ミグシスは飲み合わせに要注意【効果や副作用も詳しく解説 】
<監修薬剤師・食生活アドバイザー 藤沢 淳司>
日常の生活の中で体調変化には気を付けている方も多いと思います。食事や運動などといった事に気を配って、規則正しい生活をしている方にでも予測できない体調不良があります。
そんなときに内服する薬は注意が必要なものも沢山あります。今回はミグシスという薬の効果や副作用に加えて、飲み合わせなどの要注意事項を詳しく説明していきます。
気になる所から確認してみよう
ミグシスは偏頭痛の予防薬です
ミグシスとはどういった薬かというと、偏頭痛に効く薬です。日頃からことあるごとに頭痛に悩まされている方や、気圧の変化によって雨が降る前になると痛みを感じることもあると思います。
市販薬でも頭痛薬などの鎮痛薬はバファリンやルナなどがあります。
しかし、このミグシスという薬は痛みを感じたときに内服するのではなく、毎日飲み続けることによって頭痛が起きないようにする予防薬の様な薬です。
食後や食前、食間などの内服のタイミングが決められている頓服薬は、薬が原因で頭痛を感じる事があります。
ミグシスを内服する事で頭痛を予防すると同時に、頓服薬の量を減らすことが大切になってきます。
市販薬ではなく、医療機関で処方される頭痛薬にはトリプタン系薬剤の薬があります。ミグシスはトリプタン系薬剤よりも安いため、安くて効き目のある薬です。
では、偏頭痛とはどういったものでしょうか?経験したことのある方もいるとは思いますが、頭痛は血管が影響して起こります。
脳の血管が広がるだけでは痛みが起きることはありません。血管が広がってしまう原因となるのは、ストレスや寝不足、眠りすぎです。
偏頭痛を慢性的に持っている方に女性が多いことから、女性ホルモンが原因である可能性もあると示唆されています。
頭痛が起きる前に目が見えにくくなるような閃輝暗点という症状が現れることがあります。
偏頭痛は頭痛だけが症状ではなく、吐き気や嘔吐の症状を伴うこともあります。そのため、慢性的に偏頭痛や重い症状によって普段の生活に支障がある場合に使用されます。
偏頭痛が起きた場合には運動や入浴は控えて、なるべく安静にしていてください。
ミグシスの作用のポイントはカルシウム
ミグシスは血管壁の細胞にカルシウムが流入するのを防ぐ働きがあるため、このことよりカルシウム拮抗薬と言われています。
偏頭痛が起きるのは何らかの原因で脳の太い血管が拡張し、その周囲を取り巻いている頭の中で神経が圧迫されて刺激を受けます。
刺激を受けた神経は痛みの原因物質が分泌され、血管の周りに炎症が起こります。それによってさらに血管が拡張し、神経が刺激されます。
この刺激が脳に伝わり、痛みであると知覚されることで、頭痛が起きます。その他に血管を拡張させてしまう原因で、セロトニンの過剰な分泌があります。
ストレスや不眠によってセロトニンが分泌されることで、脳の血管が収縮し、収縮していた血管が今度は反動で急激に拡がることで、頭痛が起きます。
そもそも、血管の収縮にはカルシウムが欠かせません。血管壁細胞にカルシウムの流入が起きることで血管が収縮してしまいます。
そのため、カルシウムが流入しないようになる事で偏頭痛を予防出来ます。しかし、頭痛がある状態では血管収縮作用を抑えようとしてもあまり効果がないことがあります。
片頭痛と偏頭痛に違いはあるの?
これまで偏頭痛について説明してきましたが、漢字で変換すると偏頭痛と片頭痛と2種類あるのは知っていますか?意味が違うのでしょうか?
実は偏頭痛と片頭痛の2種類に違いはありません。意味はどちらも一緒ですが、医学的には片頭痛が使われています。
「片」はかたほう、「偏」はかたよったという使われ方ですが、どちらも正しいとされています。
頭痛には一次性頭痛と二次性頭痛の2種類があります。慢性的な頭痛である緊張型頭痛、群発頭痛は月の半分以上、持続する頭痛のことです。
鎮痛薬を継続して服用している場合も一次性頭痛になります。二次性頭痛は脳出血や脳腫瘍など、病気が原因として起こる頭痛のことです。
病気が原因ですのでいつもの頭痛と違う場合には病院を受診するようにしてください。偏頭痛は慢性頭痛の1つです。
飲み合わせによる影響のある薬とない薬
薬には飲み合わせによって影響のある薬と影響のない薬があります。ミグシス服用中に特に注意しなければいけない薬剤を挙げます。
降圧剤
血圧が高い方に処方される薬で、血圧を下げる働きがあります。
降圧剤と一緒に内服したことによって、作用が強まる可能性があります。降圧剤と併用するときは、血圧の下がりすぎに注意してください。
利尿剤
腎臓の働きが悪い場合、尿が出なくなることがあります。腎臓は尿量や体のバランスを調整する働きがあります。
利尿薬は調節機能が働かない場合に水分を体外に排出する作用があります。
血管拡張剤
血管拡張剤はミグシスと同じ働きです。血管を拡げることで、血圧を下げて、心臓への負担を軽くする作用があります。
風邪薬
風邪薬はちょっとした調子が悪いような時でも内服してしまいますが、ミグシスと一緒に内服する事で作用が増幅されてしまいます。
ロキソニン
ロキソニンは痛み止めとしてよく内服される薬ですがミグシスとは相性が良くありません。他の解熱鎮痛薬でも同じような事が言えます。
また、人によってはチーズや赤ワイン、ビール、チョコレートなどが原因となって作用を大きくさせてしまうため注意が必要です。
ミグシスの服用が適さない人
ミグシスを飲む際に注意しなければいけない場合があります。以下に箇条書きにします。
✅ 脳卒中の急性期
✅ 妊娠中
✅ ミグシスの成分にアレルギーがある人
✅ 重い肝臓病
✅ 不整脈
✅ パーキンソニズム
✅ うつ状態
このように適さないのには理由があります。
症状を悪化させる可能性や、ショックを起こす場合、妊娠している方にとっては、動物実験において奇形を起こす可能性があるため、注意が必要です。
ミグシスにも少ないが副作用がある
ミグシスは少ないですが副作用があります。軽度な副作用と重度な副作用の2つに分けて説明します。
軽度な副作用
軽度な副作用は以下のような症状があります。
✅ 眠気
✅ めまい
✅ ふらつき
✅ 吐き気
✅ ほてり
他の薬でも同じような症状があります。少しでも異常を感じた場合には、直ちに内服を止めるようにしてください。
重篤な副作用
重篤な副作用として以下のような症状があります。
✅ 錐体外路障害
手足のふるえ、こわばり、無表情、動作緩慢、歩行異常、じっとできない、体が勝手に動く、舌のもつれ、口周辺が動く
✅ 抑うつ
気分が落ち込む、やる気がでない、悲観的、不安感、不眠
症状が現れたような場合は直ちに内服を止めてください。場合によっては病院を受診してください。
※ここでちょっと…ミグシスの用法
通常は1回5mgを1日2回、1日の最大量は20mgです。ただし、症状によって薬の量が変わることがありますが、医師の指示を守ってください。
ミグシスは普通の薬と違って症状が出たときではなく、症状が起きないように予防薬として用います。
良い面もありますが薬ですので細心の注意が必要になってきます。いつもと違う頭痛を感じ取った場合にはなるべく早く病院を受診するように心がけてください。
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