へそが臭いのは病気?【この対策法を試してみて】
<監修医師 吉野 聖奈>
「へその臭いが気になる」「もしかしてへそが臭いのは病気のサインなの?」ふとした瞬間に気になる自分の臭いは、原因を解明しないと不安ですよね。
今回は意外と気になるへその臭いについてご紹介します。
またへその臭いが気になった場合に備えて、対策方法についてもまとめてみましたのでご覧下さい。
へそが臭い原因
汚れ
ほとんどの場合、「へそが臭い」と思ったら、その原因は汚れです。
汗などの皮脂汚れはもちろん、垢やホコリ、さらには身体を洗う際に使用した石けんやボディソープの洗い流し等がひそに蓄積され、雑菌が混ざると悪臭を放つ素となるのです。
特にへそをのぞいてみて、黒っぽい塊いわゆる「へそのごま」がある人は要注意です。それは相当臭い証なんです。
調査によると、大便よりも不潔なんだとか。臭いはずです。
へその皮膚が傷ついている
「毎日きちんとへその手入れをしているのに臭いのはどうして?」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょう。それは実は「手入れのしすぎ」が原因です。
幼い頃、親に「へそを指でいじるとお腹が痛くなるよ」と聞かされた経験がありませんか。実はその通りなんです。
へそは、力を込めてひっかくと簡単に炎症を起こしてしまうほど繊細な部位です。
また薄いへその皮膚の下には内臓をつつんで保護する役割を果たす「腹膜」(ふくまく)があります。へその力を入れすぎるとこの腹膜にも影響を与え、お腹が痛くなるのです。
また炎症を起こしたへそに雑菌が混ざると化膿し、余計に悪臭を放つ汁が分泌されるのです。へそが臭い理由は、この汁が原因かも知れません。
尿膜管遺残(にょうまくかんいざん)
尿膜管遺残とは、へそから尿が漏れたり化膿したりする病気です。大人にはほとんど見られず、新生児や幼児にみられる症状です。
人間は生まれる前の胎児の状態では、お母さんとへその緒で繋がっています。
そしてへそは腸と繋がっており、さらに膀胱(ぼうこう)とも尿膜管で繋がっているのです。
出産後へその緒は切られ、尿膜管も退化して膀胱とへそのつながりはなくなります。
しかしまれに退化が不十分の場合、へそと膀胱とのみちが繋がったままなので、へそから尿が漏れます。これが妙にへそが臭い理由となります。
実は気にしすぎ
驚きの理由ですが、「へそが臭い」と悩んでいる人のうち、実は「特にへそは臭くないのに、本人だけが臭いを気にしているケース」があります。本来自分の臭いに人は鈍感であまり気がつかないものです。
「私、もしかして臭い?」と自覚する場合はほとんど「服の臭い」が原因です。
自分自身の体臭に気がつくことはまれです。
ではななぜ、「へそが臭い」と感じるのでしょうか。へその臭いが妙に気になる場合、ストレスの可能性があります。
精神的な負担で、普段気にならない些細なことが気になることがあります。
もしも毎日へその手入れをしているのにもかかわらず、へその臭いにお悩みの場合は、ストレスも考慮に入れた方がいいでしょう。
へそが臭いときの対策
オイルで洗い流す
友人と昔話をしていた際、「昔、親にへそにオリーブオイル注がれたんだよね」という話を聞き衝撃を受けましたが、調べてみたところ最もへその汚れに効果があるのはこの「オイルで洗う」方法だということが判明しました。
気になるへその汚れはつい「えい」とばかりに指で拭ってしまおうとしがちですが、それでは柔らかくて薄いへその皮膚を傷つけてしまうおそれがあります。
オリーブオイルもしくはベビーオイルなど、皮膚への刺激が少ない天然由来のオイルをへそに直接つけて下さい。しばらく横たわって待つと、やがてへその汚れが浮かび上がってきます。
あとは脱脂綿や綿棒で汚れをすくいとれば綺麗になります。
このとき、無理矢理奥までつっこんでしまうとへそ内部を傷つけてしまいますので、そっと優しく拭って下さい。
クレンジングを使用する
パーツケア用品が充実しているドラッグストアなどでは、「おへそ用クレンジング」が販売されています。ティッシュに染みこませたクレンジング剤でおへその汚れを拭います。
「オイルを身体に注ぐってどうなの?」と思った方はクレンジング剤をご使用下さい。
手術する
へそが臭い理由が「尿膜管遺残」の場合、手術が必要になります。
本来は退化してなくなっているはずの尿膜管が原因ですので、手術によってこの尿膜管を切除するのです。
最近では腹腔鏡(ふくくうきょう)手術が利用されるようになり、傷口があまり残らなくなりました。
皮膚科を受診する
精神的な問題で、臭わないはずのへその臭いが気になることがあります。もしくは病気である可能性もあります。
気になる場合は病院で診察を受けましょう。本当に臭いのか、それとも自分の気のせいなのか、気にしすぎては逆に精神的な負担が増してしまいます。
診察してくれるのは皮膚科ですので、「へそぐらいで大げさな」と思わず、受診してみて下さい。
へそが臭くならないための予防法
毎日のケア
へその臭い対策の基本は「毎日少しづつ汚れを蓄積しないように掃除すること」です。
たまに掃除すると、ついつい力を入れてぐいぐいとへそを拭ってしまい、デリケートなへそを傷つけてしまいます。
毎日少しづつお手入れをすれば、がんこな汚れが溜まることはないので力を入れすぎずにすみ、へそを傷つけません。
お手入れ方法は、さきほどご紹介した「オイルもしくはクレンジングを使用した方法」で十分です。お風呂上がりのお肌のお手入れメニューの一つに加えておきましょう。
ストレスを解消する
ストレスを感じすぎると自分の体臭が妙に気になる場合があります。
臭いに対して妙に敏感になったり、鈍感になったり、感覚がストレスの影響を受けてしまうのは相当お疲れの証拠です。
毎日のストレスは溜め込まないように意識しましょう。最も手軽なのは簡単なスポーツを行うことです。
「スポーツなんかしている時間はない!」という方は、アルマキャンドルを焚いてみたりお気に入りの映画を見たりして、気分転換できる自分なりの方法を見つけておきましょう。
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食生活の改善
へそにたまった皮脂汚れなどがへその臭いの原因です。皮脂汚れが悪化する原因としては「食生活の乱れ」が挙げられます。
ジャンクフードや脂っこい食べ物などばかり食べている人ほど、この皮脂汚れはおおきくなります。
荒れるのは肌だけではなく、汗の性質までかわるのです。ですから、まずは食生活を見直しましょう。
ジャンクフードもいいですが、普段の食事はバランスを考慮して、脂っこいものは極力控えます。へそだけではなく、全身な体臭も改善されますよ。
まとめ
へそが臭うのは、皮脂汚れや流し損ねた石けんカスが原因で雑菌が繁殖したせいでした。
臭うへそのケアにはオイルを使って脱脂綿や綿棒でとるのが一番ですが、やりすぎはへそを傷つけ炎症を起こす危険性があります。
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毎日お風呂のついでにお手入れをするのが一番です。また食生活の改善やストレス解消などが予防策としてあげられます。
へそのにおいが気になる方はぜひお試し下さい。
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