲酒

腎臓結石の一番の原因は、やはり食生活の乱れになります。中でも肉類には注意が必要です。

 

肉類を多く食べると血液中の「シュウ酸」「リン酸」「尿酸」などが増え、これらが腎臓でカルシウムと結合することで「シュウ酸カルシウム」などの腎臓結石を作ります

 

また尿酸に限って言えば「尿酸結石」以外にも「痛風」の原因にもなります。肉類の食べ過ぎにはくれぐれも注意が必要です。

 

アルコール類の中でもビールは「プリン体」を多く含むので、肉類と同じく尿酸結石や痛風の原因になります。

 

その他にも、ほうれん草やコーヒー・紅茶などにもシュウ酸が多く含まれているので注意が必要です。

 

プリン体を多く含む食べ物についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
プリン体の多い食べ物に注意して【噂のヨーグルト効果も紹介!】

 

腎臓結石を予防するためには、一日約2リットルの水分が必要と言われていますが「水」や「緑茶」による水分摂取が勧められています。

 

生活習慣

食生活を含めた生活習慣を改善することは、腎臓結石の予防に重要です。

運動不足による肥満、食べ過ぎなどにより、高血圧・糖尿病・高コレステロール血症といった生活習慣病は腎臓結石の原因となります。

 

脱メタボリックシンドロームを目指して、食事療法やダイエットをすることが腎臓結石の予防にもつながります。

 

水質

腎臓結石の原因として水質の影響も考えられています。ミネラルを豊富に含んでいる「硬水」が心配されますが、硬水の中に含まれるカルシウムくらいであれば、腎臓結石の直接的な原因にはならないようです。

 

しかし腎臓結石を予防する目的で、わざわざミネラルを多く含む硬水を飲む必要はないでしょう。硬水にはナトリウムも含まれているので、血圧の高い人も要注意です。

 

また尿酸結石の原因となる尿酸は、体の中がアルカリ性になると排泄されやすいため、アルカリイオン水や重曹など摂取することで尿酸値を下げることができると言われています。

 

ストレス

ストレスは様々な病気の原因になります。ストレス自体が腎臓結石の直接的な原因になるわけではありませんが、ストレスがたまると暴飲暴食に走ってしまう人もいるでしょう。

 

このためビールを飲みすぎたり、お肉を食べ過ぎたりしてしまい、腎臓結石の原因となる尿酸やシュウ酸を多量に摂取してしまうことになります。特に中間管理職の方々…、気をつけてください!

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腎臓結石は3大激痛!

 

腎臓結石で一番つらいのが「痛み」ですよね。腎臓結石が尿管に落ちてきた時の痛みは想像を絶するもののようです。

 

人類が病気にかかって味わう痛みのベスト3にも入ると言われています。ちなみに1位:くも膜下出血、2位:心筋梗塞、3位:腎臓結石(尿管結石)になります。

 

胆石や膵炎でも似たような痛みが出現することがありますが、とにかく痛みの特徴としては突発的な腰背部痛で七転八倒するような痛みであることは間違いありません。

 

尿路感染症を起こしていれば、発熱したり顔面蒼白になって救急車で病院に運ばれる人も結構います。治療としては以下のようなものになります。

 

✅ 鎮痛剤など薬物治療

✅ 体外衝撃波治療(ESWL)

✅ 経皮的腎破石術(PNL)

✅ 経尿道的尿管砕石術(TUL)

✅ 手術

 

これら以外にも腰椎(腰付近の背骨)の最も痛い圧痛点を指圧したり、やや高めの温度のお風呂にゆっくり浸かる入浴療法によって疼痛が緩和されるとも言われています。

 

お水や緑茶などの水分を十分摂取し、ジャンプして結石移動を促す「水運動療法」と呼ばれる方法も効果的と言われています。

 

まず普段の生活から腎臓結石を予防できるように生活習慣の見直しをすることが重要です。

もし腎臓結石にかかってしまい、激しい痛みに襲われるようなことがあれば、泌尿器科を急いで受診することをおすすめします。

 

腎臓結石の治療方法についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
腎臓結石の治療方法を詳しく解説【手術から予防法まで紹介】

 

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