ししとうの7つの栄養に驚愕【辛いものとの見分け方を伝授】
<監修医師 まっちゃん>
ししとうはピーマンの仲間って知っていましたか?その成分は、ピーマン同様たくさんの栄養素を含んでいます。カロリーも低く、さまざまなレシピに登場するししとうについて、今回はまとめてみたいと思います。
「どんな栄養があるの?」「たまに辛いのが混じっているのはなぜ?」「辛いものとの見分け方はあるの?」などの疑問にもお答えしながら解説します。
気になる所から確認してみよう
ししとうに含まれる栄養素
ししとうとピーマンは仲間
ししとうは「ししとうがらし」の略で、ナス科トウガラシの甘味種に分類されるピーマンの仲間です。唐辛子と比べると辛みが弱めのため、そのまま天ぷらにしたり炒め物などの料理に使えます。
そして、1個1kcalと非常に低カロリーなのに栄養豊富な優れた野菜なんです。栄養的にはピーマンとほぼ同じ成分を含みます。
ビタミンC
ししとうは100gあたり57mgのビタミンCが含まれています。ビタミンCには、疲労回復、免疫力アップ、細胞の老化防止などの作用があります。その他、鉄の吸収を促進する働きも持っています。
ビタミンCについてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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ビタミンK
ビタミンKは脂溶性のビタミンで、血液凝固作用を活性化させ止血を早めたり、骨の形成を促して丈夫にしてくれます。また、動脈の健康維持にも働きます。
ビタミンB6
ししとうには、代謝ビタミンといわれる水溶性のビタミンB群が含まれます。B1、B2なども含まれますが、特に多いのがビタミンB6です。ビタミンB6は免疫力アップや、皮膚や毛、歯を健康に保つ美容効果の他、たんぱく質を分解してエネルギーに変える作用があります。
カロチン
ししとうには、100gあたり530μgのカロチンが含まれています。緑黄色野菜は100gあたり600μg以上のカロチンを含む野菜の総称なので、その豊富さがわかりますね。
カロチンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持や視力維持などの働きをしてくれるため、免疫力アップ、細胞の老化防止などの効果があります。
カリウム
ミネラルも豊富で、マグネシウム、マンガン、セレン、カルシウムなどが含まれていますが、特にカリウムが100gあたり340mgも含まれています。カリウムは、利尿作用により余分なナトリウムを体外に排出してくれるため、減塩効果があります。そのため、血圧の上昇を抑えたり、むくみ解消の効果があります。
カリウムの役割についてはこちらを見て参考にして下さい。
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カプサイシン
主に唐辛子に含まれる辛味成分のカプサイシンは、ししとうにも含まれています。これは、脂肪を分解してエネルギーに変える代謝に関わるホルモンの分泌を促進する作用があります。カプサイシンを摂取すると、代謝が活発になり体温上昇や発汗作用、血行促進作用などが期待できます。
食物繊維
ししとうは100gあたり3.6gの不溶性食物繊維を含んでいます。不溶性食物繊維は腸内で水分を吸収して膨み、かさ増しされた便が腸の刺激を増やすことで蠕動運動を促してくれます。つまり便通が良くなります。
ししとうの効能
免疫力アップ
ししとうに含まれるカロチンは皮膚や粘膜の健康維持に作用し、ウィルスなどの病原体やアレルギーの原因物質から守ってくれます。この他、ビタミンB群やビタミンEにも皮膚の保護作用があります。
またビタミンCには細胞を元気にする働きがあるため、疲労回復作用や、免疫に関わる白血球を活性化して抵抗力を強くしてくれます。つまり、ししとうは風邪予防や花粉症予防に効果的です。
視力の低下を防ぐ
視覚は、まず目に入ってきた光の情報を、網膜上のロドプシンというたんぱく質が受け取ります。それが電気信号に変換されて脳で処理される仕組みです。
