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末梢神経障害の8つの原因【症状から治療法まで徹底解説します】

<監修臨床心理士 鈴木崇弘>
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末梢神経障害とは末梢神経になんらかの原因で障害が起こることによって筋力低下・感覚障害・筋委縮などが発生するもので、ニューロパチーとも呼ばれます。

 

末梢神経とは脳や脊髄の中枢神経から分岐して体中に廻っている神経のことで、運動神経・感覚神経・自律神経の3種類に分類されます。末梢神経障害と言えばおもに手足のしびれや痛みを想像しがちですが、症状は手足のしびれ・痛みだけにとどまりません。

 

症状の多さから原因を特定することも難しい疾患ですが、治療法を探すためにはまず原因の追究をすることが一番重要なポイントになってきます。

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末梢神経障害の症状

 

末梢神経は本性神経としての運動神経・感覚神経と自律神経に分類されます。運動神経は筋肉の動きを起こし感覚神経は指先などからの温痛覚や触覚、手足の位置や深部感覚などを脳に伝える役割を持ちます。

 

また自律神経は内臓や血管などの器官に存在して交感神経と副交感神経に支配されることで意思とはかかわりなく身体を調節する働きがあります。

 

それぞれについてどのような症状が発生するのかを見ていきましょう。

 

運動神経

運動神経に障害があると筋力低下や筋肉の萎縮が発生して、物を取り落としたり歩きづらくなったりします

 

感覚神経

感覚神経に障害が起きるとしびれや痛みが起こったり、痛み・熱さ・冷たさなどの感覚が鈍くなる感覚障害が発生することが特徴です。手足の一間隔をつかさどる深部感覚に障害が出るとボディバランスが崩れたりもします

 

自律神経

自律神経障害ではおもに立ちくらみや排尿障害・発汗異常、下痢や便秘などが症状として見られます

 

発生の特徴

運動・感覚・自律神経のうち、障害は運動優位や感覚優位というように偏って発生する特徴があります。

 

全身の末梢神経が障害される「多発性末梢神経障害(多発神経炎)」と一つの神経だけに障害が起きる「単末梢神経障害(単神経炎)」とに分類されます。多発性で両手足のしびれが多く、単末梢神経の場合は片側の手足にしびれや痛みが発生します

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末梢神経障害の原因

 

末梢神経障害は様々な原因から発症します。もっとも多いのは糖尿病によるもので、他にはビタミンB欠乏や尿毒症などの代謝障害や膠原病・アルコールの過剰摂取などが挙げられます。

 

代謝異常によるものを代謝性末梢神経障害と呼びますが、他にも中毒性や特発性末梢神経障害と呼ばれるものもあります。このように診断名が原因によって変わるのが末梢神経障害(ニューロパチー)なのです

 

診断名別にどのような原因なのかを見ていきましょう。

 

捕捉性ニューロパチー:神経の圧迫

末梢神経幹が周囲の組織に圧迫されることが原因で発生し、機械的もしくは絞扼性神経障害と呼ばれます。1本の神経に起こる単神経炎で手や腕では正中神経・尺骨神経・橈骨神経に、下肢では腓骨神経に好発します。

 

代謝性ニューロパチー:代謝異常

代謝異常に由来する多発神経炎で、身体の末端ほど強い症状が出るものです。特に糖尿病では病状のコントロールがうまくいかないことで発生することが多くなります。

 

糖尿病が原因の場合は自律神経障害・栄養障害・循環障害が重なるためさらに進行する恐れが高くなります。尿毒症では貯留した老廃物中の物質が障害となり、ビタミンB欠乏では貧血を併発します。甲状腺機能低下症も原因の一つに数えられます。

 

感染性ニューロパチー:感染症

細菌やウイルスなどの感染でも末梢神経障害が発生します。食中毒で有名なボツリヌス菌やジフテリアなどの細菌、ヘルペスウイルスによる帯状疱疹やマイコプラズマ感染でも起こります。

 

感染後性ニューロパチー:病原体成分

風邪やその諸症状が治ってから10日後あたりに急に手足がしびれたりするのが感染後性の末梢神経障害です。風邪様症状が治まっても末梢神経にはまだ風邪などの病原体成分が残っているため、免疫がその神経を攻撃することで起こります

 

代表的なものにギラン・バレー症候群があり、症状がゆっくりと悪化していく慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーという疾患もあります。

 

