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舌咽神経痛の原因や症状を解説【似ている三叉神経痛も紹介】

<監修医師 まっちゃん>

診察 

我々の身体には様々な神経が存在します。神経は刺激などを脳に伝達したり、逆に脳からの命令を伝えたりと、とても重要な存在です。

 

具体的には神経には交感神経や副交感神経などの精神的な興奮や抑制を司るものから、音を聞いたり、臭いを感じとったりといった日常生活に必要な役割があります。

 

神経は痛みを感じる際にも働く重要な部分でもあります。この神経そのものが何らかの原因で障害されると激しい痛みを感じるようになります、いわゆる“神経痛”です。

 

今回は神経痛の一つである舌咽神経痛の症状や治療法の解説と症状が似ている三叉神経痛についても解説します。

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舌咽神経痛とは

 

まず舌咽神経について解説します。神経には大別して脳から直接出ている脳神経と脊髄から出ている脊髄神経に分かれます。

 

脳神経はさらにそれぞれの体の部位や働きによって第Ⅰ~ⅩⅠⅠ脳神経の12種類の神経系に分かれます。舌咽神経はその中の第Ⅸ神経に分類される神経です。

 

舌咽神経は運動や知覚や味覚を司る神経です。舌咽神経は舌の後ろ側の1/3、のどの咽頭や扁桃、耳の中耳と呼ばれる部位や頸動脈のほうにも走っています。

 

舌咽神経痛はこの舌咽神経ともう一つ頸部に走っている第Ⅹ脳神経がなんらかの障害を受けて激痛が走り、飲み物や食事が飲み込めない神経異常の疾患です。

 

舌咽神経痛はまれな疾患であり、50歳前後の男性に多い疾患です。舌咽神経痛ではまれに失神が起こることもあります。

 

頻度としては毎日起こることもあれば数週間に1回となったりと様々です。

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舌咽神経痛の考えられる3つの原因

 

舌咽神経が圧迫されるのが主な原因

舌咽神経痛は舌咽神経が圧迫されることによって起こる病気です。舌咽神経を圧迫するのは主に血管です。

 

神経は神経鞘と呼ばれる透明な弾性のある膜に包まれています。神経鞘は場所によっては薄くなっている部位が存在します。

 

この薄くなっている部分に血管が接してしまい、血管が血の流れによって拍動することによって血管が圧迫されて痛みが起こります。

 

腫瘍によって引き起こることもある

舌咽神経痛は血管によって圧迫されるのが主な原因ですが、腫瘍によって神経痛が引き起こる場合もあります。

 

腫瘍とは細胞が異常に増殖することで大きく膨れ上がっている状態になっています。腫瘍の存在はMRIと呼ばれる画像診断によって行われます。

 

小脳橋角部腫瘍は舌咽神経痛を引き起こす原因の一つです。

 

小脳橋角とは後頭部の下側にあり、脳の一部である小脳と脳幹によって形成される部分の指し、腫瘍が発生しやすいといわれています。

 

この部分に良性の腫瘍ができて耳の周りの神経を圧迫してしまい舌咽神経痛を引き起こします。

 

腫瘍=癌というイメージがあるかと思いますが癌は悪性腫瘍の事を指します。

 

顎の頸動脈瘤によっても神経痛が起こる

頸動脈とは首の側面にある太い血管です。動脈瘤は血管の壁の一部が膨らむことでコブのようになってしまう病気です。

 

頸動脈瘤ではアゴの周りの神経を圧迫する為、咽頭などの痛みを生じることがあります。

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舌咽神経痛の症状は何気ない動作で起こる激痛

 

舌咽神経痛の痛みは1回1回の痛みは数秒から数分間の短時間で持続的に引き起こります。

 

その激痛は電撃的で針で刺したような痛みと表現されています。

 

舌咽神経痛の痛みは扁桃あたりや舌根から始まり、耳へと伝わってゆきます。

 

舌咽神経痛は何かしらの口の周りの動作が痛みの引き金となっている事が多いです。

 

