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大腸憩室炎は再発しやすい!【原因やつらい症状など詳しく解説】

<監修医師 豊田早苗>

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大腸憩室炎は、近年日本でも食生活の欧米化により、患者数が増えている病気です。この大腸憩室炎は、誰もがかかりやすく、一度かかると再発を繰り返しやすくなります。

ひどくなると外科的手術も行わなければなりませんし、合併症等により最悪の場合、死に至る病気です。

 

そこで今回は大腸憩室炎の原因や症状、間違われやすい病気、治療法、そして予防法まで詳しく解説いたします。

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そもそも大腸憩室とは何か

 

大腸憩室とは、大腸内壁の一部が腸管内圧の上昇により、外側へ袋状に突起しているもののことをいいます。

 

この憩室に便が詰まって炎症が起き、様々な症状を引き起こすものを大腸憩室炎といい、一度かかると再発を繰り返しやすい病気です。

 

この大腸憩室炎の原因として、先天性のものと後天性のものがあります。

 

また後程詳しく解説させていただきますが、先天性のものとしては、メッケル憩室という病態で腸管の奇形があげられます。

 

このメッケル憩室は、胎生期5週間~7週間までの間にへその緒と腸をつなぐ臍腸管(卵黄のう管)というものが、吸収されて消えるはずが、腸管側に一部残存してしまう事が原因で起きます。

 

また女性よりも男性に多い傾向があります。臍腸管遺残により、メッケル憩室、臍腸瘻(さいちょうろう)、臍腸管策、臍腸管のう胞、臍ポリープ等の病気の原因となります。

 

大腸憩室炎は、多くの場合後天性の憩室炎である事が多く、食生活の欧米化や食物繊維の少ない食事等、バランスの取れていない食生活に原因があります。

 

憩室の数には個人差があり、年齢を重ねるごとに憩室数は増加していき、大腸検査を行った場合には1/10人の割合で見つかります。

 

大腸憩室自体は、何も無症状のまま過ごしている事も多く、検査等でたまたま発見される事も多いですが、時に大腸内圧の上昇や、加齢等によって憩室炎を引き起こす事があります。

 

原因や症状等も含めて、この後詳しく解説していきます。

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大腸憩室炎の症状を知って悪化させない!

 

次に大腸憩室炎の症状について解説いたします。憩室が存在する場所として、上行結腸S状結腸が多く見られます。

 

上行結腸の憩室炎の場合には右腹部、S状結腸の憩室炎の場合には左下腹部に症状が現れます。

 

どんな症状があるのか、しっかりと把握する事で悪化させないようにしましょう。

 

腹痛

大腸憩室炎の最も多い症状が腹痛とお腹をおさえた時に感じる圧痛です。上行結腸の場合は右腹部、S状結腸の場合は左下腹部に痛みが現れます。

 

腹痛の特徴として、初期段階では痛みが強くなったり弱くなったりという状態を繰り返し、ひどくなるとずっと痛みを感じるようになり、激しい痛みを感じるようになります。

 

また右側大腸憩室炎の場合には、右下腹部痛を感じる事が多く、虫垂炎と間違われやすいので、注意が必要です。

 

便秘・下痢・軟便・腹部膨満感

初期段階では、腹痛に加えて便秘や下痢、軟便等の症状を繰り返します。過敏性腸症候群によく似ている症状が現れます。

 

血便・下血

炎症が進行すると、血便の症状が現れるようになります。また憩室内の動脈が破れて、下血を起こす事もありますので、注意しましょう。

 

吐き気・嘔吐・食欲不振

炎症がひどくなる事で、吐き気・嘔吐・食欲不振の症状が起こる事があります。

 

排尿障害

大腸内圧の上昇が起きる事で、膀胱にも圧迫が起き、頻尿・残尿感等の排尿障害が起きる事もあります。

 

発熱・ふるえ

炎症がひどくなると発熱・ふるえの症状も見られるようになります。

 

