くも膜下出血の前兆をチェック!目に異常が出たら危険!
<監修医師 ドクターTST>
くも膜下出血という病気をご存じですか?症状が出た場合に迅速に対処する必要がある病気の一つでもあります。
そこで今回は、くも膜下出血の前兆と予防方法についてご紹介します。
目や首など、特徴的な前兆が現れるので知っておいて損はありません。
前兆をチェックすることで、もしもの際に自分の身や家族、友人を救いましょう。
くも膜下出血とはどんな病気
くも膜下出血はよく死因としてニュースなどで耳にする機会も多いかと思います。
2014年に厚生労働省が発表したところによると、日本人の死因第4位がくも膜下出血を含む脳血管疾患となったそうです。
くも膜下出血は一度発症すると10人の内4人は死亡するという危険な病気です。
残る3人は重篤な障害が残りますが、発症した内の10人に3人は社会復帰しています。
一口にくも膜下出血と言っても原因が微妙に異なります。原因ごとに、どんな病気かご紹介します。
脳動脈瘤
中年以上(40~50代)の人が発症するくも膜下出血の原因は、脳の動脈にできた脳動脈瘤が破裂して出血することです。
脳動静脈奇形(AVM)
若い人に見られるくも膜下出血の主な原因は、生まれつき持っている脳動静脈奇形の破裂による出血です。
脳動脈奇形とは、血管の形が他の人とは異なる状態にあることを指します。そのため先天的に破裂しやすい形であると言えます。
脳動脈瘤も脳動静脈奇形も脳内の血管が破裂することが直接の原因です。このとき脳を守る三つの膜のうちのひとつであるくも膜と脳の間の動脈が破裂することを「くも膜下出血」と呼ぶのです。
出血したままで放置すると脳内に血液が回らなくなります。脳が人間の意識や行動を司る重要な器官であることはみなさんご存じかと思います。
その脳が正常に働かなくなるので、すぐに処置をしなければ命に関わる病気なのです。
くも膜下出血の前兆をチェック!目や首の異常に気を付けて!
くも膜下出血は恐ろしい病気ですが、前兆についての知識があると早めに対処することができます。
さらに一度破裂して一命を取り留めても、再び破裂の危険があるため気が抜けない病気です。長い目で経過を見守る必要があります。
気を付けるべき前兆のポイントは、
✓ 目
✓ 頭 ✓ 首 |
に分類されます。脳にできた動脈瘤が原因となる病気ですので、肩から上に特徴的な前兆が現れます。
詳しく解説しますので、ご覧下さい。
動眼神経麻痺で察知する
目のうち片方が開かなくなり、両方の目でものを見るとダブって見える症状が出る場合があります。
これは動脈瘤(後交通動脈瘤)が大きくなり、動眼神経を圧迫するせいで起きる現象です。
動脈瘤が破裂しそうなほど膨らむと、視神経に負荷がかかり視界に異常が現れるのです。
急な頭痛に注意する
くも膜下出血を発症した人に共通の症状が「今まで経験したことがないような激しい頭痛」です。
しかし、症状が現れる前にも頭痛は出現します。破裂までは行かないまでも、小さな出血(マイナーリーク)があると警告頭痛とよばれる予兆があります。
急に頭痛を感じたものの、原因に思い当たる節がない人は医療機関を受診した方が早めに異変を察知することができます。
また吐き気も併発する場合があります。
くも膜下出血を予防する為にできること
出血するまでは自覚症状がなく、一度出血すると死に至る確率の高い病であるくも膜下出血は恐ろしい病気ですが、実は破裂しないしょうに予防することができます。
生活習慣の見直しや、自分の体調管理にいつもより配慮する程度でできる予防策ばかりです。
知っておくと、必ず役に立ちます。予防のポイントをご紹介します。
日頃から血圧をチェックする
くも膜下出血を経験した人のうち、症状を引き起こす数日前から血圧が激しく上下した、という例があります。
普段から自分の血圧を把握しておくことは、くも膜下出血だけではなく様々な病気の予防にも繋がります。
家電量販店に行くと、5000円前後で家庭で使用できる血圧計が販売されていますので、頻繁に病院に行く必要もなく便利です。
家族にくも膜下出血発症者がいる場合
家族(2親等以内)にくも膜下出血を発症した人間がいる場合、10人に一人が発症するという調査結果があります。
もしも家族や親類に発症者がいる場合は、健康診断などでMRA(脳血管の異常を発見する検査)を撮ることをオススメします。
最近はMRAが簡単にできるようになったので、まだ破裂していない脳動脈瘤でも発見しやすくなりました。
心配な場合は検査を受けておくことが一番です。
お酒とタバコはほどほどに
飲酒と喫煙がくも膜下出血を引き起こす要因の一つであると言われています。
お酒は飲み過ぎに注意すれば大丈夫です。一合以上のお酒を一晩で飲む人は、酒量を抑えるようにしましょう。
しかしタバコは禁煙することをオススメします。中毒性が高く、くも膜下出血以外の病気の要因にもなります。
自分一人の意志で辞めることが難しい場合は、医療機関を受診しましょう。「禁煙外来」が設けてある病院もありますので、お住まいの近くの病院にあるかどうか調べてから出かけるといいでしょう。
適度な運動をする
激しい運動ではなく、身体に負担をかけすぎない範囲で行う運動がくも膜下出血の予防には有効です。オススメする運動としては、
✓ 自転車通勤
✓ 30分程度のウォーキング ✓ ハイキング程度の登山 |
が挙げられます。気軽に始められて楽しめる運動がいいでしょう。適度な運動はストレス発散にもつながります。
ストレスを溜めすぎないこともくも膜下出血の予防には重要な意味を持ちます。
くも膜下出血は脳とくも膜の間で血管が破裂して起こる病気です。
今まで感じたことのないすさまじい頭痛、吐き気、意識を失うなどの特徴的な症状が出ます。
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日本人の死因として割合が高い病気ですが、生活習慣を改めることで予防することもできます。
知識として知っていると我が身と家族を守れますので、ぜひ生活に役立てて下さい。
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