ガマ腫は早めの手術でしっかり治療【気になる費用や原因を解説】
「ガマ腫」という言葉を耳にしたことはありますか。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、口の中の病気の一種です。今回はガマ腫についてお話していきましょう。
気になる所から確認してみよう
ガマ腫ってどんな病気?
「がま」というくらいですので、「ガマガエル」をイメージされる方もいらっしゃるでしょう。ガマ腫とは舌下部に腫れが出来る病気です。
ガマ腫は舌を裏返した時に膨らみがある事がカエルの喉が膨らんでいる状態と同じように見える事から、ガマ腫と呼ばれているのです。正式な病名はラヌラ(ranula)と言います。
発症する年齢としては10代未満から30代位の方に多く、50代位になると比較的症状を発症される方は少ないようです。
この舌の裏の腫れですが、原因は口の中には唾液腺と呼ばれる唾液を出すところがいくつか見られます。
唾液は消化を助ける役割をしたり、口の中の衛生状態を保ったりする役割をしますが、この唾液線に何らかの原因で炎症が起こり、唾液腺が詰まってしまう事で、うまく唾液が排出されずに溜まって膨らんでしまう事からガマ腫が起こります。
この為、ガマ腫の膨らみの中には粘液性の高い液体が入っています。
ガマ腫の大きさは大きなものでは約20mm程に、小さなものでは約10mm程度の大きさになります。ちょうどビー玉と同じようなサイズになりますが、口の中に常にビー玉サイズのものがあるとかなり違和感を感じますね。
ガマ腫の4つの主な症状
口の中に粘液性の高い物質の入った出来物が常にあると、かなりの違和感ですが、次にガマ腫の主な症状について、4つお話していきます。
1.舌の中の違和感
大きいものでは約20mmにもなるガマ腫です。口の中にかなりの違和感を生じます。
2.食事が取りにくくなる
ガマ腫によって舌が上の方に押し出される事で、食べ物が噛みにくくなり、食事が取りにくくなります。
3.喉の渇き
唾液腺が詰まり、唾液が溜まってしまう事で唾液の量が減ってしまいます。唾液は口の中の乾燥を防ぐ働きもありますので、ガマ腫によって口の中が乾き、喉の渇きを感じやすくなります。
4.会話がしにくくなる
ガマ腫によって舌の違和感が強くなると、会話がしづらくなります。会話もですが、一番は舌の動きが悪くなりろれつが上手く回らなくなる事があります。
痛みに関して
口の中に出来ものがあると、痛みがあるのではないかと思いますが、このガマ腫に関しては特に大きな痛みは感じられません。
痛みがないので、気づいた時には大きくなっている事も多く、食事がしづらいなどの症状が出始めますので、ガマ腫が出来ていることに気づいた時に病院を受診するのが良いでしょう。
ガマ腫の原因はコレ!
痛みはなく、唾液が溜まって出来るガマ腫ですが、原因は一体何なのでしょうか。
ガマ腫の原因には主に2つの事が挙げられますので見ていきましょう。
1.口の中や唇を噛む癖がある
習慣的に口の中や唇を噛んでしまう癖のある方がいらっしゃいますが、そういった方はガマ腫にも注意が必要です。
口の中を噛んでしまう事によって、口の中の唾液腺を知らず知らずのうちに傷つけてしまっている事に繋がっていきます。
唾液腺を傷つける事によって、唾液の出口が塞がれてしまい、唾液が溜まってガマ腫の原因になってしまいます。
癖というのは自分では気づかない事も多く、人に指摘されて気づく場合も多くありますね。癖が分かった場合にはなるべく意識して、治すように心がけると良いかもしれません。
2.先天的に唾液腺が弱い
人は皆、それぞれ顔つきや体形が違うように、唾液腺の長さや形なども人それぞれです。中には先天的に唾液腺の唾液の分泌が上手く出来ない人もおり、それが原因でガマ腫になる事もあります。
このような方は唾液腺が弱く、少しの刺激でも唾液が溜まりやすくなってしまう事もあります。
ガマ腫を発症した経験のある方、またはガマ腫の発症率の高い方は、唾液腺が先天的に弱い可能性も考えられますので、なるべく日常生活において口の中を清潔に、刺激にならないように傷つけないように気を付ける事が大切です。
