アモキシシリンカプセル250mgの副作用!風邪の感染症にも効く!
<監修医師 サリー>
アモキシシリンカプセル250mgは、ペニシリン系の抗生物質であり、様々な感染症に使用されているお薬です。
呼吸器科や耳鼻科、内科などたくさんの診療科で処方されています。
しかし、お薬には副作用がある事も念頭に入れなくてはいけません。
今回はアモキシシリンカプセル250mgについて、効果のある細菌、病気、また使用上の注意や副作用まで解説いたします。
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アモキシシリンカプセル250mgとは?
アモキシシリンカプセル250mgは、ペニシリン系の代表的な抗生物質のお薬です。
細菌を殺菌する作用を持ち、細菌が原因の感染症に使用されます。
感染症とは、病原微生物が身体に侵入する事が病気の引き金となります。
感染症の症状である、痛みや発熱、発赤、腫れ、化膿などの症状は身体が病原微生物と戦っている証拠であり、防衛システムです。
しかし、不快な症状であり、放置すると重症化したり回復が遅れたりする恐れがあるので、抗菌薬が処方されます。
アモキシシリンカプセル250mgは、細菌の細胞壁の合成を抑制して細菌を死滅させます。効果がある感染症は多岐にわたります。
その他の抗生物質についてはこちらを参考にして下さい。
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アモキシシリンカプセル250mgで細菌を撃退!
アモキシシリンカプセル250mgでどのような細菌を殺菌、静菌できるのか解説いたします。
ブドウ球菌属
ブドウ球菌は非病原性で常在細菌として、人間の身体の鼻腔内などに存在するものもあります。
しかし、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、腐性ブドウ球菌などは病原性を持ち、感染症を引き起こします。
レンサ球菌属
レンサ球菌属は、グラム陽性球菌であり真正細菌の事です。連なった鎖のような形状をしていることから連鎖球菌と名付けられました。
感染症の原因として特に多い細菌であり、咽頭炎、扁桃炎、リンパ管炎などを引き起こします。また、化膿性疾患や、呼吸器系疾患、口腔内疾患の原因となる場合もあります。
肺炎球菌
肺炎球菌は鼻や喉の奥に付きやすい細菌の1つであり、体調が芳しくない時や疲労時、高齢者や乳幼児などの免疫力の低下等が起きている場合に感染しやすくなります。
肺炎球菌が原因で、感染症や肺炎、髄膜炎、菌血症、敗血症、中耳炎等を引き起こします。
乳幼児では免疫機能が未発達で感染しやすく、高齢者は免疫力の低下により感染しやすくなっています。
また糖尿病や心疾患、呼吸器疾患等の持病をお持ちの方や、免疫抑制剤等の治療を行っている方等が感染しやすい細菌です。
肺炎の症状についてはこちらを参考にして下さい。
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淋菌(りんきん)
淋菌とは、感染する事で主に男性の場合には尿道炎、女性の場合には子宮頚管炎を引き起こします。
そのまま放置してしまうと、身体にどんどん感染が広がり、男性は精巣上体炎、女性は卵管炎、腹膜炎、肝周囲炎等を引き起こす場合もあります。
性行為により感染する細菌であり、最初は自覚症状が乏しいですが、十分に注意が必要な細菌です。
大腸菌
大腸菌は、腸内細菌科に属する菌で、腸内に多数生息しています。大腸菌自体は無害な寄生菌ですが、腸内以外の臓器に侵入した場合には、感染症を引き起こします。
特に食中毒等を引き起こすO157も大腸菌の一種であり、他にも下痢や腹痛等の消化器症状を引き起こす菌が多数あります。
腸球菌属
腸球菌は、腸内に存在する常在菌でグラム陽性球菌であり、病原性は非常に弱い細菌です。ただし、腸内の回腸や口腔、外陰部等から感染する事があります。
