覚えられないのはナゼ!?【この病気の可能性あり】
<監修医師 豊田早苗>
他の人と比べて物事の理解が遅い、仕事がなかなか覚えられない、物忘れが多くなったといったことに心当たりがありませんか?どんなに努力しても状況が改善されない…本当に辛いですよね。
実は、こういった症状は病気が原因の可能性があります。今回は関連する病気や可能性、予防方法についてご紹介します。
覚えられないのはナゼ!?6つの病気に注意
大人の発達障害
発達障害は子供特有のものと思われがちですが、子供の頃発達障害があることに気付かず大人になってから発覚することや、場合によっては大人になってから症状が顕著になるケースもあります。
物事の優先順位がわからない、コミュニケーションが苦手で人間関係を築くのが困難、説明を受けても適切な判断が出来ない、単純な作業でもミスを繰り返すなど仕事が出来ない、決められたルールを守る事が苦手、生理整頓が出来ない、落ち着きがないなどの症状がある場合は注意が必要です。
ADHD
ADHD(注意欠陥・多動性障害)は「不注意」「多動性」「衝動性」の3つの症状に分けられます。
✅ 不注意…忘れっぽくて物をなくしやすい、注意が長続きせず気が散りやすい、話を聞いてない様に見える、興味のある事に集中し過ぎて切り替えが出来ない、整理整頓が出来ない
✅ 多動性…落ち着いて座っていられない、過度なおしゃべり、静かにしないといけない時に静かに出来ない
✅ 衝動性…気に障る事があったら乱暴になる、他人の行動を邪魔したり自分が行動してしまう、会話の途中でも遮って発言する、順番が待てない
大人になるとこの3つの中でも多動性が弱くなり、不注意が目立つ傾向にあると言われています。
症状の現れ方には個人差があり、それぞれの生活環境によっても異なります。ADHDの特徴を持つ人は複数の異なる生活環境において日々困難を感じる事でしょう。
積み重なると精神的にも辛く、他の精神疾患を併発するなど二次的な問題が起こる可能性がありますので専門の医療機関で適切なサポートと治療を受ける事をおすすめします。
ADHDは症状が良く似ているためアスペルガー症候群と間違われることが多いですが、アスペルガー症候群は「コミュニケーションの問題」「対人関係の障害」「限定された物事への興味やこだわり」の3つの症状があり自閉症と同じ自閉スペクトラム障害(ASD)の一種とされています。
自閉症についてくわしくはこちらを参考にして下さい。
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自閉症の遺伝確率は高い?【特徴や傾向を丁寧に解説】
高次脳機能障害
高次脳機能障害には様々な症状があり、新しくものを覚えられなくなったり最近の事を忘れてしまったりという記憶障害、集中力の低下といった注意障害、自分で計画を立ててものごとを実行することができない遂行機能障害、行動や感情を場面や状況にあわせて、適切にコントロールすることができない社会的行動障害など多様なものが報告されています。
こういった症状は先天的な疾患、進行性の疾患、精神疾患などにより脳に何らか障害が生じた際に起こります。また、頭部外傷や脳腫瘍、脳卒中など後天的な脳の疾患や損傷よっても引き起こされるといわれています。
一般的に高次脳機能障害といわれるのは後天的な脳の疾患や損傷によるものとされています。
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は認知症の中で一番多いとされており、男性よりも女性に多く見られます。
代表的な症状は物忘れです。忘れることは誰でもありますが指摘をされると忘れていた事を思い出すことが出来ますが、アルツハイマー型認知症の方は体験したこと自体を忘れてしまっているので思い出すことが出来ない点が一般的な物忘れとの違いです。
うつ病
うつ病でも物忘れの症状が起こります。原因は無気力、思考停止といった抑うつ症状だと考えられています。うつ病は神経伝達物質の減少により頭の回転が鈍くなります。
そのため“考えられない”“集中できない”“思い出せない”という症状があらわれます。
麻薬中毒
麻薬中毒の特徴にも、脳にダメージが起こることで記憶障害を引き起こすことがあります。特に健忘症を訴える人が多く、症状は物忘れから重度の記憶喪失にまで及びます。
健忘症の症状も様々で発症以降の記憶が抜けおち物事が覚えられなくなる「前向性健忘」、発症前の記憶が抜けおち記憶が呼び出せない「逆向性健忘」、健忘機関の全ての記憶が思い出せない「全健忘」、健忘期間内の記憶の中でも思い出せるものと思いだせないものがある「部分健忘症」があります。
大人の発達障害。8つの特徴
大人の発達障害の特徴は以下の通りです
✅ 会話の途中でも一方的に話し出したり、相手の気持ちを察することが出来ないなどコミュニケーションが苦手で人間関係を築くことが困難
✅ 指示を受けても、うまく頭の中で順序立てて結論づけることが出来ないので適切な判断が出来ない
✅ 物事の優先順位が分からず、今やるべきことを先延ばしにしてしまう
✅ 単純作業でもミスを繰り返したり、仕事をなかなか覚えられない
✅ 時間にルーズで約束が守れないなど決められたルールを守ることが苦手
✅ 整理整頓が出来ない
✅ 落ち着きがなく、じっとしているのが苦手
✅ その場しのぎの衝動的な行動をしてします |
人間関係が面倒に感じる心理についてはこちらを参考にして下さい。
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人間関係がめんどくさいと感じるのは病気?【隠れた心理と克服法をお伝え】
覚えられない症状を予防しよう
ライフスタイルから予防を心がけよう
✅ バランスのとれた食事…肉・野菜・魚・果物などを心がけましょう。
✅ リラックス…一度にたくさん仕事をかかえたり、苦手な事をしないといけないストレス、緊張状態が続くことでも集中力、判断が鈍り、物忘れがひどくなります。積極的に気分転換をしましょう。
✅ 充分な休養…長時間労働や、睡眠不足、極端に暑い(寒い)環境などで過ごすことで身体には多くストレスが掛かります。このような状態だと物忘れもひどくなる為、充分な休養をとりましょう。
✅ 適度な運動…運動不足は脳の血行が悪くなり認知症の要因になります。日頃から歩く距離を増やすなど有酸素運動をすることで老化を防ぐことが出来ます。
✅ 脳への知的刺激…人と会話などのコミュニケーションをとりましょう。新しい習い事や楽器の演奏なども脳の刺激になります。また認知機能に影響を及ぼす女性ホルモン「エストロゲン」は恋愛をすると分泌するという「恋のホルモン」でもあります。
素敵だなと思える人に出会えるのは心身ともにいいことです。
エストロゲンの効能についてはこちらも参考にして下さい。
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エストロゲンの3つの作用【増やす食べ物と副作用についても解説】
✅ 禁煙…喫煙は、全身の血管を収縮させて血行を悪くするので禁煙しましょう。
物忘れがひどい場合の3つの対処法
✅ 一般内科で病気が隠れていないか調べる
✅ 物忘れ外来・脳神経外科・精神科など認知症専門医を受診する
✅ 脳神経外科
認知症についてはこちらも参考にして下さい。
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