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マンモグラフィーでの石灰化の原因【良性と悪性の違いは?】

<監修医師 まっちゃん>
胸 

乳がんは圧倒的に女性がかかる確率の高い病気です。また悪化してしまうと乳房を切除しなければならないこともあります。

2013年にはハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが将来の乳がん予防のためとして乳房を切除して話題になりました。

日本における女性の乳がん罹患率は年々高まっているといいます。そこで早期発見に有効なのがマンモグラフィーという検査方法です。

異常がなければいいですが、「石灰化」という表現が使われることがあります。今回は、マンモグラフィーの結果に「石灰化」と書かれていた場合について詳しくお伝えします。

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マンモグラフィーの石灰化とは

 

マンモグラフィーとは、乳がんを検査するためのレントゲン検査(X線撮影)のことを言います。

レントゲン写真を撮ることで、乳房の内部全体を見ることができますし、触診ではわからないような小さなしこりを見つけることができます。

マンモグラフィーは、触診や超音波では見つけにくい小さな石灰化を見つけるのに適しています。

 

乳がんの中にはしこりを作らずに、石灰化を起こしながら乳管の中を進む乳管内がんというものがあります。

このような小さながんを見つけるためにも、40歳を超えたらマンモグラフィー検診を受けることをお勧めします。

 

では、マンモグラフィーの結果にも書かれている「石灰化」とは一体なんのことなのでしょうか。

石灰化とは、カルシウムやマグネシウムといった成分が結晶化した状態です。石灰化は乳房だけでなく、腎臓や肺、肩など体の色々な場所で起こる可能性があります。

乳房の場合の石灰化とは、カルシウムが結晶化している状態を指します。

石灰化には様々な原因があり、がんとは限りません。乳腺腫や線維腺腫、乳管拡張症などの良性疾患でも石灰化が起こります。

 

そのため、マンモグラフィーで見られた石灰化の形状や分布をよく観察し、乳がんが疑われる場合には精密検査を受けることになります。

実際には、がんと疑われる石灰化を精密検査したうちの約20%でがんが見つかっています。乳房内では様々な原因で石灰化が起こり、乳がんが原因となっているのはその1%以下です。

「石灰化」=「がん」ではありませんので、必要以上に不安になる必要はありません。

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石灰化の原因

 

それでは、乳腺の石灰化はなぜ起こるのでしょうか。その原因は大きく分けて5つあります。

 

カルシウム不足

石灰化の原因の1つは、カルシウム不足にあります。私たちは、普段食事からカルシウムを摂取していますが、この量が足りないと、体内の骨を溶かして栄養にしようとします。

そうすると、骨からカルシウムが溶け出してしまい、血液中にあふれます。

 

骨にはカルシウムが豊富に存在するので、少し溶けてもさほど問題はありませんが、血液の中には高濃度でカルシウムがあるという状態になります。

すると、血液の中ではカルシウムは一定量に保つ働きがあるので、余分なカルシウムは骨や血管、細胞に沈着することになり、石灰化が引き起こされます。

 

体の酸性化

体が酸性化すると、pH調整のため人間の体は骨のカルシウムを溶かし調整しようとします。

そのため、先ほどと同様に血液中に余分なカルシウムが増え、石灰化の原因になります。

これを防止するためには、夜遅くの飲食を減らし、体を適度に動かすことを心がけてください。また、野菜や海藻などをしっかり取り、便秘を予防することも大事です

 

組織の過剰増殖や過形成

乳房の中の組織が、増殖し過ぎてしまい、古くなった組織や細胞が石灰化することがあります。これを線維腺腫と呼びます。

また、女性の体は毎月大きな変化を経ています。月経の前後で乳房の大きさが違うと感じる方もいると思いますが、実際に乳房の容量は毎月変化しています。

妊娠、出産、授乳をすると、さらに乳房は大きな変動にさらされます。

このような変動の積み重ねやその他の刺激により組織の一部が塊を作ってしまい、これが石灰化することがあります。これを乳腺症と言います。

疾患の名前は付いていますが、これらは良性疾患なので特に心配をする必要はありません。

 

乳房の手術後

乳房温存術後豊胸術後に石灰化が見られることもあります。縫合部石灰化や異栄養性石灰化がこれに当たります。

もし乳房に手術を受けた経験がある人はその旨をきちんと医師に伝えるようにしてください。

 

