粘液嚢胞 の自然治癒方法!【放置してれば良いの?】
<監修医師 みのり>
みなさんは粘液嚢胞(ねんえきのうほう)という病気をご存知ですか?
口内炎やヘルペスと間違えられやすいですが、口の中にぷっくりとした水ぶくれができることがあります。あまり痛みがなければ粘液嚢胞かもしれません。
粘膜嚢胞はどういう症状があるのか、そして放置していれば自然治癒できるのか、気になりますよね。
今回は、粘液嚢胞の原因と自然治癒の方法についてお伝えします。
粘液嚢胞って何?
まずは、粘液嚢胞とは何なのか、詳しく説明をしましょう。
粘液嚢胞の特徴
下唇の内側や下の先に、半丘状にぷくっと、半透明な水ぶくれのようなものができていませんか?
これが粘液嚢胞です。この水袋の中に溜まっているのは唾液です。もう少し詳しく説明します。
私たちの口の中は、唾液で常に湿るようにできています。
そのために、唾液を作り分泌する腺が無数存在しています。唾液腺には大小あり、それぞれ大唾液腺と小唾液腺と呼ばれています。
特に唇や頬、舌の粘膜には多くの小唾液腺があり、細い導管を通って口の中に唾液が分泌されています。
粘膜嚢胞は、この小唾液腺が傷ついたり、詰まったりすることにより唾液が口の中に分泌されず、粘膜の中に唾液が溜まってしまうことによって起こります。
その他の唇に出来る気になるできものについてはこちらを見て参考にして下さい。
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粘液嚢胞の症状
粘液嚢胞は、下唇、頬の粘膜に最もできやすいのですが、その他にも舌の裏や口の底の部分にもできることがあります。
口内炎と見間違えやすいですが、痛みがないのが特徴で、直径は5mm程度、粘膜がぷくっと膨れ上がったように見えます。
粘膜嚢胞は、柔らかく、周りの粘膜と同じような色をしています。
ただし、再発を繰り返すと表面が硬くなったり、白っぽくなったりすることがあります。
粘液嚢胞ができる3つの原因
粘液嚢胞には、「溢出型」と「貯留型」があります。
粘液嚢胞ができた場合は「溢出型」がほとんどで、唾液腺の導管が傷つくことで、唾液が周囲の組織に漏れてしまうことによって起こります。
「貯留型」は、なんらかの理由で導管が詰まってしまうことで、導管や唾液腺の内部に唾液が溜まって膨れ上がってしまう状態を指します。ただ、「貯留型」はあまり発生頻度が高くないので、もし粘液嚢胞ができたら「溢出型」だと思っていいでしょう。
それでは、粘液嚢胞ができる3つの原因をご説明します。
粘膜を噛んで傷つけてしまう
唇の内側や頬の内側はとても柔らかい粘膜で、傷つきやすい組織です。
皆さんもものを食べている時に頬の内側や舌先をうっかり噛んでしまうということがあると思いますが、
自分で噛んでしまうことにより唾液腺の導管を傷つけてしまうことがあります。
また、もし下唇を噛む、舌先を噛む癖のある人は粘膜を傷つける可能性が高いので注意してください。
口内炎
口内炎のような炎症で粘膜が傷ついて粘液嚢胞になることがあります。口内炎の原因は様々ですが、ストレスや栄養不足が原因のことが多くあります。
普段から偏りのある食生活を送っている人は特に注意してください。
硬いもので口の中を傷つけてしまう
自分で噛まなくても、口の中の硬いもので粘膜を傷つけてしまうことがあります。
例えば、
✅ 硬い歯ブラシ
✅ おせんべいなどの硬い食べ物
✅ 歯の先端
✅ 矯正器具や入れ歯の部品
✅ 怪我や虫歯によって欠けた歯
などが理由として考えられます。
歯ブラシのように、一回口の中に入れたことで傷つけてしまう場合と、歯の先端や矯正器具のように、常に同じ粘膜にあたるため徐々に傷がついてしまう場合があります。
放置したら自然治癒するの?
粘膜嚢胞は放置していれば自然治癒するのでしょうか?答えはイエスとノーです。
ここで、粘膜嚢胞ができてしまった場合の対処法をお伝えします。
潰さないように経過観察
粘液嚢胞は、他の水ぶくれとは違い、潰したからといって治るわけではありません。
粘膜嚢胞を潰すと、中の唾液を出すことはできますし、一旦しぼんで小さくはなります。ただし、数日で唾液が再びたまり始め、嚢胞ができてしまいます。
このように何度も再発してしまうため、粘液嚢胞を潰すことは厳禁です。
粘液嚢胞の場合、唾液の漏れが自然に止まることがあります。特に、新陳代謝の活発な子供の場合は自然に嚢胞が小さくなりやすいです。
もし、嚢胞が自然と小さくしぼんで、コリコリとした硬い触感に変化したら、自然に治っていると考えてください。
そのため、まず粘液嚢胞ができたら、潰さないように経過観察をしていただいて大丈夫です。
粘膜嚢胞は腫瘍ではないので、がん化したり悪化することはありません。
その際、先ほどもお伝えしたように嚢胞が潰れないように、外から刺激を与えることは避けてください。
ただし、もし粘膜嚢胞が大きくなってくるようなら、外科的治療を検討してください。
治療は口腔外科へ
粘膜嚢胞が大きくなっている、という場合や、再発を繰り返してひどくなってきているという場合は、病院での治療を行った方がいいでしょう。
粘膜嚢胞は、ほとんどの場合、外科的に除去してしまわないと治療できません。
粘膜嚢胞を治療する方法は、4通りあります。
✅ 手術での切除
✅ レーザー照射 ✅ 薬の注入 |
手術やレーザーと聞くと怖いと思う方もいるかもしれませんが、どちらも比較的短時間で済むので、主治医とよく相談して方法を決めてください。
なお、口内炎の治療薬には以下のような物がありますので参考にして下さい。
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まとめ
今回は、粘液嚢胞の原因と自然治癒についてお伝えしましたがいかがでしたか?
粘液嚢胞というと聞きなれない病名ですが、口内炎と持っていたものが実は粘液嚢胞だった、という方も多いのではないでしょうか?
口の中を噛んだり、傷つけたりというのは誰にでも起こってしまうことですが、もし粘膜嚢胞ができてしまったらなるべく傷つけずに様子を見ましょう。
自然治癒するのが一番ですが、もし大きさが変化するようなら一度いつも通っている歯医者へ来院時でも構いませんので、相談してみてくださいね。
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