小頭症の症状や原因を解説!ジカウイルスに要注意!
<監修医師 豊田早苗>
赤ちゃんのリスクのひとつに「小頭症」(しょうとうしょう)というものが、あるのをご存じですか?
最近では「ジカウイルス」が原因で、ブラジルで多く小頭症を発症し、ニュースになりました。
ますますグローバル化が進む世界で日本でも懸念が広がっています。今回はそんな小頭症の症状や原因を詳しくご紹介します。
小頭症とは?
そもそも小頭症とはどんなことなのでしょうか?
頭蓋骨の縫合が早期に完成するために、頭が極端に小さいものと、脳の発育が悪いために脳体積が小さく、頭蓋腔(とうがいこう)の容積も拡大しないものの2つ。
つまり、狭頭症と、脳の発育が通常よりも遅いために起こる小頭症の2つのパターンがあります。
「頭蓋腔」とは、脳を収める空間のことです。
いつぐらいから症状が現れるのか
小頭症には、発見するまで様々なケースがあります。
とある妊婦さんは、エコー検診を受けた際に医師から疑いや、診断を受け、また別の方では、出産後や早期検診の際に判明していました。
つまり、小頭症はいつぐらいから現れるかわからない、とても個別性がある症状である事が分かります。
小頭症の症状
小頭症の様子
では、どんな様子から小頭症と疑われるのでしょうか?外見上では字のごとく「頭囲が明らかに小さい」ということ。
客観的な診断基準では「後頭前頭を結ぶ周囲径が年齢や性別を合わせた基準値より3%低い」となっています。
検査内容
診察上から診断できますが、視診では医師の主観も含まれるため、納得できないお母さんもいると思います。
もちろん、他の検査項目も行います。
出生前であれば、エコーの画像診断を行います。また、超音波検査で内臓等の血流を確認します。
しかし、胎児への検査は限られおり、断定するのが難しいです。そのため、出生後に診断します。
出生後の検査では、頭囲の周径や、CTスキャンを行います。
小頭症の子にはどんな症状がでるの?
実際に小頭症の子には、他の子と比べてどのような症状があるのでしょうか?
一般的な症状として小見出し1にもあった、「頭が非常に小さい」様子が含まれます。
そのほかにも「鳴き声が甲高い」「食欲不振」「痙縮(けいしゅく)を起こしやすい」「発達の遅れ」「精神遅滞」「視力や聴力などに障害」が現れます。
これらの症状は、他の疾患や疾病と似ています。また、小頭症の子でも症状にはばらつきがあります。
痙縮(けいしゅく)とは?
痙縮というのは、筋肉が勝手に緊張してしまいつっぱり感がでてくることです。
例えば手をずっと握ったり、手足の曲げ伸ばしがしにくくなるなどといった症状が現れます。
小頭症の原因!ジカウイルスとの因果関係について
これまで小頭症の症状や、検査内容をご紹介しました。しかし、一番気になるのは小頭症の「原因」ではないでしょうか?
遺伝的要因
先天性の疾患原因として多いのが「遺伝」や「染色体」の異常です。
一部の小頭症には遺伝子が一部欠如しているのではないかと言われていますが、詳しいメカニズムは未解明です。
感染
妊娠中に風疹や水痘、サイトメガロウイルスに胎児が感染する原因が考えられます。
これを胎内感染と呼びます。注意したいウイルスは風疹などの他に「ジカウイルス」があります。
このウイルスは最近、中南米で流行しており、小頭症を引き起こす可能性が高いです。
ジカウイルスとの関係性
「ジカウイルス」とはどのようなウイルスなのでしょうか?
日本脳炎やデング熱と同じ病気です。これらのウイルスは蚊を媒介とします。
ジカウイルスをもつ蚊に接触すると、発疹や発熱といった症状が現れます。これが「ジカ熱」です。
ブラジルでジカウイルスがアウトブレイクしたときに、小頭症の新生児が過去5年間の10倍に増えました。
そのため、ジカウイルスと小頭症との因果関係があると言われています。
しかし、詳しいメカニズムまではまだ解明されていません。この原因を突き止めるために、現在も研究が進められています。
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狭頭症(頭蓋骨癒合早期癒合症・とうがいこつゆごうそうきゆごうしょう)
赤ちゃんは生まれたとき、頭の骨は一部隙間があります。(隙間を大泉門と小泉門といいます。)
この隙間は、成長と共に徐々に閉じてきます。
しかし、この病気は、脳の成長より早く骨が閉じてしまったり、欠損してしまう病気です。
この症状によって、頭蓋骨がうまく形成されません。
まとめ
話題のジカウイルスを含め、小頭症について解説しました。
特にジカウイルスは、今年リオオリンピックもあり、益々拡大が懸念されています。ぜひご注意ください。
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