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活字中毒ってどういう意味?【中毒者特有の症状を詳しく解説】

<監修医師 まっちゃん>

時間 

今回は「活字中毒」がテーマです。本をあまり読まない人にとっては、活字中毒と聞いてもピンとこないかもしれません。

 

反対に1ヶ月に何冊も本を好んで読む人にとっては、「自分はもしかして活字中毒なのでは」と不安に思うかもしれません。

 

そこで、活字中毒とはどんな状態のことを指すのか、症状、活字中毒によるメリット、デメリット(注意点)などについて説明していきます。

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病気と違う活字中毒の意味とは

 

活字中毒とは

まず、活字中毒とはどんな状態のことを指すのかについてです。

 

活字中毒とは、「文章(活字)に対する執着の程度が強い状態」を言い、「文章(活字)に対する執着心が強い人」のことを活字中毒者と言います。

 

活字への執着が強いために、文章の書いてあるもの(小説、雑誌、漫画、新聞などジャンルは問いません)などが手元にないと落ち着かない、不安になる、イライラする、やらなければならない他のこと(仕事、家事、勉強、人との約束など)をやらずに読書をしてしまうなどといった症状が見られます。

 

活字中毒と似たその他の○○中毒

○○がないと気持ちが不安定になる、他のことをやらずに○○をしてしまうという活字中毒に似たものはいくつかあります。

 

例えば、テレビ中毒、インターネット中毒、仕事中毒(ワーカホリックとも言います)などが当てはまります。

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活字中毒者の6つの症状

 

ここでは、活字中毒者に見られるいくつかの症状について説明します。特に小見出し5や6に当てはまる人は、生活に支障を来しつつあるため注意しましょう。

 

どこにでも本を持参する・持参しないと落ち着かない

外出先でちょっとした空き時間があれば本を読みたいという気持ちから、必ず本を持参します。本(活字)がないと、落ち着かなくなります。

 

手元に本がなければ、本(活字)を探し回る

もし、手元に本がないと分かると、精神的に不安定になるため、本(活字)を求めて探し周ります。この探索行動は、ニコチン中毒やアルコール中毒にも見られる症状です。

 

探索行動によって、そのときのその人にとってはあまり関係のないものであっても、活字であれば読み漁ってしまいます。

 

例えば、食品や薬品の成分表や注意書き、辞書、古い新聞や広告などです。関係はなくても、活字に触れていることで気持ちが安定するためです。

 

図書館や書店に1日中でも滞在できる

活字中毒の人は、活字の宝庫である図書館や書店であれば、時間を忘れて何時間でも滞在できます

 

ちょっとした空き時間に図書館や書店に足を運ぶだけでなく、旅行先で書店に立ち寄ることもあります。これは、旅先ならではの本を探すためだと言われています。

 

読み終わった本を繰り返し読むことができる

本の結末が分かっていても、何度でも繰り返し読み返してしまうのが活字中毒の人の特徴の一つです。

 

置き場所に困るほどの本が自宅にある

中毒の度合いが強くなると、経済的に困っても本を購入してしまいます。そのため、自宅には置き場所に困るほどの本があります

 

それ以外では、図書館からできるだけ多くの本を借りて来ます。

 

読書に熱中しすぎて、他の用事に支障が出る

「ちょっとだけ」と思いつつ何時間でも読書に熱中してしまうため、勉強、仕事、家事、育児、家族や友人との約束事など、本来であれば読書よりも優先度の高いものが後回しになってしまいます

 

この傾向が強くなると、社会生活や人間関係が破綻してしまいます。

 

また、睡眠や食事、入浴、排泄など自身が生きていく上で必要なこともつい後回しにしてしまいます(トイレに本を持っていくという人もいます)。

 

そのため、睡眠不足、栄養バランスの悪い食事になることもあります。

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活字中毒は決して悪いことではない

 

活字中毒によって生活に支障を来たしている場合は、注意しなければなりません。

 

