アネトン咳止めの3つの副作用に注意【この効果に驚き!】
<監修薬剤師 cinnamon>
アネトン咳止めというお薬は、一般用医薬品なのでお近くのドラッグストアで手に入る鎮咳去痰薬です。
風邪やアレルギー、喘息など、咳の出る原因は様々ですが、大事な仕事の場面や夜眠るときに、わざわざ病院へ行かなくても、サクッと手に入りパッと効く市販薬があると便利ですよね。
今回は、アネトン咳止めの効果や副作用などについてまとめていきます。飲む前に知っておきたい、副作用や意外な効果について解説したいと思います。
アネトン咳止めはこんなお薬
アネトン咳止めのタイプは3つ
アネトン咳止めとは、シロップでおなじみの鎮咳去痰薬です。病院で処方されるものとは違い、市販薬としてドラッグストアで手に入る指定第2類医薬品です。
形状は、液剤、錠剤、顆粒の三種類があり、液剤は飲み切りの分包タイプでも購入できます。液剤は、さわやかなレモンティー風味で、いろいろな原因で起きる咳を鎮め、痰の切れをよくしてくれる効果があります。
麻薬性なので要注意
アネトンは脳の延髄というところにある咳中枢に直接作用するお薬ですが、使い続けると禁断症状が出る依存性を持った麻薬性の成分を含んでいます。
麻薬性のお薬は、非麻薬性のものと比べると効き目は強いですが、副作用や依存性があり用法用量を守らなければ重篤な副作用を引き起こしかねません。
アネトンは子どもから大人まで服用できるように調整されている一般用医薬品ですから、飲みやすいお薬であることは間違いありません。しかし、麻薬性の鎮咳薬であることをお忘れなく!
その他の咳止めについてはこちらをみて参考にして下さい。
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アネトン咳止めの成分を見てみよう
コデインリン酸塩水和物
アヘン由来で中毒性や依存性のある成分です。咳中枢に作用し、咳が反射的に出るのを抑える効果があります。
dl-メチルエフェドリン塩酸塩
気管支を拡張する作用と気管支の痙攣を抑える作用により、咳を鎮めてくれる効果があります。
リゾチーム塩酸塩
のどに絡まる痰を溶かして、切りやすくすることで体外へ排出しやすくしてくれます。
クロルフェニラミンマレイン酸塩
花粉症などのアレルギーを抑制してくれる抗ヒスタミン剤の一つです。そのため、アレルギーが原因となって起きている咳を鎮めてくれる効果があります。
無水カフェイン
頭痛、不快感を和らげ、眠気を抑える効果があります。
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セネガ乾燥エキス
気道粘膜の分泌を亢進させ、痰を薄くサラサラにしてくれるため、体外へ排出しやすくしてくれます。
アネトン咳止めの効果
さまざまな咳に効果あり
一言で咳といっても、さまざまな咳があります。
風邪の罹りはじめやアレルギー性鼻炎・気管支炎などにみられる気道の炎症で、咳中枢が刺激され咳が止まらなくなることが多くみられます。この場合は「コホンコホン」という乾いた咳が出ます。
また、風邪のピーク時は「ゴホゴホ」する湿った咳の場合は、痰がからみ気道が狭くなっている可能性があります。
アネトン咳止めは、中枢性の咳止め効果と去痰作用、抗炎症作用の成分を配合しているため、どの症状にも対応してくれます。しかし、喘息による咳に対しては、発作を誘発したり症状が悪化する危険性があるため注意が必要です。
気管支喘息のくわしい症状についてはこちらを見て参考にして下さい。
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覚醒効果やダイエット効果?!
アネトン咳止めには、覚醒作用、興奮作用のある成分が含まれています。そのため、一時の眠気覚ましや集中力アップを期待したり、気分を飲酒時のようなハイ状態にするトリップ効果などを期待して遊び半分で飲むなんて人がいるようです。
この他にも、交感神経の刺激で発汗や代謝アップによるダイエット効果、抑うつ気分を和らげてくれる効果があるなんて評判も…。
液剤はビタミン剤のように気軽に飲めてしまうかもしれませんが、それは危険な行為です。アネトン咳止めは、麻薬性のお薬。大量摂取によって重篤な副作用が出ることもあるのです。
アネトン咳止めの副作用に注意
代表的な副作用は便秘、口の乾き、眠気
アネトン咳止めは鎮咳作用が強く、即効性もありますが、服用後に便秘、口の乾き、眠気症状が現れることがあります。
その他、皮膚や呼吸器などに副作用が出ることがあり、発疹・発赤、かゆみ、吐き気・嘔吐、食欲不振、めまい、動悸、排尿困難などの症状もあります。
これらの症状が持続したり増強するようなら医師または薬剤師に相談する必要があります。
重篤な副作用①アナフィラキシーショック
注意すべきなのは、まれにみられる重篤な副作用です。服用後すぐに皮膚のかゆみや蕁麻疹などの発疹、息苦しさや意識の混濁などがみられた場合は、アナフィラキシーショックの可能性がありますので要注意です。
重篤な副作用②スティーブンス・ジョンソン症候群
高熱や全身のだるさなどの症状に伴い、全身の粘膜や皮膚に紅斑や水疱が多発し、やがて表皮が壊死する恐ろしい症状がスティーブンス・ジョンソン症候群です。そこから進展して重症化すると中毒性表皮壊死融解症になります。
風邪薬や頭痛薬のような市販薬が原因で発症することがあります。高熱、目の充血、唇のただれ、のどの痛み、全身の発疹などがみられた場合は注意が必要です。
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重篤な副作用③再生不良性貧血
青あざ、鼻血、歯茎の出血、発熱、皮膚や粘膜の青白さ、疲労感、動悸、めまいなどの症状が現れたときは、再生不良性貧血の可能性がありますので注意が必要です。
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重篤な副作用④無顆粒球症
突然の高熱、寒気、のどの痛みなどの症状がみられたときは、主に薬剤によって起こる無顆粒球症の可能性がありますので要注意です。
使用上の注意
医師の治療を受けている人、妊婦または授乳中の人、乳児、高齢者、薬剤でアレルギーを起こしたことのある人が使用する場合は、副作用の影響を受けやすいため医師に相談する必要があります。
また、他の薬との飲み合わせも注意が必要です。
例えば、ロキソニンのような解熱鎮痛剤との併用は特に問題ありませんが、アネトンには風邪薬、鎮静剤、抗ヒスタミン剤の成分が既に含まれていますので、他に同様の薬を併用してはいけません。これは成分の重複により過剰服用になってしまうからです。
旅行先での酔い止めや、外出時に鎮咳成分の入ったトローチを舐める…なんていうのもダメですよ。
今回は、アネトン咳止めの効果と副作用についてまとめてみました。
アネトン咳止めは、市販薬として子どもから大人まで服用できるように効果は弱めてはいるものの、麻薬性で副作用のおそれがあるお薬です。使用方法はきちんと守り、副作用の初期症状を見逃さないようにしましょう。
季節の変わり目や風邪、アレルギーなどでやっかいな咳を和らげてくれる頼もしいお薬ですので、効果的に服用しましょう。
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