黄色いおりものが出る原因【5つの病気に注意して!】
<監修医師 Dr.masa>
女性の身体は自分のため、そして将来赤ちゃんを健康に産むためにも非常にデリケートです。
普段どおりの生活をしていたとしても、季節の変わり目からくる不調、精神的な疲れやストレス、生理周期など、多くのことが原因で身体に変化を起こします。
今元気だから大丈夫だと楽観視していると、急にホルモンバランスを崩してしまって体調が悪くなることもあるため、自分自身の身体をよく知り、注意しなければなりません。
自分の身体の状態を知る手段として、「おりもの」に注意深くなっている方はいませんか?
もし、まだトイレに行っても気にしてない方は、この機会にぜひ「おりもの」が知らせる身体の異変について知ってもらえると良いかと思います。
もし黄色いおりものが出た場合どんな病気のおそれがあるのか、何が原因で起こるのか参考にされてみてください。
正常なおりものの色や臭い
先に「おりもの」とは何かを簡単に説明しますと、子宮の中にある内膜や子宮頸管、あるいは膣などから分泌するものを指します。
大腸菌やブドウ球菌などの子宮や卵巣に影響を与える雑菌が子宮の中に侵入するのを防いだり、膣内に入ってきた雑菌やゴミなどを体外に排出したり、さまざまな役割を担う重要な働きをしているのです。
おりものの他にある女性特有の分泌物についてはこちらを参考にして下さい。
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赤ちゃんの出産のために、排卵前後に子宮頸管を潤し精子が子宮へと活動しやすくなるよう、受精が可能な環境をつくるという働きもあります。では、「おりもの」の正常な状態がどういったものかご紹介します。
正常なときの色
基本的な正常なおりものとは、例えば生卵の白身に似たような少しとろみのある、無色透明か白っぽい色をしたおりものです。
また、正常時は透明で色は薄いですが、下着についてしまうとクリーム色になったり、下着についたものが乾燥すると黄色っぽくなったりします。
人によっては排卵期になるとおりものが粘り気の強いドロッとしたものになり、まれにそのおりものに少し血が混じってしまうこともあるようですが、このようなおりものが排卵期にだけ現れているのであれば、特に気にしすぎる必要はないようです。
正常なときの臭い
臭いに関しては、正常なおりものの場合、無臭かあるいは少し甘酸っぱいような臭いになります。
ただ、生理前になると臭いが強まる傾向にあるようで、生理が始まる前、または生理中に臭いがきつくなったとしても特に問題視する必要はありません。
ついでに付け足しますと、性行為が終わった後などは膣内の自浄作用が高まることや、興奮作用による分泌物の増加などで、おりものの量が増えることもありますが、一時的なものなのでこちらもあまり心配されなくても大丈夫でしょう。
正常なおりものでも臭いがきつい場合もある?
異常色ではない透明か白っぽいおりものなのに臭いがきついと感じる場合、「すそわきが」が原因とも考えられます。
わきがと同じ原因であるアポクリン腺がデリケートゾーンに密集しているため起こるのですが、この場合は市販品のデリケートゾーン専用のケア用品などを使えば、すぐに改善できます。
ただあまり神経質に洗いすぎると、逆に臭いがひどくなったり、雑菌が繁殖しやすくなってしまったりするので、お悩みのときは産婦人科や薬局の方に使い方を相談されてみてください。
黄色いおりものが出る原因
では、どういったおりものが出ると、身体の健康に問題があると判断できるでしょうか?