ししとうに多く含まれるカロチンは体内でビタミンAに変換されてロドプシンを生成します。また、ビタミンB群もロドプシンを生成するために必要な酵素をつくるのに必要ですので、視力の低下予防に効果的といえるでしょう。
ダイエット効果
ししとうは低カロリーの上、新陳代謝を上げて脂肪を燃焼させてくれるカプサイシンが含まれています。ビタミンB群も代謝促進作用があるので、ダイエットで痩せやすい体質をつくることができます。
そして食物繊維も豊富に含まれていますから、便秘解消など腸内環境を整えるデトックス効果も期待できます。また、カリウムの減塩効果によって、むくみも解消されるため体重が減りやすくなります。
美肌効果
ビタミンCはしみ・そばかす、皺の原因であるメラニン色素を分解する効果があります。また、血行促進や肌の新陳代謝を促進するビタミンB群も若々しくハリのある肌を保ってくれます。
止血効果のあるビタミンKは、肌に塗ると目のくまや赤ら顔を改善してくれる効果があり美容液の成分として注目されています。また、食物繊維で腸内環境が整うことにより、肌トラブルも改善されます。
美肌効果の望める食べ物についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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老化防止
ししとうは、細胞の老化予防に重要な抗酸化作用をもつビタミンCやカロテンを多く含んでいます。また、ビタミンKやカルシウムが骨の形成を促進してくれるため、老化に伴って増える骨粗鬆症の予防にも繋がります。
生活習慣病の予防
ビタミンB群やカプサイシンが代謝促進や脂肪燃焼の手助けをしてくるため、動脈硬化や心筋梗塞、脂肪肝などの肝機能障害、糖尿病などの生活習慣病を予防することができます。
また、カリウムの減塩効果やビタミンCの抗酸化作用も高血圧を予防することもできるでしょう。
ストレス解消効果
ストレス解消効果のあるビタミンC、パントテン酸、ビタミンEの他、ビタミンB6も精神安定作用があるといわれています。ししとうには、これらのビタミンが全て入っているため、ストレス解消効果も期待できます。
辛いものとの見分け方
ししとうはストレスで辛くなる
ししとうは、唐辛子と比べれば甘みのある野菜ですが、中にはときどき驚くくらい辛いものが混じっていることがあります。これは30〜50個に1つ位の割合なんだそうです。
ししとうが辛くなってしまうのは、育った環境によるとされ、特にストレスを受けたししとうが辛くなるといわれています。ししとうにとってストレスの環境とは、日照りによる水不足、朝晩の冷え込み、極度の栄養不足などです。
辛いものは見た目で判断できる!?
強いストレスを受けたししとうは、辛さだけではなく形も歪んだり伸びが悪いことが多いそうです。また、形が歪んでいないのに辛いものは、切ってみると種の数が少ない場合があり、種の数も判断基準となるようです。
その他、辛い確率の高いししとうの特徴としては、先が細く曲がっている、皮が固い、シワが少なく艶がある、房が丸みを帯びている、香りの強いものなどが挙げられます。
辛さは時期や部位でも判断できる!?
春先や夏の終わり頃のししとうは辛いものが増えるそうなので、初夏のものを冷凍保存して使うと良いかもしれません。保存方法も、軽く洗って水気を切り、へたを取ってフリーザーバッグなどにいれるだけなので簡単です。
また、ししとうは種とへたの部分が辛いので、辛いのが苦手な人はそこを取り除いて調理するとよいでしょう。
今回は、ししとうに含まれる栄養素とその効能についてまとめました。そして、ときどき当たる辛いししとうについても解説しました。
小さく低カロリーでも、こんなにたくさんの栄養素を含んでいるししとうは、炒め物、揚げ物、和え物などの名脇役として大活躍ですよね。また、おつまみの一品としてもいろんなレシピがありますので、ぜひ調べて作ってみてください。
健康や美容効果の期待できるししとう。もしも辛いのが当たっちゃっても嫌わず食べてほしいですね。
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