健康な方が腸球菌に感染する事はあまりないのですが、持病をお持ちの方や高齢者、乳幼児は免疫力が低下している状態だと感染しやすくなります。
心内膜炎や敗血症、尿路感染症等に感染する可能性があります。
また腸球菌属の中のバンコマイシン耐性腸球菌VREの場合には、抗生物質の効果がほとんどなく、治療が困難で最悪の場合死に至る事もあります。
プロテウス・ミラビリス
真正細菌類腸内細菌科の1属であるプロテウスは、腸内に存在する常在菌です。
通常は感染する事はありませんが、院内感染等で免疫力の低下がある場合には感染する危険性があります。プロテウス症候群という病気もあり、とても危険な細菌です。
インフルエンザ菌
インフルエンザ菌は、主に呼吸器や中耳に感染する細菌の1種です。
インフルエンザが大流行した際に原因菌として考えられた為にこの名称が付きましたが、実際にはインフルエンザの原因はインフルエンザウイルスでした。
ですから、インフルエンザ菌はインフルエンザの病原体ではありません。
ただし感染した場合には、中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎、肺炎等の気道感染症等を引き起こす事が多いです。
2種類の菌の病原性があり、もう1つの病原性では敗血症、髄膜炎、結膜炎、急性喉頭蓋炎、関節炎等を引き起こすものもあります。
中耳炎についてはこちらを参考にして下さい。
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ヘリコバクター・ピロリ
ヘリコバクター・ピロリ菌は、胃粘膜に生息します。ヘリコバクター・ピロリ菌が原因となり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍を発病する事もあります。
免疫が弱い幼少期(5~6歳まで)に感染し常在するようになる菌であるため、幼少期以降での感染はありません。
現在は上下水道設備が整っているため感染者は少ないですが、特に高齢者に多い病気のようです。
梅毒トレポネーマ
梅毒トレポネーマはスピロヘータの1種であり、感染すると梅毒を引き起こします。
感染経路は性行為からであり梅毒は性病ですが、極稀に妊娠中や母子感染による先天性梅毒の子供が生まれる事もあります。梅毒の特徴や症状には4段階あり、早い段階での治療が望まれます。
アモキシシリンカプセル250mgはこんな病気に効く
次にアモキシシリンカプセル250mgで効果のある病気についてです。それぞれの診療分野ごとに記述いたします。
皮膚の感染症
表在性皮膚感染症・深在性皮膚感染症・慢性膿皮症のように細菌が原因の感染症に効果があります。
呼吸器の感染症
扁桃炎・咽頭炎・喉頭炎・猩紅熱(しょうこうねつ)・肺炎・気管支炎などの呼吸器の感染症に効果があります。
目・耳・鼻の感染症
涙嚢炎(るいのうえん)・麦粒腫(ばくりゅうしゅ)・外耳炎・中耳炎・副鼻腔炎等の目・耳・鼻の感染症に効果があります。
消化器疾患
胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ菌の感染症に除菌の補助的な役割や治療に用います。
泌尿器・尿路の感染症
腎盂腎炎・膀胱炎・尿道炎・前立腺炎・子宮内感染などの泌尿器・尿路の感染症にも効果があります。
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歯・口腔の感染症
歯槽骨炎・歯周組織炎・智歯周囲炎(ちししゅういえん)・抜歯後感染・顎炎などの感染症にも効果があります。
性感染症
梅毒・淋病などの性感染症にも効果があります。
細菌による感染症
乳腺炎・細菌性心内膜炎・腹膜炎・敗血症・骨髄炎などの細菌による感染症にも効果があります。
アモキシシリンカプセル250mgにも副作用はある
このように様々な感染症や病気に効果のあるアモキシシリンカプセル250mgですが、お薬には副作用が出る事がある事も念頭に入れておかなくてはいけません。