具体的な原因はまだ分からない部分も多い
ガマ腫の原因になる事を主に2つお話しましたが、原因に関しては実際には分からないところも多くあります。
食事をしていて、口の中を噛んでしまいガマ腫が出来てしまったという事もあるので、癖や先天的な事だけでガマ腫が出来るとは言い切れない部分もあるのです。
なるべく口の中を傷つけないようにする事が、ガマ腫を防ぐことにも繋がるでしょう。ガマ腫だけでなく口内炎の発症も防ぐ事が可能です。
ガマ腫は手術で治療できる
では、出来てしまったガマ腫はどのように治療すれば良いのでしょうか。
ガマ腫は特に細菌感染した出来物という訳でもなく、ただ「唾液」が袋のように溜まった嚢胞です。治療法に関しては2つの事が挙げられます。
1. 手術・・この手術に関しても二つの方法があります。一つは「開窓療法」と呼ばれる嚢胞の部分にメスを入れて、袋の中の唾液を出してしまう方法です。
これはすぐにガマ腫がなくなり、不快感が取れる面ではメリットがありますが、デメリットとしては唾液腺が傷ついたままの状態ですので、再発が考えられます。
何度も繰り返してしまうリスクもある為、患者さんが長い期間ガマ腫に悩まされる事も少なくはありません。
二つ目は舌下腺をガマ腫ごと取り除く方法です。舌下腺がなくなったからといって、唾液などに酷く支障が出る訳ではありません。
ガマ腫の再発も防ぐ事が出来ますので、何度も繰り返しガマ腫が出来る方には有効な治療法と言えます。
2. 注射・・中には手術をしたくないという方もいらっしゃいます。そういった方に対する治療法としてはピシバニールという薬剤を注射する方法があります。
1か月に数回この製剤注射を行う事で、約2か月程度での完治が期待できます。
メスを使用して切ったりする事がないので傷がつくこともありませんが、デメリットとしては完治までに時間がかかってしまう事、注射によって腫れや痛み、発熱などを伴う場合もある事です。
このようにガマ腫には手術と注射という2種類の方法があります。患者さんのガマ腫の状態、体調などを考慮して医師との相談の上で治療法を選択するのが望ましいでしょう。
ガマ腫の手術費用は術式によって違う
ガマ腫の治療法について紹介していきましたが、このガマ腫の治療に関しては治療法によって費用も異なってきます。
手術に関しては保険が適用されますので、ガマ腫の袋の部分を切開する手術(開窓療法)に関しては約2000~3000円程度、ガマ腫を舌下腺と共に取り除く手術に関しては約10000円程度の費用で行う事が可能です。
ピシバニールの製剤注射に関してですが、こちらは自費で行う事も多い為、1回につき約3000円程度の費用がかかる事が多いようです。
大体2回程度の治療で終了する事がほとんどの為、約6000円程度かかると言われていますが、近年では保険適用となった為、医療機関によって費用は異なる可能性があります。
治療の前にかかった病院に費用について事前に確認しておくと良いかもしれません。
再発しやすいガマ腫の自然治癒はNG
ガマ腫は自然治癒が見込めるのかに関してですが、ガマ腫は痛みなどが無い為、稀に自分でガマ腫を切開して唾液を出し、ガマ腫を治す方もいるようですがこれに関しては「NG」です。
ガマ腫は唾液腺の傷が原因となってしまう事が多い為、ガマ腫がなくなった事によって一旦は症状が落ち着いているように見えますが、唾液腺が傷ついたままであれば再発の可能性は大いにあります。
またガマ腫は放置しても治る事はありませんので、放置し続ける事によってガマ腫は「肥大化」し、違和感やしゃべりにくさが酷くなったりします。
ガマ腫を見つけたら、自力で何とかしたりするのではなく、完治に向けて早めに医師の診察を受けるようにしましょう。
痛みもなく、ただ出来物が出来ているだけで違和感がないうちは放置しがちなガマ腫ですが、放置したままにすると肥大化して日常生活に支障をきたす可能性があります。
ガマ腫に気づいたら、早めに医師の診察を受けて、早期治療に務めましょう。
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