かぼちゃの栄養や5つの効能がスゴイ【糖質量は多め?】
<監修医師 まっちゃん>
煮物に天ぷら、ポタージュ、プリン。そのホクホクとした食感と甘味から、レシピも豊富なかぼちゃですが、実はとても栄養価が高い野菜であることはご存知ですか?
私たちの健康を守ってくれる栄養素を多く含むかぼちゃは、ペースト状にすれば離乳食にもなるため、まさに赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い世代に効能が期待できる万能食材です。
今日はかぼちゃに含まれる栄養素と効能、その甘味から心配される糖質量についても解説していきたいと思います。
気になる所から確認してみよう
かぼちゃに含まれる栄養素
かぼちゃの歴史と種類
かぼちゃはウリ科の野菜で、緑黄色野菜の代表格です。冬至に食べる風習から冬の野菜というイメージをお持ちの方もいますが、かぼちゃの旬は夏~秋。切らずに常温で保存しておけば数か月は持つという、嬉しい特徴があります。
かぼちゃの原産国はアメリカ。日本には17世紀にカンボジアから渡来して、「カンボジア」から「カボチャ」と名前が付いたそうです。
日本で栽培されている種類は、大きく分けて3つ。
✅ ニホンカボチャ:
→ 最初に日本に伝わったもの。現在は日本料理屋などで使われていて、一般家庭ではあまり見かけない。「黒皮かぼちゃ」が有名。
✅ セイヨウカボチャ:
→現在の日本で主流のもの。ホクホクとして甘味が強い。「栗かぼちゃ」など。
✅ ペポカボチャ:
→ ハロウィンで使われるものがこれ。「錦糸瓜」や「ズッキーニ」がここに入る。
βカロテン
かぼちゃは何といってもβカロテンが豊富。βカロテンは緑黄色野菜に多く含まれており、かぼちゃの濃い色味もβカロテンによるものです。
βカロテンは強い抗酸化力があり、体内で害をなす活性酸素を除去します。摂取したうちの1/3程度が小腸で吸収され、体が酸化して錆ついてしまうのを防いでくれるのです。その結果、様々な病気や老化の予防が期待できます。
しかし、βカロテンの効果はそれだけに留まりません。βカロテンは体内でビタミンAに変換され、免疫機能の正常化や、他の栄養素の働きを補助する作用を担います。
βカロテンとして小腸で吸収されなかった分の中から、体が必要とする量だけビタミンAへと変換してくれるのが嬉しいですね。
βカロテンは実の部分より、皮やワタに多く含まれているため、捨てずに一緒に調理すると良いでしょう。
ビタミン
βカロテンから変換されたビタミンAには、免疫機能を高める効果があるため、冬場の風邪予防にはうってつけ。冬至にかぼちゃを食べる風習の意味もここにあります。
ほかにも、皮膚粘膜の健康維持、呼吸器官の働きを助ける作用が期待できます。ビタミンA以外にも、かぼちゃにはビタミンがたくさんあります。
✅ ビタミンB1は糖質をエネルギーへと変換してくれます。不足するとエネルギー不足になって疲れやすくなったり、イライラしたりしてしまいます。
✅ ビタミンB2は別名「発育ビタミン」。皮膚や髪、爪などの代謝を促進し、体を作る作用があります。不足すると口内炎になりやすくなることで知られています。
✅ ビタミンCはコラーゲンの生成に関わっているため、美肌効果が期待できます。ビタミンCは摂取後2~3時間で体外に排出されてしまうと言われているので、こまめに摂りたい栄養素です。
✅ ビタミンEにも抗酸化作用があります。また、血管の弾力性を上げてくれるため、血行が改善し、冷え性や肩こりなどの解消も期待できます。
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ミネラル
かぼちゃの栄養素というと、βカロテンとビタミンですが、他にも体の調子を整えるために必要なミネラルも豊富に含まれています。
✅ カリウム
✅ カルシウム ✅ マグネシウム ✅ 鉄 |
特にかぼちゃはカリウムが豊富です。体内のナトリウム(塩分)の排出を促し、バランスを整えることで血圧を下げてくれるほか、利尿作用なども期待できます。
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食物繊維
西洋かぼちゃ(生)100gに含まれる食物繊維の量は3.5g。かぼちゃは重量があるため、少量でも効率的に食物繊維が摂りやすいという利点があります。
食物繊維が多く含まれるのは、皮の部分。そのため、調理の際は皮も一緒に使うようにすると良いでしょう。
かぼちゃの効能
風邪予防