病気が潜んでいる可能性が高いと一般的な判断材料になるのは、主に「黄色いおりもの」が現れたときです。
ただ、黄色いおりものと一口に言っても、病気の要因はさまざまなため比較的軽度なものや、深刻な病気であることもあります。
また、おりものの色が黄色いものではない場合もありますし、痛みの他にかゆみや水泡が現れる場合もあります。
それでは、異常と考えられる一般的な病気を「色」と「臭い」でわかりやすく説明します。少しでも心当たりがあるようであれば、早めに婦人科などにかかるようにしましょう。
クラミジア感染症
性感染症の一つとして有名な感染症です。クラミジア・トラコマチスという細菌が原因で引き起こされます。
1. 色:黄色いおりもの、または黄緑色。
2. 臭い:悪臭がある。
3. その他の特徴:おりものの量が増え、粘りが強くなる。強いかゆみや、排尿時に痛みを伴う。
放置すると卵管炎や子宮頸管炎や、卵管周囲炎といった症状も同時に引き起こしたり、最悪な場合、不妊症に繋がることも。
カンジダ膣炎
カンジダ菌という真菌が原因となり引き起こされる膣炎のことをさします。女性の感染症のなかでも比較的頻繁に発病する疾患であり、また完治が難しく、再発しやすいことでも有名です。
1. 色:おりものは白く、豆腐やヨーグルト、カッテージチーズのようにボロボロしている。
2. 臭い:悪臭がある。
3. その他の特徴:外陰部に強いかゆみがある。
特に疲れやストレスが原因で免疫力が低下している時にかかりやすいため、少しでもおかしいと感じれば速やかに医師の診察を受けましょう。早期治療がしやすい病気でもあります。
子宮内膜炎、または卵管炎
さまざまな細菌が原因となって起こる炎症のことを子宮内膜炎といい、また同じように細菌性膣炎には卵管炎などもあり、同様の症状が現れることがあります。
1. 色:黄色い膿状のおりもの。
2. 臭い:魚介がくさったような生臭いにおい。
3. その他の特徴:かゆみがあり、突発的な発熱や下腹部痛などが伴い、妊娠中の場合は早産の原因になることもあります。
もし、血が混じるようであれば不正出血を起こしている可能性もあるため、早めに対応をしましょう。
淋病
淋病は淋菌という細菌が原因となって引き起こされる感染症です。性感染症のなかでも感染力が強いため、当人だけではなく、パートナーも感染している恐れがあります。
おりものに異常がみられるのは感染後から3~9日後だと言われています。
1. 色:黄色い膿状のおりもの。(感染後から3~9日後)
2. 臭い:強い悪臭。
3. その他の特徴:気づかないまま症状が進行してしまうと発熱や下腹部、また不妊症の原因となることもあります。
さらに、目に感染すると失明してしまうこともあるため、おりものに違和感を覚えたら、パートナーと共に早急に医師の診察を受けましょう。
トリコモナス膣炎
トリコモナス原虫という感染源から引き起こされる疾患のことを、トリコモナス膣炎、または膣トリコモナス症といいます。
基本的に性交渉での感染がほとんどですが、不特定多数が使用する公共トイレの便器や、タオルの使い回しなどによって感染することもあるため注意が必要です。
1. 色:濃い目の黄色か黄緑色、あるいは緑色に近いおりもの。水っぽく泡状。
2. 臭い:きつい臭い。
3. その他の特徴:外陰部の強い痛みやかゆみを伴う。感染した人の多くがおりものの分量が増えたと感じるのも特徴。
症状が進んでしまうと免疫力の低下を招いてしまい、その他の感染者を引き起こす危険性も高まるため、早めに婦人科への診察をすることが必要です。
異物が膣内に入っている
避妊具やタンポンなどを膣内に入れたまま放置してしまい、異物が残ったままであった場合に黄色いおりものや、強い臭いを発するおりものが出ることがあります。
タンポンの使用に伴うトラブルに関してこちらを参考にして下さい。
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さらに強いかゆみが伴う場合は、免疫力が低下したことによって雑菌が増殖してしまっている可能性もあります。常に清潔な状態を保つよう心がけることが大切です。
その他におりものの色でわかること
一瞬ビックリしてしまうおりものの色で、黄色いもの以外だと次のようなものがあります。
1. ピンク色、赤みよりの色。
2. 茶褐色、黒色 など。
