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ケロイド体質には見分ける方法がある【症状や原因も詳しく解説】

<監修医師 まっちゃん>

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ちょっとした傷ができた時、その傷跡が赤みを帯びて盛り上がっていることがあるかもしれません。やり過ごせるぐらいなら良いのですが、かゆみや痛みがあったらそうはいきません。

 

小さな傷や虫さされ跡などがぶくぶくと盛り上がってしまう「ケロイド体質」の症状や原因について解説します。

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ケロイドとは何?

 

重いやけど跡や放射線による創傷の後遺症によりケロイドができる、ということを聞いたことがあるかもしれません。また怪我の跡が盛り上がっている場合なども含まれます。

 

創傷(そうしょう:傷)の治癒途中で皮膚が過剰に引っ張られたり何らかのアレルギー反応などが起こると「ミミズ腫れ」のように盛り上がりや引き攣れができることがあります。

 

この傷跡の盛り上がりのことをケロイド・肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)と呼びます。

 

肥厚性瘢痕は、元となる傷の範囲のみで広がる事はありません。しかしケロイドは傷の範囲よりも広がっていくということが特徴なのです。

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ケロイド体質の人のケロイドってどういう意味か

 

一般的にケロイドという言葉は肥厚性瘢痕と同じように使われています。しかし、ケロイド体質の人にできるケロイドは「真性ケロイド」というものです。

 

やけどや怪我など、傷周辺の皮膚も巻き込みながら成長することも特徴です。

 

外傷の跡が残りやすいといえば皮膚代謝が低下していたりする場合が多いのですが、先天的にケロイドになりやすい場合をケロイド体質と言います。

 

帝王切開の傷跡が治癒しない、どんどん傷跡が広がっているということで気づくこともあるようです。関節などにケロイドができると引き攣れにより動きが悪くなることもあります。

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ケロイド体質の5つの症状

 

開腹手術では、傷跡を縫合してから1週間から10日程度で抜糸します。切開した皮膚と皮膚の間にフィブリンという血液成分が溜まることにより傷口がふさがります。

 

数日の間に毛細血管や繊維が強くなることで1週間ほど経過すると抜糸しても傷口が開くことはありません。

 

2ヶ月経過する頃にはうっすらと赤みのある盛り上がりができることがありますが、これが肥厚性瘢痕で半年程度で薄れていきます。

 

しかしケロイド体質である場合、次のような症状が出るのが特徴です。

 

周囲を巻き込んで成長していく

傷が治る一定の期間を過ぎてもどんどん周囲の皮膚までぶくぶくと成長を続けます。帝王切開の術創がケロイドになり成長した様子を魚肉ソーセージにたとえている人もいます。

 

「蟹足腫」と表記されることもあり、文字通り蟹の足のように皮膚の緊張する方向へ広がっていく傾向があります。

 

激しいかゆみが起こることも

手術跡などがケロイドになると、激しすぎるかゆみに襲われることもあるようです。あまりのかゆみに耐えられずかき壊して出血する人もいます。

 

形状が徐々に変化する

皮膚にケロイドができた場合には、皮膚の上に粘土を薄く伸ばしたものをくっつけたような扁平隆起と呼ばれる形状になるのが最初です。

 

徐々に形状が変わると先述した魚肉ソーセージにたとえられるような半球状隆起となります。

 

色や感触が変化する

はじめのうちは鮮赤色からピンク色、いわゆる新しい傷の色です。日が経つにつれ徐々に鮮赤色が黒みがかり、その後褐色に変化します。

 

初期の感触は柔らかく水ぶくれのようですが、その後徐々に硬くなるのも特徴です。

 

特徴的な痛み

通常「創傷」であれば上から触っただけでもとても痛いのですが、ケロイドの場合は上から触っても押さえても痛みがあまりないようです。

 

代わりに側面から押したりつまんだりすると痛い「側圧痛」を感じます。

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ケロイド体質になる原因はあるの?

 

どうしてケロイド体質になるのか原因不明だと言われてはいますが確率的に高い要因はわかっているようです。

 

メラニン色素の差?

人種によってケロイド体質の数に差があると言われることもあります。白人には少なく黒人には多い、メラニン色素の量が中間である黄色人種はケロイド体質の数も中間あたりです。

 

しかしながら単に肌の色や色素量だけでは測れないこともあります。

 

遺伝?