ここまでひどくなってしまうと、どんどん進行して腹膜炎や腸閉塞等も起こしかねませんので、すぐに病院に行ってください。

 

腹膜炎・腹腔炎

さらに炎症がひどくなると、腸に穴が空く穿孔が起き、腹膜炎腹腔炎を引き起こします。

 

特にS状結腸に出来た憩室炎の場合には、穴が開きやすく、血圧低下を引き起こし重症化しやすいです。

 

憩室内の動脈が破れたり、腹痛も激痛となり、ショック状態を引き起こし、最悪の場合死に至る事も少なくありません。

 

少しでも異常を感じた場合には、すぐに救急車を呼び、病院に行きましょう。

 

腸閉塞

大腸憩室炎を繰り返す事で、大腸の通り道が狭くなり、慢性的な便秘を繰り返します。そして、そこから腸閉塞を引き起こす危険性があります。

 

腸閉塞にかかった場合には、腹部膨満感、吐き気、嘔吐を繰り返したり、最悪の場合には命に関わりますので、すぐに病院に行ってください。

 

他臓器癒着・瘻孔

腸管に穴が開く事により、周囲の他臓器や他器官が細い管で繋がってしまったり、癒着を引き起こす、他臓器癒着・瘻孔を引き起こす危険性もあります。

 

腎盂腎炎・膀胱炎

腸管に穴が開き、S字結腸と膀胱に瘻孔が形成されてしまった場合には、尿管に便が混ざり込むようになります。大腸菌等が侵入する事により、腎盂腎炎膀胱炎を引き起こす危険性があります。

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大腸憩室炎の主な原因は不明?!

 

大腸憩室炎の原因として、先天性の原因と後天性の原因があります。

 

多くは後天性の原因です。先天性の原因としては、先程述べましたように臍腸管遺残等によるメッケル憩室が原因となっていたり、体質、遺伝、人種、生活環境にも関係があります。

 

後天性の原因として多いのが、食生活の欧米化です。食生活の欧米化により、お肉中心の食事が増え、野菜や食物繊維の摂取量が減っています。

 

この食生活の欧米化により、腸内環境の悪化を招き、便秘になる人が増えています。

 

そして腸筋肉や腸管のれん縮、血管が収縮され、腸内部圧の上昇が引き起こされます。

 

また、血管が通っている箇所は筋肉がなくて弱い為、それらの場所に内圧がかかる事によって、粘膜が脱出してしまう反転脱出という状態が起きます。

 

さらに大腸憩室炎は高齢化とも関係があります。加齢によって、腸管壁や腸管膜が弱くなる事で、憩室が出来やすくなります。

 

また大腸憩室炎はストレスとも関係があるのです。腸内環境と密接な関係にある自律神経がストレスにより乱れてしまう事から大腸憩室炎を引き起こします。

 

ストレス社会といわれる現代では、日頃からストレスや疲労を抱えやすく、また生活環境の変化によるストレスも多く、腸内環境の乱れによる腸内部圧の上昇が起こりやすいです。

 

また、腸内環境の悪化により、善玉菌よりも悪玉菌が優勢になっている場合には、大腸憩室炎以外にも大腸の様々な病気にもかかりやすくなりますので、注意しましょう。

 

このように原因として、様々な原因が考えられます。どれか1つだけの原因ではなく、いくつもの原因が積み重なった結果、大腸憩室炎が引き起こされるとされています。

 

日頃の食生活や生活習慣を始め、自分の体を第一に考えていきましょう。

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大腸憩室炎は他の病気と間違われやすい

 

大腸憩室炎は、現れる症状が他の病気と間違われやすいという点があります。

 

特に虫垂炎とは、症状や腹痛を感じる場所も似ており、検査での鑑別が必要です。

 

ここでは大腸憩室炎と間違われやすい他の病気と、確定のための検査について解説いたします。

 

虫垂炎

最も識別が難しく、症状が似ている病気に虫垂炎、俗にいう盲腸があります。症状や痛みを感じる場所もよく似ており、自分で判断するのは難しいです。

 

