経口補水液とは?作り方と飲み方を徹底解説!
<監修医師 まっちゃん>
経口補水液とは脱水症状などのときに補う水分で「飲む点滴」と言われています。
その経口補水液をどんな時に補給するのか、また補給方法(飲み方)の注意点や家庭で手軽にできる作り方についてご紹介します。
気になる所から確認してみよう
経口補水液とは何?
経口補水液(ORS:Oral Rehydration Solution)とは体液とよく似た成分で作られた液体で、脱水症状などにより失われる水分や電解質を補うためのものです。
主な成分はナトリウム(Na)、カリウム(K)、塩素(Cl)、ブドウ糖などで他にマグネシウム(Mg)、リン、乳酸、クエン酸などが含まれている場合もあります。
体液とは
体液は細胞の中と外にある液体で、生命維持や活動に欠かせないものです。
成人の場合体重の60%が水といわれています。血液として5リットル、それ以外の体液は1~2リットル程度です。
成分は電解質と非電解質に分かれます。
電解質:体液の骨組みに必要なもので、陽イオンと陰イオンに分かれます。
陽イオン・・・ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム
陰イオン・・・塩素、亜硫酸
非電解質:運搬や排せつに必要なものです。
コレステロール、中性脂肪、ブドウ糖、尿素、乳酸、リン脂 質など
これらは海水に近い成分となっており、ホメオスタシス(生体の恒常性維持機能)により成分の吸収、排せつを行っています。
経口補水療法(ORT:Oral Rehydration Therapy)
熱中症、下痢、嘔吐などにより、体液が失われたときに起きる脱水症状を改善させる治療法です。
もともとコレラなどの感染症が広がっていた発展途上国で有効性が認められたものです。
そういった国では脱水症状に有効である点滴は専門の技術や器具が必要なことと、衛生面から使えないことが問題となっていました。
それに対し、経口補水液は新鮮な水、塩、砂糖があれば作れること、口から摂取ができる手軽さがありました。この方法が普及し、たくさんの命が救われました。
経口補水液が持つ効能
体液と似た成分で作られていますので、軽度~中度の脱水症状がある場合は水分や電解質の補給、維持をします。
水分は電解質によって小腸で80%ほど吸収されます。この小腸の働きは下痢などをしていても正常に働くため、脱水症状を緩和することができます。
小腸での吸収率を良くするのはブドウ糖とナトリウムイオンの濃度比率が2:1と言われています。
一般的にこの濃度の経口補水液はおいしく感じません。しかし、体液が不足しているとおいしく感じます。
この状態を脱水症状といいます。
この脱水症状は明らかに分かる場合とわからない場合があります。
わからない状態を「かくれ脱水」といいます。
水分補給にスポーツドリンクはダメ?
スポーツドリンクは糖分が多く、塩分が低いので脱水症状次の水分補給にはあまり適していません。
経口補水液のおススメの作り方
経口補水液の作り方は簡単です。
水 | 1リットル |
塩 | 3g(小さじ1/2) |
砂糖 | 40g(大さじ4と1/2) |
これらをしっかり混ぜたら出来上がりです。
経口補水液はこうやって飲むのがおススメです
一気飲みをしてはいけません。
コップ1杯を20~30分くらいかけて飲むようにします。
点滴を考えてみてください。ゆっくりと体の中に入っていきますよね。それと同じと考えてください。
一気に飲んでしまうと身体に吸収されずに排出されてしまいますので脱水症状は改善されません。
番外編
経口補水液の代わりになる日本古来からの食べ物があります。
それはおかゆや重湯です。
病気の時におかゆや重湯に梅干しや塩を添えて食べますね。
これは熱などで失われた水分・電解質を糖質(この場合はおかゆや重湯)とともに摂取していたのです。
これは保水理論を実践したもので昔の人は自然と行っていたわけです。
ちなみに、梅干し1個と経口保水液500mlの塩分量はほぼ同じです。
また、バナナ1本と経口保水液500mlのカリウム量もほぼ同量です。
経口補水液を摂るときの注意点
経口補水液にはナトリウムやカリウムが多く含まれています。
腎臓疾患や高血圧などの症状がある人は医師と相談して摂るようにしてください。
また、高齢者の場合、嚥下がうまくいかないことがあります。
その場合は少しとろみをつけたり、柔らかめのゼリー状に固めて摂取するなどの工夫も必要です。
最近では市販の経口補水液の中にも液状とゼリー状がありますので状況に合わせて使い分けるようにしてください。
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まとめ
経口補水液についてご紹介しましたがいかがでしたか。
夏だけでなく、病気のとき、食欲がないとき、高齢者の場合は知らないうちに体内の水分が不足していることがあります。
こまめに水分を摂ることをすると同時にいざというときは自家製の経口補水液で対応できるように覚えておいてくださいね。
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