しかし、本来、読書家や本の虫というのは決して悪いことではありません。そこで「本が好き」なことによるメリットについてまとめます。

 

知識や教養が増す

読書によって様々な知識を得ることができ、それは自分の教養となります

 

日々の生活において、何か問題が生じたときでも、知識や教養が多い方が問題解決能力(対処する能力)は高くなることが多いものです。

 

例えば、知識や教養が狭いと自分のモノサシ(ものの見方・捉え方・考え方)でしか、相手を見ることができません。

 

ちょっとしたことで、イライラしたり、落ち込んだり、悲しくなったりと感情が乱れてしまうことがあります。

 

しかし、読書によって「そうか、こんな考え方もあるんだ」という発見があれば、より広いモノサシで相手を見ることができるようになり、以前よりは心穏やかに社会生活や家庭生活が送れるようになるかもしれません。

 

思考力・創造力・表現力が増す

学生時代に国語が得意な人は、読書を好んでするという人が少なくない印象でした。

 

これは、本がテレビやインターネット動画よりも国語に必要とされる思考力、創造力、感受性、表現力などを養うには優れているためではないかと思います。

 

というのは、テレビやインターネット動画の場合、映像をそのまま情報として脳が受け取るため、受動的に感情が動かされます。

 

これに対して、本の場合は文字から映像に脳で情報を変換しなければなりません。

 

つまり、登場人物の心理を自分で思い浮かべて映像化する、情景を自分で想像して映像化する、などです。そのため、本の場合の方がより能動的に感情が動かされます

 

集中力が増す

本の内容を理解するためには、ある程度、読書するという一つのことに集中しなければなりません。そのため、継続的に読書をすることは、集中力アップにつながります。

 

実際に、小学校や中学校の始業前の短い時間(15分から30分程度)だけ読書時間に当てたところ、児童・生徒の学力がアップしたという報告もあります。

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注意!活字離れが急増中

 

さて、ここまで活字中毒について説明してきましたが、ここでは反対の「活字離れ」についてまとめます。

 

活字離れとは

実用日本語表現辞典やウィキペディアによると、活字離れとは、新聞や書籍などの紙に印刷された媒体を以前よりも読まなくなることを指します。

 

したがって、電子書籍で小説などを読むことは「活字」には当たらないようです。

 

すべての世代で活字離れは進んでいる

テレビだけでなくパソコンやスマホ、タブレットなど持ち運び可能な端末の普及により、いつでも好きな時間に電子書籍、ゲーム、音楽などを楽しめるようになりました。

 

これによって、若者だけでなく、すべての世代において活字離れの傾向は強まっていると言えるでしょう。

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活字中毒度をセルフチェック

 

ここでは、活字中毒度をセルフチェックしてみましょう。

 

チェックリスト①

ここで紹介するチェックリストは、アメリカの精神医学会が作成している診断基準(DSM-5)の中の「インターネットゲーム障害」を独自に活字中毒版に修正したものです。

 

以下の7つの項目のうち、5つ以上に当てはまると活字中毒度の度合いが強いと言えます。

1. 満足感を得るために、読書に費やす時間を段々長く取らなければならないと感じる。

2. 読書する時間を制限したり、完全にやめようとしても、上手くいかなかったことが度々ある。

3. 読書時間を短くしたり、完全にやめようとしたとき、落ち着かない、不機嫌になる、落ち込む、イライラなどを感じる。

4. 読書開始時に予定していたより、長時間読書をしていることがある。

5. 読書のために大切な人間関係、学校、仕事などを台無しにしたり、危うくするようなことがある。

6. 読書に熱中しすぎていることを隠すために、家族や学校、職場などの人に嘘をついたことがある。

7. 問題から逃げるため、あるいは絶望感、罪悪感、不安感、落ち込みなどの嫌な気持ちから逃れるために読書をする。

 

