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おへその周りが痛い!【見過ごせない6つの原因】

<監修医師 吉野 聖奈>
腹痛 

おなかが痛いという症状は、体の調子が良くない状態の代名詞のような物です。

おなかは内臓が収まっている場所なので、どの部分の調子が悪いかによって、痛みが生じる部分や深さが異なってきます。

 

その中でも、おへそ周辺(中腹部と呼ばれています)が痛くなるときは、特に様々な原因が考えられます。

今回は、おへそ周辺が痛くなるのは、どのような原因が関係しているのか、解説していきます。

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おへその周りが痛い原因

 

腸炎

腸に炎症が起きた状態で、おへそ周辺や下腹部に物を差し込まれたような鈍痛が生じます。

また、おなかがゴロゴロする、おへその周りが張る、おかゆのような緩い便が出る下痢を繰り返すといった症状が起きることもあります。

 

原因は大きく分けて、細菌やウイルスの感染と、それ以外のものがあります。

腸炎を引き起こす細菌は、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ 菌、カンピロバクター菌、のような食中毒の原因となる菌です。

 

ウイルス性の場合、腸管ウイルスのエンテロウイルスによるものが多いですが、小さい子供の場合はロタウイルスによるものも有名です。

感染以外の原因では、お酒の飲み過ぎ、食べ過ぎ、アレルギーのある物を食べた、などがあります。

 

おへそ周りの痛みに加え、下痢の症状が現れた場合は、腸炎を起こしている可能性を考えましょう。

 

特に、発熱が伴った場合は、細菌やウイルスによる感染症にかかっている可能性があり、血便があるときはO-157などの危険な食中毒のサインです。

 

腸閉塞(イレウス)

突然キリキリとした激痛が起き、吐き気や嘔吐(おうと)を伴ったときは、腸閉塞の可能性があります。

 

腸閉塞は腸の管が塞がってしまった状態で、塞がったとたんに突然激痛が起き、収まってもすぐに繰り返します。おへその周りが張る点も特徴です。

 

原因はいろいろあり、外側から圧迫されたことで腸がねじれて塞がる、食べ物や消化液が詰まる、便秘で便が固まる、大腸がんなどの腫瘍が生じるなどがあげられます。

 

便秘の気がある人や、過去に腸の手術を受けたことがある人、いきなり異常な痛みと吐き気が起きた場合は、腸閉塞を疑ってみる必要があります。

【関連記事】
腸閉塞の手術時間や入院期間!【術後も安心できません!】

 

急性虫垂炎

虫垂炎はいわゆる「盲腸」と呼ばれていた病気です。盲腸は腸の中で右下腹部にある部分で、虫垂はそこから突き出た小さな器官です。

 

急性虫垂炎は、何らかの原因(細菌の感染など)で虫垂に急性の炎症が起きる病気です。へその周囲やみぞおちに突然痛みが生じ、次第に痛みが右下腹へと移っていきます。

 

痛みが強いのですが、吐き気や嘔吐、下痢といった症状はあまり生じません。

放っておくと腹膜などの重要な部分にも炎症が起きたり、虫垂が壊死したりするなど、命にかかわる症状へと発展する危険があります。

 

女性の場合、生理前や生理中におへその周りにチクチクした痛みがあっても、生理痛であると勘違いしがちです。

しかし、いつまでもこの痛みが続いているようなら、大して痛くないと思っても、一度病院で検査してもらうことをお勧めします。

【関連記事】
盲腸(虫垂炎)になる4つの原因!ストレスのせいって本当?

 

胆石症

胆石(たんせき)とは消化液の一種である胆汁(たんじゅう)が固まった石のようなもので、これができることで生じる症状が胆石症です。

 

肝臓で作られた胆汁は胆管という管を通って、胆のうという臓器に貯蔵され、そこから十二指腸に流れこみます。

胆石が最もできやすい場所は胆のうで、次いで胆管、最も少ないのが肝臓です。

 

胆石症の主な症状は痛みで、右の肋骨の下で、差し込むような痛みと、背中に抜けるような痛みが生じます。

しかし、痛みが起きる場所は決まっておらず、おへその周囲、みぞおち、右肩甲骨の下の方、腰の当たりなど、かなり様々です。

 

痛みの種類も、鋭い物や重苦しい物、張った感じのするものなど、いろいろとあります。

もう一つの特徴が発熱で、腹痛と共に38度を超える熱が起きれば、胆石症の疑いを考えましょう。

 

いわゆる「おなかの風邪」と間違うこともありますが、おへその周りを押すと痛い、右肋骨の下だけ硬い感じがするなどの違いがあります。

 

胆管に胆石が出来たときなどは、炎症を起こして胆管炎になり、胆汁の流れが悪くなって肝機能障害がおこることがあるので、早めの対処が必要です。

 

