体重が増えない5つの原因【この病気に注意しよう!】
<監修医師 田中 恵文>
たくさんご飯を食べているのになかなか体重が増えないという人がいますよね。痩せたいという人から見ると羨ましいと思えるかもしれませんが、体重が増えないと場合、病気が隠されている事もあります。
今回は体重が増えない原因について解説します。
気になる所から確認してみよう
体重が増えない原因
食欲不振
食欲不振は、病気が原因で起こることは知られていますが、生活リズムが乱れていたり、睡眠不足や過度のストレスによって自律神経に影響を与えることで起こることもあります。
また、日頃の運動量や活動量が減ると、食欲も同時に落ちてしまうこともあります。その為、日頃から適度に体を動かし、自然にお腹がすいたと思える環境を維持する事も大事です。
他にも、虫歯やかみ合わせが悪いと、顎にかかる負担が大きくなってしまうので、食欲低下の原因になります。
胃腸が弱い
胃腸が弱い人は、食べる量自体が少なかったり、小さな原因でお腹を下したりしてしまいます。そのため体重も増えません。
摂取カロリーが少ない
自分ではちゃんと食べているのに…と思っているのに太れない場合は、摂取カロリーが足りていない事が原因かもしれません。
一回の食事量が少なかったり、一回に食べる量は足りていても、食べる回数が少なかったりする場合は、一日に必要な摂取カロリーまで足りていない可能性があります。
年齢や普段の運動量によって、一日に必要な摂取カロリーは変わって来ますので、気になる方は調べてみてもいいですね。
基礎代謝が高い
基礎代謝量が高い人は消費カロリーも高いので、他の人と同じ量を食べても体重を増やすことが出来ません。基礎代謝量は年齢を重ねるごとに下がると言われていますので、20代になるといきなり痩せにくくなった!という人もいます。
その為、痩せたい人は基礎代謝量をあげる必要があり、太りたい人は摂取カロリーを増やす必要があります。
逆に基礎代謝が低いと起きるトラブルについてはこちらを参考にして下さい。
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摂食障害
摂食障害とは、過食症や拒食症の事を言いますが、このうち拒食症の場合は、食事をとる事を拒んでしまう心の病気です。ストレスや過度なダイエット、様々なきっかけによって発症し、自分の身体イメージが歪んでいる為にもっと痩せなければと考えてしまいます。
低体重、低体温、味覚異常、むくみ、思考力の低下や生理不順などの症状が見られ、栄養が足らない為に脳の機能まで低下してしまいます。摂食障害は心の病気ですが、体にも様々な影響を与えてしまい、命を奪うこともある怖い病気です。
考えられる病気の可能性
糖尿病
糖尿病はⅠ型とⅡ型とがあり、Ⅰ型は膵臓のβ細胞が破壊されるためにインスリンの分泌が行われません。Ⅱ型は遺伝的な体質に肥満などの要因が加わったために起こり、インスリンの分泌が減ってしまいます。
膵臓はこのようにインスリンを分泌し、血糖値を調整する働きをしています。
糖尿病になると、インスリンがまったく分泌されないor分泌量が減るために血糖値が高い状態が続きます。すると、食べ物から得た糖質がエネルギーとして変換されなくなり、筋肉中のたんぱく質や脂肪が代わりにエネルギー源として使われてしまいます。そうなると、体重も減ってしまいます。
甲状腺機能亢進症
血液中の甲状腺ホルモンが増える事で、疲れやすい・暑がりになる・月経不順・息切れがするなど様々な症状が現れます。
また1つの症状だけでなく、複数の症状が同時に現れます。これらの症状は少なくとも1週間以上続きます。全身の新陳代謝が活発になるため体重は減少しますが、若い人の場合では食欲亢進が勝り太ることもあります。
胃潰瘍
胃潰瘍になると胃液が多く出過ぎてしまい、胃粘膜とのバランスが崩れてしまいます。そうなると、胸やけや酸っぱいげっぷといった不快な症状が現れます。
それによって嘔吐、吐き気、食欲不振によって体重が減る症状も見られるようになることがあります。
悪性腫瘍
消化器に病気があると、食欲低下・吸収不良によって体重が減ってしまいます。下痢と便秘の繰り返しがある場合には大腸がん、みぞおちや背中に痛みが見られた場合は胃がんやすい臓がんの疑いがあります。
しかし、その他の悪性腫瘍でも体重減少が見られる事があります。今までと同じ生活を送っているのに体重が減る場合は、なんらかの病気の場合があるので注意が必要です。
うつ病
うつ病は睡眠障害・食欲低下・体重減少・全身のだるさ・疲れやすさといった身体症状が見られます。食欲不振と体重減少はほとんどのうつ病に見られる症状で、人によって1~2ヵ月間で体重が5~10㎏も減少する人もいます。
何を食べてもおいしくない、味が分からない、砂を噛んでいるような感じという訴えがあり、食事も義務感で行うことが多くなります。
結核
結核は咳や喀血といった症状だけでなく、全身倦怠感・発熱・体重減少・寝汗・食欲不振などの症状も見られます。エネルギーを激しく消耗するので、食欲不振よりも体重減少の方が目立ちます。
肝硬変
肝硬変の初期症状で、食欲がなくなる・体重が減少することがあります。肝硬変によって胃腸分泌と吸収機能に乱れが出る為、吐き気や嘔吐も見られます。
体重減少は食欲がなくなってしまい、胃腸食道の消化と吸収機能に障害が起きる事によって起こります。
肝硬変の前兆についてはこちらを見て参考にして下さい。
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自覚症状のない肝硬変は放置すると危険【原因や食事方法を紹介】
HIV
エイズを発症する前のHIVに感染した段階で、無症候期間が何年か続いたのち、免疫力が低下してエイズ発症が近づきます。この時期に、エイズ関連症候群として体重減少が見られる事があります。
1か月から2カ月の間に、元の体重の10%以上減少すると要注意と言われており、HIV感染に心当たりがある場合はすぐに検査を受けた方がいいでしょう。
太らない原因が病気という可能性については、こちらも参考にして下さい。
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体重を増やす方法
お腹を温める
胃腸の弱い人は、お腹を冷やすと下痢になる原因となってしまいます。飲み物も、冷たいものはお腹を冷やす原因になるので、温かいものを飲むようにしましょう。
規則正しい生活
食欲がないという人は、まずは規則正しい生活を送るようにしましょう。空腹を感じる為には、起床時間を一定にして朝食をとる習慣をつけてみてください。また、お腹がすくためにも適度に歩くなどの習慣を取り入れるようにしてみてください。
運動
腹筋が弱くなると胃や腸が前や下に出て、胃腸の働きを鈍くしてしまいます。また筋肉をつけると、基礎代謝も上がるので体も冷えにくくなります。
お腹をへこませたままキープするだけで、腹横筋というインナーマッスルが鍛えられるので、何かをしながらでも簡単に鍛える事が出来ます。
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