何かいつもと違うと感じた時には、まず医師にご相談ください。
下痢・吐き気・腹痛・食欲不振・悪心
副作用として下痢・吐き気・腹痛・食欲不振・悪心などの胃腸の症状が現れる事があります。
アモキシシリンカプセル250mgが腸内の細菌に抗菌、静菌的に働いて、腸内環境のバランスが崩れてしまう事があります。
発疹・かゆみ
発疹・かゆみなどの皮膚症状が現れる場合があります。
皮膚常在菌のバランスが崩れや、アレルギーで起きている可能性もあります。
アナフィラキシーショック症状
アモキシシリンカプセル250mgが合わなくて、蕁麻疹・全身発赤・顔や喉の腫れ・息苦しさ・冷や汗・顔面蒼白・手足の痺れ・頻脈・血圧低下・意識低下などアナフィラキシーショック症状が現れる危険性があります。
大腸炎
激しい腹痛・下痢・発熱・血便・下血などの症状が現れる危険性があります。
急性腎不全
むくみ・尿の濁り・血尿・頻尿・残尿感・尿が出ない・倦怠感・吐き気・頭痛・喉が渇く・痙攣・血圧上昇などの症状が現れる場合は急性腎不全の可能性があります。
血液障害
発熱・喉の痛み・口内炎・貧血・倦怠感・皮下出血・鼻血・歯肉出血などの出血傾向が現れた場合には、重い血液成分の異常が起きている危険性があります。
皮膚・粘膜障害
発疹・発赤・水ぶくれ・膿・皮が剥ける・皮膚の熱感・痛み・かゆみ・唇や口内のただれ・喉の痛み・目の充血・発熱・倦怠感などの症状が現れる場合があります。
肝臓の症状
倦怠感・食欲不振・吐き気・発熱・発疹・かゆみ・皮膚や白目が黄色くなる黄疸・尿の色が茶褐色になるなど、副作用として肝臓の重い症状が現れる場合があります。
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間質性肺炎・好酸球性肺炎
副作用として、空咳・息苦しさ・息切れ・痰・発熱などの間質性肺炎・好酸球性肺炎の症状が現れる危険性があります。
これらの症状以外にも、内服後に異変を感じたら直ちに服用をやめ病院を受診するようにしてください。
アモキシシリンカプセル250mgの使用上の注意をしっかり理解して
必ず医師の指示を守り、原則食後にコップ1杯程のお水で経口服用をします。
成人や小児、年齢、性別で服用量が異なりますので、間違えないように注意してください。
小児の場合には細粒が処方される事があります。
また感染症や病気の症状に合わせた服用量や服用回数になりますので、必ず医師の指示を守りましょう。
下痢の副作用が多い事から、整腸薬が一緒に処方される事がありますので、医師の指示を守って服用してください。
肝臓・腎臓・胃腸・血液障害・全身状態不良の方・フェニルケトン尿症などの持病のある方は病状の悪化を招くことがあり、妊婦さんは胎児に悪影響を及ぼす危険性もありますので、特に注意してください。
また高齢者は副作用が現れやすい為、必ず医師の指示通り服用してください。
アモキシシリンカプセル250mgは飲み合わせに要注意が必要
アレルギーを起こしやすい人や、今までにお薬でアレルギー症状が現れた事がある場合は必ず医師に伝えてください。
また喘息・蕁麻疹・腎臓病などの持病のある方は、副作用が現れやすいですので、必ず事前に医師に伝えてください。
抗血栓薬のワルファリンをいつも服用されている方は、アモキシシリンカプセル250mgと併用する事で、ワルファリンの作用が強く現れる危険性がありますので、必ず事前に医師にご相談ください。
避妊薬を使用している方は、併用する事で避妊薬の効果が弱まる事があります。
医師に決められた服用方法を必ず守り、指示された期間きちんと服用してください。
自己判断で止めてしまう事で、再発する場合もあります。また服用後、症状が悪化する場合にはお薬が合っていない事も考えられますので、早めに病院を受診してください。
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