イエダニの2つの症状や特徴【この薬を試してみて!】
<監修医師 田中 恵文>
寝ている間など、気付かないうちに刺していくダニ。
今日ご紹介するのはイエダニという種類のダニです。イエダニはネズミや鳥の巣に寄生するダニで、刺されると激しい痒みがでることが特徴。想像しただけでムズムズしてきそうですね。
今回は、イエダニに刺された時の症状や対策など、様々な視点から解説していきたいと思います。
イエダニの特徴
ダニは世界になんと2万種類以上もいると言われています。そのうち、日本に生息するダニは1000種類ほど。意外と多いですね。
ダニというと、人を刺すというイメージが強いかもしれませんが、すべてのダニが人を刺すわけではありません。家の中でダニに刺されたという時には、今回ご紹介するイエダニか、ツメダニである可能性が高くなります。
対して、屋外で有名なのはマダニ。主に、森林や山の中、草むらなどに生息しています。
イエダニは0.6~1.0mmほどの楕円形をしていて、ギリギリ肉眼で見ることができる大きさです。色は淡褐色。吸血をすると赤褐色になります。
イエダニはネズミや鳥の巣に寄生するダニで、もとはネズミに付いて吸血を行っています。しかし、ネズミが巣を捨てたり死んだりすると、ネズミの巣から出てきて人を刺すようになるのです。
現在ではネズミが住み着く家も減り、イエダニの被害も少なくなりましたが、それでも学校やオフィス、倉庫などでは注意が必要です。
イエダニが多く発生するのは6~9月の夏場。メスは吸血をすると2~3日で産卵します。一度に産む卵の数は20個ほどで、それが2週間ほどで成虫に。寿命は2~3か月と言われています。
ツメダニについてはこちらを参考にして下さい。
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イエダニに刺された!2つの症状
ダニ・ノミ・蚊 どれに刺された?
ふと痒みを覚えて見てみたら虫に刺された痕跡が。その時に「ダニに刺された」とすぐ判断するのは意外と難しいのではないでしょうか。家の中で虫に刺された時に考えられる、ダニ・ノミ・蚊の違いを以下にまとめます。
✅ ダニ:衣類を着ているところ。お腹や太ももの内側、腕の内側などの柔らかい部分を刺す。
✅ ノミ:飛ぶことが特徴。そのため刺す部分は飛び跳ねて届く範囲(膝下)であることが多い。
✅ 蚊:肌が露出しているところを主に刺す。蚊取り線香で刺されなくなるなら蚊の可能性が高い。
イエダニは男性よりも、女性や子供が刺されることが多いそう。
イエダニに刺された時の症状
✅ イエダニに刺されると、1~2日で激しい痒みに襲われ、それが1週間ほど続きます。その痒さは大人でも我慢ができないほど。痒みと一緒に痛みを感じる場合もあります。
✅ 痒みと共に現れるのが湿疹。赤い斑点状のもので最大で2cmほどのものが現れます。酷い時にはそれが水ぶくれになることも。
稀ではありますが、刺すという行為によって、人間の体内に感染症の病原体を入れることもあるので注意が必要。可能性としてはペスト(黒死病)、発疹熱、リケッチア性痘疱などが考えられます。
マダニにも注意!
屋外でダニに刺されたという時に、まず考えられるのがマダニの仕業です。
マダニは体長2~3mmほどですが、吸血すると1cmほどにまで膨れます。キャンプなどをしている最中にふと見たら、ダニが皮膚に食い込んでいた、なんてことも。
マダニに刺されると、以下のような症状が出ます。
✅ 発熱
✅ 下痢 ✅ 嘔吐 ✅ 腹痛 ✅ 意識障害 ✅ 痙攣 ✅ 昏睡 ✅ 呼吸不全 |
ダニに刺されただけで、このような症状が出るとは怖いですね。
他に「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」という感染症が心配されます。これは致死率が33%にもなり、最近話題の蚊によるデング熱よりも怖いと言われています。
マダニに刺された場合は、すぐに皮膚科を受診しましょう。中には、刺した後1週間ほど、皮膚に留まって吸血を続けることもあるそう。
無理に引きはがそうとすると牙が皮膚の中に残ってしまい、そこから感染症にかかってしまうこともあります。少し気持ち悪いかもしれませんが、そのまま病院へ行くようにしてください。
また、マダニはペットに寄生することも。犬や猫、うさぎなどを飼っている人は少し注意してあげてください。
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イエダニの二次感染に注意
イエダニに刺されると痒みがとても強いため、無意識のうちに掻き毟ってしまいます。しかし、それにより皮膚に傷が付くと細菌が入り込み、感染症を起こすという二次被害も考えられます。
もちろん、掻かないに越したことはないのですが、それがなかなか難しいところ。痒みが強い時には、抗炎症作用のある塗り薬を使用しましょう。
抗炎症というとヒスタミンのイメージですが、ダニに刺された時には効果が見られないことがあります。軟膏を選ぶ時は、ステロイド配合のものを選ぶようにしましょう。
市販薬でおススメは、ムヒアルファEXや液体ムヒ、ウナコーワシリーズなど。他の虫刺されや、蕁麻疹などの皮膚炎にも効果が見られるので、家に一つは常備しておくと安心ですね。
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イエダニの駆除方法
ネズミ退治
イエダニはネズミや鳥の巣に寄生します。まずは、ネズミが家に住み着かないようにすることが大切。巣を見つけたら撤去、焼却するようにしてください。
鳥の巣に関しても同じ。家の周りやベランダに巣を作らせないように気を付けましょう。
ダニ退治
イエダニ自体は、市販の殺虫剤で対応できます。イエダニが好むのは、床の割れ目や天井、家具の裏などの、狭くて暗いところ。スプレータイプでも良いですが、噴霧タイプや燻煙タイプも効果的です。
また、ダニは布団やベッド、ソファなどにも多く住み着きます。最近では布団専用の掃除機もたくさん登場しています。
それを使ったり、布団乾燥機などでまんべんなくダニの駆除を行うことも重要。目安としては、最低でも週に2回は行いたいところ。
ダニシートというものもあります。これは粘着性のシートで、布団の上に置くことでダニを捕獲します。ダニの死骸や糞でもアレルギーを起こすことがあるので、掃除機をこまめにかけて吸い取るようにしましょう。
ちなみに、布団やシーツを洗濯してもダニは死滅しません。ダニは1日水に浸けていても生きているそう。
アロマ&ハーブで虫よけスプレー
天然のエッセンシャルオイル(精油)には、虫よけ効果のあるものが多くあります。アロマ好きの人は、家にあるエッセンシャルオイルを使って、オリジナルの虫よけスプレーを作ってみてはいかがでしょう。
材料は、無水エタノール、精製水、エッセンシャルオイルの3つだけ。無水エタノールと精製水を1:9の割合にして、そこにエッセンシャルオイルを1%の割合で混ぜます。
虫よけ効果のあるエッセンシャルオイルには、以下のようなものがあります。ダニ以外にも、蚊やゴキブリにも効果があるので、ぜひ試してみてください。
✅ ローズマリー
✅ ハッカ
✅ スペアミント
✅ ゼラニウム
✅ シナモン
✅ クローブ
特にダニに対しての効果が期待できるものには、以下のようなものがあります。
✅ レモンユーカリ
✅ シトロネラ
✅ ベチバー
ただし、3歳未満の子供や妊婦さん、敏感肌の人は、肌に直接スプレーすることは避けましょう。
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