若年層に多い傾向があると言われています。しかし発生率に性差はないようです。

 

またケロイド体質が遺伝するのでは?という疑問がありますが、これに関してはないとは言い切れないものの必ずしもあるとも言い切れないようです。

 

人種差という点とも重なるのですが、遺伝子配列によって発生するのではとも考えられています。

 

家族性ケロイド症に関して特に遺伝子配列が問題視されていますが、実情は解明されていません。要因は単純にこれという確定的なものでなく、様々な要因が重なり合っています。

 

身体にできる傷

やけど・外傷に限らず虫さされやニキビ・ピアスホールを開けるといった些細なことやほくろ除去などからでも、ケロイドになることもあります。

 

きっかけとして一番多いのは上記の例のような身体にできる傷です。

 

女性ホルモン?

ケロイド体質に性差はないと先述しましたが、女性ホルモンであるエストロゲンの血管拡張作用がケロイドの悪化を招くのではという説もあります。

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ケロイド体質かどうかの見分け方

 

自分がケロイド体質かどうか、心配になった方も多いでしょう。確定はできないものの、ある程度ケロイド体質の見分け方について見ていきましょう。

 

血縁関係にある人の中にケロイド体質の人がいるかどうか、アレルギー体質や傷跡がケロイドになった人がいるかどうかを確認しましょう。

 

遺伝する可能性を否定できないケロイド体質は、ある程度の確率で親族にもいると考えられます。

 

アレルギー体質やニキビ跡が赤くなって腫れたりと、悪化するという場合にも疑われます。アレルギー体質は血液検査である程度の予測ができます。

 

もしも虫さされやニキビなどがあったらつまんでみたり、それらの大きさが変化しないかを観察することも方法の一つです。

 

少し本題から逸れますが、ケロイドだと思い込んでいたら皮膚ガンだった、という可能性も稀にですがあります

 

どんどん膨れ上がるという点でケロイドだろうと考えていても、一度皮膚科を受診し確認したほうがいいでしょう。

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ケロイド体質は治療が難しい

 

ケロイドの治療は現在のところ難しいようです。完治させるというよりも身体にとって害を及ぼすわけではないという観点からも、症状の軽減を優先させています。

 

治療は皮膚科などの専門医を受診しましょう。

 

外科的手術

ケロイドが比較的小さい場合には、切除して周辺を縫い寄せるという方法をとります。広範囲に及ぶケロイドの場合には皮膚移植を行います。

 

ステロイド

ステロイド軟膏を塗布する方法ケロイドへ直接注射する方法があります。数十回単位で繰り返す必要があるため長期にわたる治療になるようです。

 

細胞自体の炎症を抑えたり、繊維が細胞の増殖を抑制することが期待されています。注射の場合、激痛がネックになるという人もいるようです。

 

内服薬

トラニラストという内服薬がケロイド治療に使用されています。軽い喘息の予防や抗アレルギー作用のあるお薬で、ケロイドの成長を抑制したり、激しいかゆみや痛みを改善する効果があります。

 

また炎症を抑える作用のある柴苓湯という漢方薬を使用する場合もあります。柴苓湯にはステロイドに似た免疫調整の作用がありますが作用は弱いものです。

 

柴苓湯は慢性腎炎・肝炎・ネフローゼや妊娠中毒症にも使用される漢方薬です。長期間服用し経過観察しながら体質改善を行います。

 

レーザー治療

レーザー光線をケロイドに当てることで細胞自体の代謝を促します。血行不良を解消し新しい血管も作られる、神経に直接作用することにより炎症を抑えます。

 

生活の中でできること

意外かもしれませんが、糖質制限をしていた人のケロイドが改善傾向にあったという話もあります。またニキビなどができにくい肌ケアをすることも大切でしょう。

 

肌の新陳代謝を表すターンオーバーが正常になるよう、タンパク質やビタミン類を摂取するようにしましょう。

 

ケロイドが出来てから初めて自分がケロイド体質だったと知ることが多いです。

 

人目につく部位にケロイドが大きく出来てしまったら精神的にも負担になる場合がかなりあります。まずは治療をするために皮膚科や専門医を受診し、よく相談することが大切です。

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