虫垂炎は、虫垂が炎症を起こす病気で、治療が遅れると命にも関わる病気です。症状としては、突然の腹痛、食欲不振、発熱、吐き気、嘔吐等がみられます。

 

特に腹痛を感じる場所が大腸憩室炎の腹痛を感じる場所と非常に似ていて、症状も似ています。

 

検査では、画像診断を行うために腹部CTや超音波検査、血液検査を行います。また診察時に触診を行い、右下腹部の圧痛をポイントに触診をしていきます。

 

血液検査では白血球数や炎症を調べるCRPの値を調べます。

 

画像診断では、虫垂の状態や虫垂の周りの膿瘍、腹水、腸管の状態等も調べる事が出来、虫垂の形態的な変化により診断をする事が出来ます。

 

がん・ポリープ

大腸がん・ポリープの症状として、腹痛、便秘、下痢、下血、残便感、腹部違和感等の症状がありますが、初期にはほとんど自覚症状は見られません。

 

大腸がん・ポリープの場合には触診、便の潜血検査、血液検査、腹部X線検査、注腸検査、大腸ファイバー、俗にいう大腸の内視鏡検査等を行い、確定診断を行います。

 

虚血性腸炎

虚血性腸炎とは、大腸への血液の循環悪化により、必要な酸素や栄養素が十分に供給されず、大腸の粘膜が虚血状態となり、炎症や潰瘍を生じる病気です。

 

症状は、突然の激しい腹痛や下血、下痢、悪心、嘔吐、発熱等がみられます。

 

症状が現れる前に便秘による腸管内圧の上昇が起きている事が多く、症状も大腸憩室炎と似ています。

 

検査では、大腸内視鏡検査、注腸検査を行い、腸内の状態や潰瘍の状態等を調べます。

 

急性腸炎

急性腸炎とは、暴飲暴食、お腹の冷え、食中毒等により引き起こされます。主な症状は下痢と腹痛ですが、重症の場合には高熱や下痢が止まらない等の症状が現れます。

 

下痢が続くと子供や高齢者、病気治療中の方や免疫力が低下している方等は、脱水状態体力の低下を招きますので、注意が必要です。検査は便検査、血液検査等を行い、必要な治療を行います。

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大腸憩室炎の治療のカギは食事

 

ここまで大腸憩室炎の原因や症状、間違われやすい病気について解説してきました。

 

次に大腸憩室炎の治療方法について解説いたします。大きく分けて保存的治療外科的治療があります。

 

保存的治療

大腸憩室炎の炎症が軽症の場合には、保存的治療を行います。

 

薬物療法により、抗生剤の点滴や水分・電解質等の点滴を数日間投与します。炎症を何度も繰り返し、収まらないようであればステロイド治療も行います。

 

食事療法

大腸憩室炎を起こした時、手術後には絶食をして腸を休ませます。その後、お腹や腸の負担になる食物繊維や刺激物を控えて、負担をかけないようにする低残渣食から始めます。

 

炎症を起こしている間は、腸に優しい食事やスープ等を摂るようにしていきますが、低カロリーになる為、点滴治療サプリメント等を並行して進めていきます。

 

少しずつ良くなってきたら、食物繊維が少なくて、脂質・油脂の多くない負担の少ない食事を摂るようにしていきます。

 

落ち着いてきたら、食物繊維を少しずつ摂取するようにしますが、急に増やすと負担がかかりますので、少しずつ増やしましょう。

 

また消化しにくい食べ物は避けたほうが良いとされていますが、専門医によって考え方に違いがありますので、医師とよく相談しましょう。

 

炎症の程度や、病状には個人差がありますので、食事療法の仕方については主治医の指示にきちんと従いましょう。

 

腸管ドレナージ

外科手術として、腹膜炎等を起こしている場合、大量出血をしていて止血が困難な場合には、開腹手術をして腹腔内をきれいに洗浄します。

 

そして、膿等が溜まらないように、ドレーンといわれるチューブを腹腔内に置き、定期的にチューブの中を洗浄する腸管ドレナージを行います。

 

