しゃっくりが止まらない原因はコレ!癌などの病気に注意!
<監修医師 ゆまこ>
急にはじまっていつの間にか収まってる。
しゃっくりについて、そんなイメージを持っている人も多いのですが、止まらなくて困っている方も結構います。
いつまでもしゃっくりがとまらないと苦しいし、いつまで続くんだろうと不安になります。
そんな止まらないしゃっくりについて解説していきます。
気になる所から確認してみよう
しゃっくりが起こるのはナゼ?
しゃっくりとは、肺の下にある横隔膜という筋肉でできた膜が、なんらかの原因で痙攣することで起こります。
横隔膜が痙攣すると、それにつれて声帯が緊張して収縮します。
狭くなった声帯を息が急激に通ると「ひっく」という声が出ます。
しゃっくりが起こる原因、つまり横隔膜が痙攣する理由としては次のようなものがあります。
a 横隔膜への直接刺激。
b 消化管からの刺激。
c 中枢神経からの刺激。
d 末梢神経からの刺激。
しゃっくりが止まらない原因
しゃっくりは大部分がしばらくすれば自然に止まるものですが、
数時間とか翌日になっても止まらない、あるいは一時的に止まっていることがあっても、すぐまた始まる。
それが何日も、何か月も続くという状態であれば、何か病気を疑ったほうがいいでしょう。
どんなしゃっくりが止まらない?
しゃっくりの原因は上記のようにいくつかありますが、刺激となるものが短時間に消滅するものであれば、それとともに自然に収まります。
具体的な例としては、
✅熱いものを食べたり飲んだりしたとき
✅激しく笑ったり、咳をしたとき
✅食べ物を沢山食べたとき
✅食べ物をのどにつまらせたとき
✅アルコール飲料を沢山飲んだとき
✅香辛料など刺激物を摂取したとき
などがあげられます。
これらはいずれも長くても数時間のうちに消失する原因です。
これら以外の原因によるしゃっくりが、止まりにくいものという事になります。
止まらない原因によるしゃっくり
消化管からの異常刺激
胃や食道などの上部消化管、呼吸器に異常があると、そこからの刺激が横隔膜に伝わりしゃっくりになります。
中枢神経からの刺激
脳腫瘍、脳血管障害、による脳障害などの影響で刺激が継続的に横隔膜に伝わってしゃっくりがおこります。
呼吸器からの刺激
肺、気管支、胸膜などの異常から横隔神経に刺激が伝わってしゃっくりが起こります。
精神的ストレス
日常的に何らかのストレスをうけていると、それが原因でしゃっくりが起こることがあります。
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薬の影響
強い抗がん剤、睡眠剤の副作用としてしゃっくりがあげられます。
しゃっくりが止まらないのは病気かもしれない
「止まらない原因」で取り上げたものは多くが何らかの病気が疑われるものです。
個別に詳しく見て行きます。
上部消化管
胃炎、胃拡張、胃がん、逆流性食道炎などの胃周辺の病気が刺激となってしゃっくりが引き起こされます。
これらの場合それぞれの病気の特徴的な症状が現れますので、その症状への対処をすることになります。
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呼吸器
肺炎、気管支炎、肺がんなどの呼吸器系統の病気でもしゃっくりが起こります。
ぜんそくの方、ヘビースモーカーの方がしゃっくりに悩まされる例は多く見られます。
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中枢神経
脳の病変により横隔膜への刺激伝達障害が起こってしゃっくりにつながることがあります。
脳腫瘍、脳内出血、脳梗塞が代表的な病気です。
これらの脳の病気も、頭痛、吐き気、めまい、視力低下などの特徴的な症状が現れますが、
症状がない場合もめずらしくはありませんのでご注意ください。
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アルコール
アルコールがしゃっくりを引き起こすことはよく知られていますが、その関連性は解明されていません。
飲酒のたびに横隔膜が痙攣することを繰り返していると痙攣をおこしやすくなり、しゃっくりも頻発したり止まりにくくなると推定されています。
また、アルコール依存症だと脳の萎縮も起こります。それが神経伝達障害となり、しゃっくりにつながることも考えられます。
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しゃっくりが全然止まらない! 病院へ行くべき?
しゃっくりが数時間も続くと疲れてきます。止める方法もいろいろ試してみたけど止まらない。
止まってもしばらくするとまた出る。
こんな状況が翌日までつづいたら、いよいよ病気ということを考えたほうがよさそうです。
48時間以上続くものは持続性吃逆(きつぎゃく)、一か月以上つづくもの難治性しゃっくりなどと呼ばれ、
何らかの病気がかなり高い確率で疑われます。
病院は何科が良いのか
どこに異常があったとしてもしゃっくりはまったく同じで見分けがつきません。
原因により特徴がある症状が併発していることがありますので、それで見当がつく事があります。
胃の調子が悪い、胸焼けがする、であれば胃腸科。
たばこの本数が最近増えた、喘息の持病がある、呼吸が苦しい、であれば呼吸器科 といった具合です。
状況で判断
また抗免疫薬などの作用が強い薬を使っているのなら、処方してくれた病院で相談しましょう。
薬が原因かもしれません。
アルコール依存症と診断されているのであれば、診断してくれた精神科へ行ってください。
中枢神経に異常があるのかもしれません。
わからなかったら内科
もし他の症状が何もない、しゃっくりだけで原因は思いつかないのであれば、内科へ行きましょう。
もっとも守備範囲の広い診療科だからです。
症状が出にくい胃がんや肺がんなどにも初期対応可能で、適切な判断をしてくれるでしょう。
病院での治療法
注射・点滴
速効性のある注射としては、胃腸の働きを良くする薬であるプリンペランなどが使われます。
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内服薬
内服薬による治療としては抗痙攣剤(商品名クロナゼパムなど)、向精神薬(商品名クロルプロマジンなど)、
胃腸薬(商品名メトクロプラミドなど)、筋弛緩薬などが状況に応じて使われます。
また、胃腸薬として漢方薬(芍薬甘草湯など)も使われます。
これらの商品名の薬は市販されていますが、処方箋がなければ買うことはできません。
物理療法
物理的な神経刺激法として、眼球や頚動脈、咽頭を圧迫する方法や、迷走神経、横隔膜神経を刺激する方法が取られます。
また胃の膨満を和らげるための胃洗浄、重曹による胃の拡張とガス抜きによる収縮を反復する方法などが行われます。
まとめ
しゃっくりと一口にいっても、その中身はさまざま、単純なものではありません。
なじみ深いものなので、それなりの対処法はいくつかご存知とは思いますが、意外と怖い部分もあることに十分ご注意ください。
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