ひじきの栄養や鉄分量に驚き!【食べ過ぎでコノ症状が起こる】
<監修医師 まっちゃん>
ひじきは、昆布やわかめと並ぶ栄養価の高い海藻です。カルシウムやミネラル、食物繊維を豊富に含み、ローカロリーで健康や美容に良いため、ダイエット食品としてもよく利用されています。
乾燥状態で売られていることが多く、保存もきくので常備しやすい食材の1つですね。煮物や炒め物、混ぜご飯など、いろいろな料理に応用が利く食材なので、ひじきを使ったレシピはたくさんあります。
ところが、どんな食品にも言えることですが、食べ過ぎるとかえって身体に良くない場合もあるのです。
今回はひじきの栄養や鉄分量また、食べ過ぎることでどんな症状が起こるのか解説していきます。
ひじきに含まれる栄養素
カルシウム
ひじきの栄養は何といっても豊富に含まれるカルシウム。100g当たりのカルシウム含有量は1400mgで、なんと牛乳の12倍にもなります。
日本人はアメリカ人と比べると、カルシウムの摂取量が3分の1程度しかなく、慢性的なカルシウム不足と言えます。カルシウムが不足すると、骨粗しょう症を招く原因となりますので、積極的に摂りたい栄養素の1つです。
また、血液中のカルシウムが不足してくると、副甲状腺ホルモンが働き、骨からカルシウムを取り出して血液中に送り込みます。すると骨の中のカルシウムが足りなくなってしまいます。
カルシウム不足はあらゆる生活習慣病の原因にもなります。
食物繊維
食物繊維を多く含むひじき。その含有量43.3ℊで、ゴボウの7倍にもなります。欧米化が進んだ現在の日本人の食事は食物繊維が不足気味なので、意識的に多く摂る必要があります。
成人の1日の食物繊維の摂取量は、年代や性別によっても異なりますが、大体18~20gが理想とされています。ところが、現状では3分の1ほどしか摂れていないようです。
鉄分
ひじきは鉄分も豊富で、100g当たり55mgの含有量、と言われたのはもはや過去の話です。実はひじき自体の鉄分含有量は100g当たり6.2mg。なんと従来の9分の1しかありません。
しかしこれは、昔のひじきが鉄分を豊富に含んでいたということではありません。ひじきの加工に使われる鉄釜から鉄を吸収していたことに原因があるのです。
現在のひじきはステンレスの窯で加工されることが多いので、ひじき本来の鉄分量が知られるようになってきました。
カリウム
人の体にあるカリウムは、ナトリウムと深くかかわっているミネラルです。ナトリウムと共に、浸透圧や血圧を調整する役割を持っています。ひじきのカリウム含有量は4400mgになります。
ただし、腎臓に疾患のある方はカリウムの摂取は控えなければなりません。
くわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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マグネシウム
ひじきのマグネシウム含有量は620mgで、アーモンドの約2倍になります。マグネシウムは血液凝固に作用し、欠乏すると細胞内に水分を貯め込みやすくするため、高血圧の方には血圧を下げる効果があります。
ですが、リンを多く含む食品(肉・魚介類・レトルト・加工食品など)を摂り過ぎることによって、マグネシウムの吸収率を下げてしまいます。
ビタミン
ひじきのβカロテン含有量は3300μgです。緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンは、ひじきにも豊富に含まれています。
βカロテンは体内でビタミンAに変換され、活性酸素を抑える働きをします。動脈硬化や心筋梗塞、肥満といった生活習慣病の予防にもなります。
ビタミンAの他には、ビタミンB1・B2などのビタミンB群も含みます。
ひじきの効果効能
便秘と食物繊維
便秘の解消には食物繊維を多く摂る必要があります。食物繊維には水溶性食物繊維と、不溶性食物繊維の2種類があり、ひじきは水溶性食物繊維です。
水溶性食物繊維は水に溶ける性質を持つため、便を柔らかくする働きがあるため、便秘に良いと言われています。
鉄分不足が貧血を招く
ひじきの鉄分含有量が、従来言われていたよりも少ないことがわかりました。とはいえ、鉄鍋で加工されたひじきは今でも鉄分含有量が変わらず高いので、ひじきで鉄分不足を補いたい場合は、原材料の表記をチェックすると良いでしょう。
また、ひじきに含まれる鉄分は非ヘム鉄と言って吸収率が良くないものなのですが、動物性たんぱく質やビタミンCと一緒に摂ると吸収率が上がります。
貧血の症状についてはこちらを参考にして下さい。
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美容・美肌効果
ひじきには、新陳代謝を促す甲状腺ホルモンであるヨウ素が多く含まれています。また、ポリフェノールの一種であるタンニンは美容や美肌にも効果があります。
美肌効果のある食べ物についてはこちらを参考にして下さい。
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ひじきの食べ過ぎでコノ症状が起こる
下痢に注意
ひじきには、セルロースが含まれています。このセルロースが便を柔らかくして便通を促す働きをするのですが、摂り過ぎると下痢してしまうことがあります。
発がん性物質
2004年、英国食品規格庁では、国民に対しひじきを食べないように勧告をしました。これは、ひじきに発がんリスクの高い無機ヒ素が多く含まれていることが分かったからです。
ヒ素は自然界に広く存在する元素です。魚類や海藻類にも多く含まれていますが、これは有機ヒ素と言って身体への影響はそれほどありません。
無機ヒ素は調理法によって減らすことが可能です。水で戻した後にゆでこぼしをすると、乾燥ひじきに含まれる無機ヒ素を9割程度まで減らすことができるのです。
その他の海藻類についてはこちらを参考にして下さい。
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最後に
栄養価が高く、ダイエット食品としても人気の高いひじき。発がん性のリスクが心配されていますが、日本の農林水産省ではひじきによるヒ素中毒の報告はないそうです。
どんな食品にも言えることですが、健康やダイエットに効果的だからと言って、1つの食材ばかりを食べるのはかえって健康に良くありません。栄養のバランスや調理法を工夫しながら食べるようにしましょう。
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