イレウス手術

腸閉塞を起こしている場合には、イレウス手術を行います。

 

手術を行う前に腸閉塞の保存療法も行いますが、それでも症状が改善しない場合等には、開腹手術により、腸管のねじれ部分の修正や異物等の除去、腸管切除を行います。

 

人工肛門造設術

腸管切除後や、腸閉塞を起こしている場合、腹膜炎がひどい場合には、一時的な人工肛門を造設する手術を行う場合もあります。

 

特に特別な器械等を入れる訳ではなく、患者さん本人の腸を外に出したものを人工肛門といいます。リスクや精神的苦痛も伴いますので、しっかりと医師の指示に従いましょう。

 

腹腔鏡手術

大腸憩室炎を繰り返す、慢性憩室炎の場合には、腹腔鏡手術が行われる場合があります。

 

腹腔鏡手術は傷も小さく、患者さんの苦痛が少ない、回復が早い等のメリットがあります。炎症や病状によって、個人差がありますので、医師ときちんと相談しましょう。

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注意!大腸憩室炎は再発のリスクが高い

 

大腸憩室炎は、再発率が25%と非常に高く、一度なったら再発を繰り返しやすい病気です。

 

炎症を起こしている腸管を切除しても、元通りの食事をしていたら、また再発という事にもなりかねません。

 

また年齢を重ねるごとに憩室は数が増えていきますので、自らの食生活や生活習慣の見直しが必要です。

 

一番の原因として便秘の方に多い大腸憩室炎、予防法としては便秘を予防する必要があります。

 

食生活の欧米化により、食物繊維が少ない食事をしている事が原因で便秘になりやすくなります。

 

果物や野菜、豆類、穀物等に食物繊維は多く含まれていますので、積極的に取り入れるようにしましょう。

 

また刺激物や塩分過多の食事、高カロリー食、高脂肪食、揚げ物等は避けましょう。糖分を摂り過ぎる事も下痢を引き起こすので、低糖質食を心掛けましょう。

 

ヨーグルト等の腸内環境を整えるものを積極的に摂りましょう。消化をしやすくするためにゆっくりとしっかり咀嚼する事も大事です。

 

暴飲暴食は避け、食事量にも注意しましょう。それから便秘の方は運動不足である事も多いです。お天気のいい日にウォーキングをする事もいいでしょう。

 

運動をする事によって、腸の働きも活発化しますので、日常生活のなかに運動を取り入れましょう。

 

また水分摂取も必要不可欠です。便秘の時には、便も水分が失われて固くなってしまい、なかなか出せなくなってしまいます。水分摂取をする事で、腸が目覚めて動きが良くなります。

 

お酒とタバコは大腸だけでなく、全身のありとあらゆるところに悪影響を及ぼします。たばこは血流障害を起こし腸の働きを鈍らせ、アルコールも消化器には悪影響です。

 

大腸憩室炎を予防するためには、必ず禁煙、禁酒をしてください。

 

それから胃や腸、自律神経はストレスと深い関係性があります。ストレスを感じない事は難しいかと思いますが、溜め込まないようにリフレッシュできるような事を心掛けましょう。

 

また睡眠も非常に大事です。睡眠不足により、自律神経の働きが乱れてしまいます。ストレスケアのためにも、身体を休ませるためにも睡眠はしっかりと取りましょう。

 

最後にトイレに座る時間を習慣づける事も必要です。あわただしい日々を過ごしていると、ついなかなかトイレを後回しにしがちですが、体には良くありません。

 

出なくてもいいので、トイレに座る習慣を身につけましょう。ただしこの時に注意しなければならないのが、力みすぎないようにすることです。

 

力み過ぎる事で痔になってしまったり、憩室を形成しやすくなったり、腹部内圧を上昇させますので、気をつけましょう。

 

再発しやすい大腸憩室炎ですが、自分の食生活や生活習慣を見直して、再発予防に心掛けていきましょう。

  当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。

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