✅ ギラン・バレー症候群:感染後性ニューロパチーの中でも難病に分類される疾患です。原因は病原体などの感染症やワクチン接種が主なものですが、風邪や胃腸炎などのような症状のあと1週間から3週間程度で下肢の筋力低下が比較的急に現れます。運動神経の障害が主ですが、感覚神経障害が出ることもあり重症化すると呼吸困難に陥ることもある末梢神経障害です

 

血管炎性ニューロパチー:アレルギー

アレルギー疾患が原因となるのが血管炎性です。全身性エリテマトーデスやアレルギー性血管炎・結節性動脈周囲炎などがおもな原因疾患となります。末梢神経に影響する血管が炎症を起こすもので、様々なところに単神経炎が発生しますが長期化すると全身性の多発神経炎の症状が発生します

 

中毒性ニューロパチー:重金属・薬剤・アルコール

重金属や薬剤などの中毒性の末梢神経障害は公害病が含まれます。水俣病は水銀中毒が原因で、手袋や靴下をはく部分に障害が顕著に現れます。鉛中毒や殺鼠剤に含まれるヒ素でも多発神経炎が見られます。

 

結核治療薬ではビタミンB6が欠乏することによる多発神経炎、ビンクリスチンなどの抗がん剤では感覚神経に偏った多発神経炎が発生することがあります。

 

有機溶媒であるシンナー吸入やボンド(接着剤)を多用する職業でも末梢神経障害を誘発します。アルコール依存症や急性アルコール中毒でも感覚神経に障害が発生します。

 

悪性腫瘍に伴うニューロパチー・がん

がんなどの悪性腫瘍では合併症として神経障害が発生します。特に肺がんでの発生が多く、運動神経障害が急速に進行すると言われます

 

遺伝性ニューロパチー:遺伝子変異

遺伝子変異が原因として関与する遺伝性ニューロパチーは根本的な治療法が現在のところないのが実情です

 

代表的なものにシャルコー・マリー・トゥース病と家族性アミロイド・ポリニューローパチーという疾患があります。末梢神経の編成や自律神経障害が極めてゆっくり進行していくのが特徴です。

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末梢神経障害の治療法

 

末梢神経障害の治療はまず原因を特定することから始まります。診断された障害に対する原因療法や対対症療法が有力な治療法で、現状よりも障害が進まないようにすることが目的となります。

 

また、急性末梢神経障害では後遺症を軽減するためにも早期診断と早期治療が重要です。

 

末梢神経障害の診断方法

主な診断は神経科での検査によるものです。筋電図検査や神経電動検査で末梢神経障害の部位や程度・種類を調べます。さらに原因を特定するために尿検査や血液検査・レントゲン・血圧・心拍数などの検査を進めます。

 

痛みには薬物療法と理学療法

末梢神経障害でも痛みを伴うものを有痛性神経障害と呼びます。末梢神経が障害を受けると電気信号が感覚神経を伝わり大脳皮質へ達します。そこで初めて痛みやしびれという感覚が生じます。大脳皮質から運動神経へ達すると、身体を動かすことで腰痛や肩の痛みなどが発生するようになります

 

痛みを止める方法として薬物療法があります。神経の損傷による痛みなので、通常の鎮痛剤ではない薬物を投与します。

 

抗うつ剤のアミトリプチンや抗けいれん薬の内服、麻酔薬リドカインを外用で投与します。痛みが軽快して来たら理学療法・リハビリを開始して筋肉拘縮の予防と回復を目指します。

 

既往疾患が原因の場合

まずは既に患っている疾患の改善が先決です。甲状腺機能低下症であればホルモン投与や免疫疾患では血漿交換療法や免疫抑制剤など、既に行われている治療がカギとなります。

 

糖尿病では高血糖が続くと神経細胞にソルビトールという物質が蓄積されることで神経が障害されます。血糖値コントロールにより進行を遅らせたり軽減させる可能性もあります。

 

ガンなどの悪性腫瘍が原因の場合は抗がん剤も治療の範囲に入りますが、抗がん剤が末梢神経障害の原因になることもあります。このため悪性腫瘍の切除も末梢神経障害治療の視野に入ることになります。

 

中毒性・薬剤が原因の場合

重金属や薬物などが原因の場合は体内の有害な毒素を排出してダメージを排除することを優先します。結核治療薬のイソニアジドは使用中にビタミンB6が欠乏するため、ビタミンB6を補充して改善させます。

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