Sponsored Link

食あたり発症までの時間や菌ごとの症状を知っておこう!

<監修医師 吉野 聖奈>
1

「お腹が痛い」という経験、誰もがあるかと思います。

でも、そのお腹の痛みって大体想像できるときもあれば全く意味不明の場合もありますよね。

 

中でも食あたりは腹痛を感じた際、真っ先に思い浮かべる原因です。

 

そこで今回は食あたりの場合、発症するまでにどれくらいの時間がかかるのか、またどんな種類や症状があるのか調べてみました。

知っておくといざという時役に立ちますので、ぜひご覧下さい。

スポンサーリンク
 

食あたりを起こす菌の種類

 

食あたりは食中毒とも呼ばれ、細菌やウイルスが原因の場合の他に、ふぐや毒きのこ由来の食あたりも含まれます。

 

さらに洗剤を十分にすすぎ終わっていないコップで飲み物を飲んで具合が悪くなる場合など、化学物質を何らかの原因で口に含んでしまっても食あたりと呼びます。

 

今回は特に、食あたりを引き起こす菌をご紹介しておきます。

2

ノロウイルス

秋冬になると集団食中毒として流行するものの代表格です。

ノロウイルスに感染された食べ物が発生源ですが、ノロウイルスに感染した患者の吐瀉物や便からも感染が拡大します。

 

疑わしい症状が出た患者の吐瀉物や便を掃除する場合は決して素手で行わないようにしましょう。

 

必ずゴム手袋をはめ、ゴミは二重袋にして処分し、アルコールや塩素系洗剤で消毒しておきましょう。

 

後処理を担当した人も、念入りに手洗いうがいを心掛ける必要があります。

【関連記事】
ノロウィルスの検査方法は検便?費用についても解説!

 

サルモネラ菌

卵に付着している菌として有名です。というのもサルモネラ菌は家畜(鶏、豚、牛など)の腸管や河川・下水に分布しているため、鶏の卵は感染している可能性が高いのです。

 

特に加熱が十分ではないオムレツや、昨今話題になっているレバ刺しなどから感染が拡大することが多い菌です。

 

病原性大腸菌

人間や家畜の糞尿、下水の他、土壌そのものに含まれていたり、自然界に広く分布している菌です。

 

基本的には病原性大腸菌に何らかの理由で侵された食べ物と、他の食べ物を一緒にしておいたせいで感染が拡大することが多いです。

 

赤痢菌

赤痢菌は日本人が世界で最初に発見した菌です。人も家畜も等しく感染し、発展途上国では多く見られる食あたりの原因です。

 

先進国である日本では最近の患者数こそ少ないですが、根絶されているというわけでもありませんので、警戒が必要です。

 

チフス菌

昭和初頭から終戦直後まで日本国内で猛威をふるった食中毒の最近ですが、現代日本では患者数が大幅に減少しています。

 

ただし海外旅行から帰ってきた人に感染例が多いので油断は禁物です。

 

腸炎ビブリオ

魚介類に多く見られる食あたりの原因です。何故なら腸炎ビブリオは海水(塩分濃度3%)を非常に好む性質があるからです。

 

刺身や寿司、きちんと処理されていない漬け物(一夜漬けなどの浅漬け)を食べた後に食あたりを起こしたら、腸炎ビブリオの仕業とみて間違いないでしょう。

 

黄色ブドウ球菌

おにぎりや弁当によく見られる食あたりの原因です。

 

ほこりなど環境に依拠する菌ですが、人間の鼻腔や皮膚、喉、傷口などに菌は分布しています。

怪我をした手で食べ物に触れる作業を行う人は特に注意が必要です。

スポンサーリンク

食あたり発生までの時間や症状

2

それぞれの菌が発症までにどれくらいの時間を必要とするのか、またどんな症状を引き起こすのかまとめました。

 

ノロウイルス

感染してから1日もしくは二日の潜伏期間があります。感染してから発症するまでに若干の時間差がありますので、自覚症状が出る前に周囲に感染を広げてしまう可能性があるのが最も恐ろしい点です。

 

症状としては、

✓ 激しい嘔吐と下痢

✓ 腹痛を伴う下痢

✓ 発熱

通常3日間ほどで症状は治まります。

【関連記事】

ノロウィルスの感染期間や感染力を甘く見ると痛い目に!