尿膜管遺残症(にょうまくかんいざんしょう)

尿膜管とは、赤ちゃんがお母さんのおなかの中にいるとき、へその緒を通じて栄養や酸素を受け取る管のことです。

 

膿まれた後には用がなくなるために、普通は自然に閉じてしまいます。しかし、まれに残ることがあり、この残った尿膜管に炎症が起きると、尿膜管遺残症を発症します。

 

おへその周りに激しい痛みが生じ、おへそから膿(うみ)ような物が出て悪臭がしたり、発熱を起こしたりします。

治療するには、体の中に残ったままになっている尿膜管を手術で取り除く必要があります。

 

診断や手術は消化器外科や泌尿器科で行ってくれるので、上記のような症状がある場合は、病院を受診しましょう。

放っておくと、再発したりがんの原因になったりするので、早急に対処が必要です。

 

妊娠中の便秘

妊娠しているときには、様々な形で腹痛が発生します。妊娠初期でまだおなかが目立っていない時に、おへそ周りが痛んだときは、便秘の可能性があります。

 

たかが便秘で痛くなるなんてと思いがちですが、妊娠中はホルモンのバランスが崩れるので、便秘にもなりがちです。普段から便秘の気がある人は、注意してみましょう。

 

おなかの中で子供が育って子宮が急激に大きくなると、おへその裏側が引っ張られるために痛みが生じることもあります。

それなら害はありませんが、陣痛の時もあるので、気になるときはお医者さんに診てもらうことが必要です。

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おへその周りが痛い時の対処法

 

下痢を伴う場合

おへその周囲が痛くなった上に、おなかを下している場合は、腸に異常が起きていると考えるべきです。

また、腸に異常が生じたときには、腐った卵とは違う種類の悪臭がするおならが出ます。

 

気を付けるべきなのは便に血が混じっている場合で、O-157などの危険な食中毒の場合があるので、すぐに内科を受診しましょう。

 

仮にそうでなくとも、高齢者や小さな子供の場合は、下痢が続けば脱水症状を起こす危険があるので、症状がひどい場合は病院を受診して下さい。

 

大抵の腸炎の場合、特別な治療法はないので、なるべく症状を抑えつつ腸を安静にするしかありません。

物は食べない方が良いのですが、水分の補給は忘れないようにしましょう。

 

牛乳、果物 ジュース、炭酸飲料などは腸を刺激して下痢を悪化させる可能性があるので、ぬるま湯やお茶を飲むようにします。

症状の強いときは物を食べず、症状が改善してきたなら、刺激の少なく消化が良い物を食べましょう。

 

おなかの調子を整える働きで知られているオリゴ糖は、免疫を活性化させて腸の善玉菌を増やし、悪玉菌を減らす作用があるので、腸炎の予防効果が期待できます。

 

急に痛くなり出した場合

急におへその周囲が強く痛み出した場合には、何らかの病気を疑うべきです。おへその周辺が明らかに張っているときには、腸閉塞の可能性があります。

 

腸炎の時と違い、腸閉塞が起こるとおならは出なくなり、吐き気も伴います。便秘がひどかったり、過去に開腹手術をした経験があったりする方は注意が必要です。

 

以前からチクチクした痛みを覚えていたり、痛みが右下腹部へと移動したりしたときは、急性虫垂炎を警戒しましょう。

 

以前は手術によって虫垂を切除したのですが、虫垂が消火器の免疫機能に関係していることが分かってからは、温存する治療法も行われるようになっています。

 

早いうちなら手術をせずに投薬で治療することも出来ますが、放置し続ければ悪化して非常に危険な状態になります。

女性の場合は生理痛と間違えることがあるので気を付けましょう。発熱を伴い、おへその周りを押すと痛いときは、胆石症の疑いがあります。

 

おなかの風邪と区別がつけにくいこともあるのですが、痛みが出ると病気がそれなりに進んでいるというサインなので、軽視は禁物です。

いずれの病気の場合も、消化器内科に行けば診察してくれます。放っておくと非常に良くないことになるので、急激な痛みが生じたときはすぐに内科を受診しましょう。

 

あまりないですが、痛みに加えておへそから膿のような物が出た場合には、尿膜管遺残症の可能性があります。こちらは消化器外科や泌尿器科の領域になります。

 

妊娠中の場合

妊娠中の女性の場合、初期には便秘の可能性があります。超音波検査で見てもらうと、便が溜まっているかどうかもわかるので、気になるときは相談することを躊躇しないでいましょう。

 

他の病気でないとも限らないので、はっきりさせておく方が健康のためにも、精神的にも良いことは間違いありません。

 

おなかの痛みは体の重要なシステムに異常が生じているサインです。特に、いきなり強い痛みが生じたときは、よくない病気が進んでいるしるしの場合もあるので、気を付けましょう。

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