がん細胞の壊死

最後に、がんが原因となる石灰化もあります。

この場合は、乳管内が増殖したがんが内部に位置するがん細胞に栄養が届かず、中心部分から壊死を起こすことがあります。この壊死した細胞にカルシウムが沈着して石灰化が起こります。

 

がん細胞がどんどん増えていくと、がん細胞の塊が乳管の中を伸びていくように広がっていき、同じような壊死したがん細胞がどんどん石灰化していくということが起こります。

このような事態を防ぐためにも、早めに石灰化を見つけ、がんかどうかの検査をすることが大事です。

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良性と悪性の違い

 

石灰化には良性と悪性疾患が原因となることがわかりましたが、一体これは何で判断するのでしょうか?

少し専門的になりますが、お伝えしていきます。

 

カテゴリー分類

マンモグラフィーやエコー検査などでは、写真の状態を見てカテゴリー分類を行います。

✅ カテゴリー1  異常なし

✅ カテゴリー2  良性(明らかに良性と判断できる)

✅ カテゴリー3  良性、但し悪性が否定できない

✅ カテゴリー4  悪性の疑い

✅ カテゴリー5  悪性

このうち、カテゴリー1または2の場合は定期的な検診で経過を観察することになります。

カテゴリー3以降は再検査や精密検査を行います。

では、このカテゴリー分けはどうするかというと、マンモグラフィーの専門家が、レントゲン写真に映った白い影の形を見て判別します。

 

良性の石灰化

良性の場合、石灰化の種類によって次のような形をしています。

1. 皮膚の石灰化

中央が透明で、乳腺の方向に限らず観察されます。

2. 線維腺腫による石灰化

粗大でポップコーン状の形をしています。

3. 中心透亮性石灰化

通常1mm以上の大きめの石灰化で、円形もしくは楕円形で内部が透けて見えます。

4. 石灰乳石灰化

乳汁を分泌する小葉という組織に沈着したカルシウムが溜まってしまった状態で、円形や楕円形の石灰化になります。石灰乳石灰化は見た目で良性とわかるので精密検査は行いません。

なお、良性の石灰化は、時とともに減少し消えることもあります。ただし、5年や10年といった長期での話になります。

 

悪性の石灰化

もし、石灰化の形が針状に広がっていたり多形成になっている場合は、悪性の石灰化の可能性が高くなります。

これ以上の判別はマンモグラフィーでは難しいので、再検査を行って疾患があるかどうかを確かめます。

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石灰化の検査方法

 

石灰化は触診では見つけられませんが、マンモグラフィーなら見つけることができます。石灰化が見つかった場合、専門家が良性か良悪不明かを判断します。

もし良性と判断された場合は、「経過観察」となります。

先ほどおつたえした通り、良性と悪性の石灰化は成り立ちが異なりますので、良性の石灰化が悪性化することはありません。もし、良悪不明と判断された場合は、精密検査を行います。

 

穿刺吸引細胞診

病変部に、細い針を刺して、注射器で組織を吸い出して細胞を取ります。この細胞を顕微鏡で観察し、病気の判断をします。

多くの組織は取れませんが、10分ほどで済み、体への負担も少ない簡単な方法です。ただし、診断の確定をするのが難しいこともあります。

 

ST-MMT

ST-MMT(ステレオガイド下マンモトーム生検)とは、いわゆる針生検の一種です。

がんなどの腫瘍があるかどうかを判断するには、対象の組織を検査する必要があります。

石灰化している部分が非常に小さく、ただ乳房から細胞を取っただけでは目的の組織を取ることができない時に使用します。

 

マンモグラフィーで乳房を撮影し、位置を確認しながら検査用の組織を取るので確実に目的の組織を取ることができます。

石灰化した部分の組織を取るのに、穿刺吸引細胞診より太めの針を使うため、局所麻酔を施して行います。

 

まとめ

しるし   

今回は、マンモグラフィーで「石灰化」という結果が出た場合についてお伝えしました。石灰化と言っても、良性と悪性があり、それぞれ成り立ちが異なります。

マンモグラフィーで「石灰化」と診断されたからと言って、悲観しないでくださいね。ほとんどの場合は、良性で、特に心配することはありません。

 

ですが、稀に石灰化から乳管内がんが見つかることもあります。がんは早期発見と早期治療が大切となりますから、乳がんを発症しやすい40歳以降になったら定期的に乳がん検診を受けて、ご自分の体を守ってくださいね

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