その動作とは咀嚼、嚥下、咳嗽、喋る、あくび、くしゃみなどです。

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舌咽神経痛は何科で受診できるのか

 

まずは耳鼻咽喉科や口腔外科で

舌や耳が痛む病気は舌咽神経痛だけではありません。

 

まずは特に痛む部位が舌などであれば口腔外科を、耳周りや喉が痛む場合は耳鼻咽喉科に行って、舌咽神経痛以外の病気ではないか調べて貰う方が良いでしょう。

 

耳鼻咽喉科では局所神経ブロックと呼ばれる診断方法によって頸動脈圧迫痛や上喉頭神経痛などの舌咽神経痛以外の病気がないか診断してもらえます。

 

神経痛には神経内科やペインクリニックを

舌や喉、耳まで広範囲で痛みがひどい場合は最初から神経内科ペインクリニックへ行った方が良いでしょう。

 

ペインクリニックとは痛みを専門とする診療科であり、他の病気や診療所と同じ様に保険適応が効く医療機関です。

 

手術が必要な場合は脳神経外科で

舌咽神経痛は基本的には薬物による治療が行われますが、効果があまり出ない場合は外科手術が行われます。

 

脳外科などの手術の行える大きな病気で行うことが多いようです。

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舌咽神経痛と間違いやすい三叉神経痛とは

 

三叉神経痛は主に顔面に刺す様な痛みが走る病気です。三叉神経痛は高齢者に起こりやすい病気です。

 

三叉神経痛の激痛は特に上顎に起こりやすいとされています。

 

舌咽神経痛が第Ⅹ脳神経が圧迫されるのに対して三叉神経痛は第Ⅴ脳神経である三叉神経が圧迫される神経痛です。

 

三叉神経痛は咀嚼や歯磨き、笑うことで疼痛が誘発されます。また特に痛む顔面の部分を下にして眠れないこともこの病気の特徴です。

 

三叉神経痛は通常は抗けいれん薬を服用することが効果的とされています。また微笑血管減圧術と呼ばれる手術方法も存在します。

 

この微笑血管減圧術では三叉神経とそれを圧迫している血管との間にスポンジを置くことで、神経の圧迫を防ぐことができます。

 

三叉神経痛と舌咽神経痛との判別方法としては咽頭に局所麻酔を行い痛みが改善すれば舌咽神経痛であり、改善しなければ三叉神経痛となります、これをコカイン試験と呼びます。

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舌咽神経痛は早期治療が必要です

 

薬物治療が第一選択

舌咽神経痛の三叉神経痛と同じ薬物治療を行います。

 

舌咽神経痛の初期治療に用いられる薬物は抗けいれん薬であるカルバマゼピン(商品名:テグレトール)です。

 

カルバマゼピンの副作用で眠気やふらつきなどが起こり易いので、車を運転する人などは注意が必要です。

 

またカルバマゼピンは他の薬剤よりも薬のアレルギーで発疹が生じ易いので服用してから数週間は注意が必要です。

 

神経と血管を広げる手術を行う

薬物治療が不十分な場合は外科手術を行う場合があります。

 

方法としては耳の後ろの部分を開き、神経を圧迫している血管との間隔を広げることによって神経に血管が接触させないようにします。

 

神経を取り除く手術を行う

痛みの原因である舌咽神経や迷走神経を取り除く手術です。

 

舌咽神経のみでは再び発症する可能性が高いといわれており、迷走神経の一部を追加で切除する必要があるとされています。

 

放射線治療を行う

放射線によって神経痛を治療する方法をガンマナイフと呼びます。

 

これは痛みを引き起こす舌咽神経に放射線をあてることによって痛みの感じ方を無くしてしまう治療方法です。

 

舌咽神経痛について解説しました、この神経痛は生活習慣などに関わらずまれな疾患であり突然起こりうるものなので上記に記した痛みがあれば直ぐに受診しましょう。

 

その際にどの部位が痛むのかによって、口腔外科や神経科などしっかりと適切な病院を選ぶ様にしましょう。

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