チェックリスト②

もう一つ、アメリカのキンバリー・ヤング博士によって開発されたインターネット依存度テストを独自に活字中毒版に修正したものです。

 

以下の20の質問項目について、「全くない」は1点、「稀にある」は2点、「時々ある」は3点、「よくある」は4点、「いつもある」は5点とします。合計点が70点以上であればかなり活字中毒度が高く、40点から69点はやや活字中毒度の傾向があり、39点以下は平均的な読書家です。

 

1. 気づくと、思っていたよりも長時間読書している。

2. 読書時間を増やすために、家庭や仕事での役割をおろそかにすることがある。

3. 配偶者や友達と過ごすよりも、読書を選ぶことがある。

4. 読書で新しい仲間を作ることがある。

5. 読書時間が長いと周囲の人から文句を言われたことがある。

6. 読書時間が長くて学業や学校の成績に支障を来たすことがある。

7. 他にやらなければならないことがあっても、読書をすることがある。

8. 読書のために、仕事や学業の成績や効率が下がったことがある。

9. 人に何を読んでいるのかと聞かれた際に、防御的になったり、隠そうとしたことがある。

10. 日常の心配事から気をそらすために、読書で心を鎮めることがある。

11. 次に読書するときのことを考えている自分に気づくことがある。

12. 読書のない生活は、退屈でつまらないものだろうと恐ろしくなることがある。

13. 睡眠時間を削って、夜中まで読書をすることがある。

14. 読書をしていないときでも、読書のことばかりを考えたり、読書する場面を空想することがある。

15. 読書しているとき、「あと数分だけ」と言っている自分に気づくことがある。

16. 読書時間を減らそうとしても、できないことがある。

17. 読書時間の長さを隠そうとすることがある。

18. 誰かと外出するよりも、読書を選ぶことがある。

19. 読書をしていないと憂うつになったり、イライラしていても、読書を再開すると嫌な気持ちが消えてしまう。

20. 読書中に誰かに邪魔をされると、イライラしたり、大声を出すことがある。

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活字中毒者が注意すべき5つの行動

 

最後に、活字中毒の度合いが強い人ほど陥りがちな弊害についてまとめます。

 

睡眠不足になりがち

見出し5のチェックリスト②にもありますが、睡眠時間を削ってでも読書に当ててしまうのが活字中毒者です。

 

睡眠不足の状態が続くと、短期的には集中力や注意力の欠如に陥ります。

 

長期的には高血糖や高血圧、免疫力の低下などを招くため、できれば7時間程度の睡眠時間は確保するように注意しましょう。

 

運動不足になりがち

基本的に読書は座ったり、寝そべった状態でしている人が多いのではないでしょうか。そのため、読書時間が長くなると、日常生活の活動量が低下しがちになります。

 

読書する時間は連続して○分までと決め、タイマーをセットし、時間が来たらストレッチなどでも構わないため、軽く体を動かすようにしましょう。

 

姿勢が悪くなりがち

長時間同じ姿勢で読書することが多い人は、猫背気味になり、姿勢が悪くなります。

 

そればかりでなく、肩こりや首こり、腰痛、頭痛などの不調も多くなります。こまめに姿勢を変えたり、体を動かすようにしましょう。

 

食事のバランスが悪くなりがち

読書に夢中になるあまり、食事をするのを忘れたり、出来合いのものばかりを食べるようになると、栄養バランスが偏ってしまうことがあります。

 

とくにタンパク質、食物繊維、ビタミン、ミネラル類はつい不足してしまいがちです。

 

これらが不足すると疲れやすい、疲れが取れにくい、だるい、便秘などといった様々な体の不調につながるため、注意しましょう。

 

外出が減りがち

活字中毒の度合いが強くなると、(本が手元にある)自宅の方が居心地が良く、つい引きこもりがちになります。

 

休日は書店や図書館でも構わないため、運動不足解消のためにも外出するようにしましょう。

  当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。

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