生理の前後に特に血が混じって赤色やピンク色のおりものが出ることもありますが、それ以外にこのようなおりものが出た場合は不正出血の可能性もあります。
不正出血は感染症や子宮がんなどの様々な病気の症状の現れです。
くわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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また、黒いおりものも基本的には膣内の古い血が排泄されることもあり、問題ないことも多いですが、特にきつい悪臭や、頻繁に出たり長く続いていたりする場合は、子宮筋腫や膣内の炎症、子宮がんの可能性があります。
早めに病院で診察を受けてもらいましょう。そして、妊娠超初期のおりものも、身体が胎児を細菌から守ろうとおりものの量が多くなり、子宮内膜を妊娠に適した状態に保とうと変化します。
さらに妊娠初期の段階でおりものの色が変化する人も多く、クリーム色から黄色や茶色っぽく変化したという人もいるようです。
また、通常は少し酸っぱい臭いがあるおりものの臭いが薄くなり無臭になる場合もあります。
身体の変化は個人差もあるため一概には言えません。不安を感じるときは深く悩む前にかかりつけのお医者さまに相談されてください。
おりものをチェックする方法
まずは、トイレに行ったらトイレットペーパーについたおりものを確認することを習慣化しましょう。
下着についたおりものは乾くと変色して黄色くなってしまい正常か異常か判断が難しくなってしまいます。チェックする項目としては次の通りです。
1. トイレットペーパーについおりものの色が透明か、乳白色か?
2. 指で触ってみたときの感触は?サラサラしているか、伸びる感じがあるのかなど。
特に妊娠可能な時期や、妊娠中のおりものは、指と指の間でも7~8㎝ほど伸びる場合もあります。
3. トイレットペーパーについたおりものが強く臭うか?
もし、チェックできる量のおりものが見当たらなかったら清潔な手で膣の入口にあるおりものを触りチェックする方法もあります。
妊娠超初期のチェック方法についてはこちらを見て参考にして下さい。
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黄色いおりものが出た時の対処法
黄色いおりものが出た場合は、膣内と子宮内が非常にデリケートな状態になっている証拠です。病院へ診察に行くことは必須ですが、自分でできるケアで感染症の悪化などを防ぎましょう。
弱酸性の石鹸で洗いましょう
黄色いおりものが多く気になるときは何より細菌の繁殖抑制や感染予防のために、入浴時に刺激が少ない弱酸性の石鹸を使用して、しっかりと洗い流すことが大切です。
洗い流す際は、爪でかいたり擦ったりしないよう注意しましょう。爪は常に短くして、また、体調不良などで入浴やシャワーが難しい場合でもデリケートゾーンだけは毎日清潔に洗うよう心がけてください。
下着はこまめに変えるようにしましょう
下着は締め付けが強いものは避け、綿製品の通気性の良いものがおすすめです。特に気になる方は、下着は他の洗濯ものとは別にして洗濯すると、高い予防対策になります。
最低限、下着は毎日取り換えるようにして、それでも不安がある場合は、その都度こまめに取り換えるようにすると良いでしょう。
おりものシートを使うときは
おりものシートを貼っていれば清潔が保たれると考えている人も多いですが、通気性の悪いシートを何時間もつけっぱなしにしていると、逆に雑菌が増えやすい環境になってしまうおそれがあります。
どうしても下着の汚れやシミが気になる方は、こまめにシートを貼りかえるか、綿100%の布製のシートを使うようにしてください。
まとめ
おりものは女性にとって大切な健康のパラメーターであることがお分かりになったでしょうか?感染症のなかには自覚症状のないものも多く、重篤な状態になるまで気づかない場合もあります。
わずかな変化にすぐに自分で気づけるように、日々のチェックは怠らないようにすることが重要です。
また、おりものは個人差も大きいため、少しの変化でも不安も感じる場合は、一人で悩まず、専門の病院で相談されることも忘れないようにしてください。
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