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せん妄の症状一覧!【3つの原因と治療方法!】

<監修医師 豊田早苗>
頭痛

せん妄という言葉をご存知ですか?認知症やその他、精神病と勘違いされることもあるという症状ですが、介護や看護の場面ではよく耳にします。

せん妄は認知症と違い、完治することのできる症状ですが、適切な治療がとても重要です。今回は、せん妄の症状と、原因や治療方法について解説していきます。

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せん妄の症状

 

せん妄とは?

せん妄とは、何らかの原因で意識障害が起こり、頭が混乱した状態のことをいいます。病気の名前ではなく、一時的で回復可能なものであること、高齢者に多くみられる、混乱の症状は日内変動する等の特徴があります。

 

今まで認知症を疑ったことのないしっかりした人が入院した途端、寝ぼけたような状態になったり、昼間はいつもと変わりないのに夜になると興奮して動き回ったり話が噛み合なくなるといったことは、比較的よく見られることで、「せん妄状態」と診断されます。

 

睡眠障害や覚醒リズム障害

通常、人は昼に起きて夜に眠るという自然なリズムのもと生活していますが、せん妄になるとその覚醒リズムが崩れ、日中も半分眠ったようにぼんやりとした状態が続きます

 

そのため、注意力も低下し、正常な判断ができなくなります。重症な場合、ここがどこなのか、自分が誰なのかも分からなくなることもあるのです。

 

不眠症の症状についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
不眠症の治し方全集!【この食べ物でぐっすり快眠!】

 

幻覚や妄想

実際にはないものが見える幻視のという症状が高頻度にみられます。アルコールが原因のせん妄では虫やヘビなどの小動物が出現するケースが多いそうです。また、いない人が訪ねてきた等の妄想を訴える場合もあります。

 

情緒障害

せん妄は人格や気分まで変えてしまいます。普段は穏やかで内向的な人が激しい興奮、混乱、不安などが増幅して、ときには大声を出したり暴力を伴うことがあります。

逆に社交的だった人が強い眠気とともに内向的になる場合もあります。傾向としては、若者は興奮状態になりやすく、高齢者は内向的になりやすいといわれています。

 

不随意運動など神経症状

せん妄の種類によっては手のふるえなどの神経症状がみられる場合があります。アルコールが原因のせん妄は出現率が高く、振戦せん妄と呼ばれます。

 

実はコワイ!せん妄

せん妄は、重症度と原因によって数時間、数日間続きます。すみやかに原因を特定して治療を行わないと、眠気と反応の鈍さが進行し、昏睡状態や死に至る場合もあるのです。

 

昏睡状態についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
昏睡状態とは4つの状態です【回復の可能性について解説!】

 

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せん妄の原因

 

身体的要因

せん妄を引き起こす原因はたくさんあります。脳血管障害、脳炎、外傷などの中枢神経系の疾患は、比較的軽症の状態でもせん妄が起こる可能性があります。

 

また、血液中の電解質の濃度が異常になると神経細胞の代謝が妨げられてせん妄が起こることがあり、うっ血性心不全、肝機能障害、糖尿病、甲状腺異常や進行したがんも注意が必要です。

 

また、脱水、貧血、低栄養などの体調不良や、薬物やアルコールがきっかけとなることもあります。せん妄が起きやすいお薬として、パーキンソン病薬、抗うつ薬、抗精神薬があります。

脱水症状についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
脱水症状の5つの対処法【高齢者は注意して!】

 

環境・心理的要因

病気の痛み、ひどい便秘の苦痛、手術後の不安など、ストレスからせん妄が出現する場合があります。ストレスは自分で感じないような環境変化、例えば同居のための引っ越し、入院、施設入居などでも生じます。

 

生理的要因

高齢者の15〜50%は入院中にせん妄を経験すると言われており、せん妄の原因として加齢による影響が大きいとされています。

昼夜逆転や睡眠障害がせん妄の引き金になる場合もありますし、高齢者は先に述べてきたせん妄の要因の影響を受けやすいのです。

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せん妄の治療方法

 

基本は原因の追求と除去!

せん妄治療の基本は、原因の究明と除去です。せん妄状態と診断されたら、まずは内服薬のチェック、さらに血液検査や放射線検査などで身体の状態を調べます。

 

この他、ストレスや環境の変化などの出来事があったかどうかを身近な人から聞き取ることも重要です。

原因が分かれば、それを除去することで大抵のせん妄は治癒します。症状が激しいときには抗精神薬などを用いて経過観察を行う場合もあります。

 

介護、看護の面からの対応として、光や音の刺激を適切にする、見慣れたものを身の回りに置く、本人の顔を見ながらゆっくりはっきり話しかけ、状況を説明する等、本人が落ち着けるような配慮が重要です。

 

せん妄状態による二次被害を防ぐ!

せん妄を起こしている人は意識障害の影響で脱水、低栄養、失禁、転倒、床ずれなど多くの問題を起こしやすく、これらの二次被害を防ぐ必要があります。

 

また、極度に興奮している場合や幻覚による混乱状態では、本人や介護者にけがをさせてしまうおそれもあります。このため、見守りや環境整備なども予防的に行うことが重要です。

 

予後は良好!でも早期治療が重要

原因をすみやかに特定して治療できれば、予後は良好です。しかし、治療が遅れると完全に回復せず、数週間から数ヶ月間も改善しない例もあります。

先にも述べましたが、最悪の場合、昏睡や死に至るケースもあるのです。せん妄は早期治療が重要です。

 

せん妄といってもピンと来ない人でも、その原因となる病気やストレスはけっこう身近だったりします。

また、自分の身内が入院したり、病気をしたことがきっかけで、せん妄と向き合う機会があなたにもあるかもしれません。そんなとき、知識があれば対応も違ってきますよね。

 

せん妄は、適切な早期治療で完治できるものです。完治後も、継続的な受診や周囲のサポートが必要な場合がありますので、ぜひ覚えておいてほしいです。

  当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。

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