「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」とはよく聞きますが、これはただの言い伝えではありません。冬場に流行する風邪やインフルエンザなどの感染症予防に効果があるのは、βカロテンから作られるビタミンA。
ビタミンAには免疫機能を正常に保つ作用があるため、菌やウイルスに対する抵抗力を強化してくれます。さらに粘膜の保護もしてくれるため、のどや鼻からウイルスが侵入するのも防いでくれますね。
また、ビタミンCにも風邪を予防してくれる効果が期待できます。「冬至にかぼちゃ」の習慣は明治以降に始まったとされていて、歴史は長くありませんが、日本ならではの習慣とも言えます。
病気の予防
βカロテンが持つ強い抗酸化作用は、活性酸素を除去して、コレステロールを始めとする各組織が酸化することを防いでくれます。動脈硬化などの生活習慣病を始め、がんの予防も期待できます。
ビタミンEにも抗酸化作用があり、さらに血管を強くしてくれるため、動脈硬化の予防には最適と言えます。カリウムは、ナトリウムの排出や利尿作用により、主に高血圧の予防に期待できます。
眼精疲労
かぼちゃには「ルテイン」という成分も豊富に含まれています。このルテインの効果もまた抗酸化作用。特に眼球内でその効果を発揮するもので、眼精疲労を始め、視力の回復、眼病予防などが期待できます。
また、ビタミンAにも粘膜の維持により視力を回復させる効果があるため、かぼちゃは眼にも良い野菜と言えるでしょう。
眼精疲労の症状についてはこちらを参考にして下さい。
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ダイエット・便秘
かぼちゃに含まれる食物繊維は不溶性といって、水に溶けない性質を持っています。水分を吸収して膨らむため、少量でも満腹感が出るので、ダイエット向きの食材。ダイエット中はよく噛んで食べることで、食べすぎの防止になりますね。
ただし水に溶けない分、消化も悪くなっています。水分を吸収してかさを増すことで、腸を刺激し、蠕動運動を活発にする働きがあります。
それゆえ、便の排出を助けてくれますが、一方で食べすぎると便が硬くなるということが懸念されます。便秘改善には、不溶性食物繊維だけでなく、海藻やネバネバ系食材に多い水溶性食物繊維もバランスよく摂るようにしましょう。
アンチエイジング
βカロテンを始めとする栄養素に含まれる抗酸化作用は、肌の酸化も防いでくれるため、シミやシワ、たるみなどの老化現象の予防も期待できます。
ビタミンAには皮膚粘膜のほか、髪の健康維持にも役立ってくれるため、しっかり摂れば美髪効果にも良さそうですね。
またビタミンCは、コラーゲンの生成を助けることによる美肌効果も有名ですね。
かぼちゃの糖質量
糖質制限ダイエットには不向き?
糖質とは、炭水化物から食物繊維を引いた数値。セイヨウカボチャで見ると、生100gで17.2gとなります。同じく糖質が高い野菜であるサツマイモが29.2gなので、サツマイモに比べると少ないことが分かります。ちなみに白米150g(茶碗1杯)は55.2gとなっています。
野菜の中では糖質が高めなので、炭水化物と糖質を控える糖質制限ダイエットをしている人にとっては避けたい食材。
しかし、糖質のもともとの役割を考えてみると、決して食べてはいけない食材とは言えません。
糖質は本来、エネルギー源として私たちの身体機能を支えてくれています。その糖質の摂取をシャットアウトすると、身体は糖の代わりに、脂肪や筋力からエネルギーを作ろうとしてしまいます。
その結果、筋肉量の減少、代謝の減退が起こり、ダイエットを止めた時にリバウンドも起こしやすくなってしまいます。
糖質制限ダイエットは糖尿病患者のために考え出されたのが始まり。ダイエットで使う場合は程々にしましょう。
どのくらいなら食べても平気?
かぼちゃは甘いから太りやすい、という印象かもしれませんが、カロリーはセイヨウカボチャ100gで91kcal、ニホンカボチャなら49kcalです。ニホンカボチャはカロリーや糖質の面で、セイヨウカボチャよりも低くなっているのが嬉しいですね。
ただし栄養価で見ると、セイヨウカボチャのほうが全体的に優れているため、効率よく栄養を取るためには、こちらのほうが向いていると言えます。
かぼちゃというと煮物が代表的ですが、大きめの煮物1個が大体50gなので、1日1~2個なら全く問題ありません。
調理法の多いかぼちゃですが、カロリーや糖質が気になるようなら、油を使う揚げ物や、砂糖を使うスイーツは控えたほうが良いかもしれませんね。
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