 

サルモネラ菌

感染すると5時間~72時間の潜伏期間を経て症状が出ます。

 

どのような症状が出るかというと、

✓ 腹痛を伴う水のような下痢

✓ 脱力感や倦怠感を全身に感じる

✓ 38℃~40℃の非常に高い発熱

回復にはそれなりに時間を必要とし、3日ほどで治る人もいればもっと症状が長引く人もいます。

 

病原性大腸菌

病原性大腸菌は自然界に広く分布していることもあり、同じ病原性大腸菌でも特性が異なる場合があります。

腸管出血性大腸菌の場合は潜伏期間が4日~14日とやや長めです。

 

特徴的な症状としては、

✓ 腹痛や下痢

✓ 嘔吐

✓ 発熱(38℃~40℃)

 

赤痢菌

1~7日の潜伏期間を経た後、急に重症化するのが特徴です。

主な症状は

✓ 文腹痛

✓ 文水のような下痢

✓ 文全身の倦怠感

✓ 嘔吐

✓ 悪寒を伴う発熱

 

チフス菌

潜伏期間は2週間と長めです。

現代の日本では海外から帰国した人によく見られる症状とされていますが、潜伏期間が長いためにとっさには「海外先のアレが原因かも!」と思い浮かべることが出来ません。

 

主な症状は

✓ 39度以上の高熱が出る

✓ 薔薇の形に似た赤い斑点が皮膚上に表れる

✓ 脈が乱れる

また腸チフスは他の病気と異なり再発することがありますので、治ったあとも油断は禁物です。

 

腸炎ビブリオ

潜伏期間は10時間~24時間と、殆どは原因となる食べ物を口にした日のうちに発症しますので他の食あたりよりはすぐに理由を特定できます。

 

症状は以下の通りです。

✓ 激しい腹痛と下痢

✓ 吐き気

✓ 嘔吐

 

黄色ブドウ球菌

潜伏期間は1時間~5時間とかなり短く、発症してもその日のうちに治る場合がほとんどです。ただし悪化すると数日にわたって症状が出るので、軽く見ないことが重要です。

 

主な症状は以下の通りです。

✓ 激しい腹痛

✓ 下痢

スポンサーリンク

食あたりにならない為にすべきこと!

 

食べ物は口にする前から注意する

「変な味がしたらとっさに口から吐き出す」ことも重要ですが、そもそも食べ物を適性に保管・管理することが重要です。

最も恐ろしいのは、「まあ、大丈夫でしょう」と根拠のない自己判断を下すことです。

 

必ず購入した商品のパッケージに記載されている保管方法を厳守しましょう。当たり前でいてなかなか守れないこの項目を厳守することで、大体の食あたりは防げます。

【関連記事】
牡蠣の食あたり!菌の潜伏期間や症状をチェック!

 

とにかく加熱する

多くの菌は、食材の中心温度が85℃以上という環境を1分以上保つと感染力を失います。

つまり怪しい食材を食べる場合はよく加熱することが重要です。

 

ただしいくら加熱されているからと言って、明らかに膨張している缶詰めや真空パック商品は食べないようにしましょう。

すでに腐敗が進んでいますので、食べると確実に食あたりにあいます。

 

とにかく手指を衛生的に保つ

どの菌も、汚染物に触れた手や食物が口に入ることで感染します。

食中毒の流行期は外出から帰ったら必ず手指を洗う習慣を身につけましょう。

 

地味ですが、確実に効果のある食あたり対策です。

【関連記事】
感染性胃腸炎(ノロウィルス)の出席停止期間や出席停止のために必要なこと!

 

調理器具の管理をきちんと行う

基本的には肉・魚と野菜など生で口にするものを切る包丁やまな板は別々のものを使用するように習慣づけると安全です。

また肉・魚を切った後はきちんと調理器具を熱湯消毒することで二次被害を防げます。

 

熱湯消毒では今イチ不安、という方は酢(酸性)→アルカリ性消毒液を交互に使うと効果があります。

 

食あたりと一言に言っても、原因となる菌は数多く存在します。

それぞれに固有の症状がありますので、よくよく見極めて下さい。

 

とはいえ素人が判断を下すのは難しいので、なるべく早い段階で医療機関を受診しましょう。

自分一人で思い悩むより、早くからだが楽になりますよ。

  当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。

スポンサーリンク
 
 

こちらの記事も読まれています

サブコンテンツ