顔に発症する日光アレルギーの原因とは【治療薬も徹底解説!】
<監修医師 まっちゃん>
顔や全身の皮膚に現れる、日光アレルギーの皮膚症状。特に顔は気になりますよね。日光アレルギーの原因には外因性のものと内因性のもの等、様々なものがあります。
また症状も皮膚症状だけではなく、目の症状や全身症状も現れる事があり、注意が必要です。
そこで今回は日光アレルギーや紫外線、日光アレルギーの症状や原因、治療薬や紫外線対策について徹底解説いたします。
気になる所から確認してみよう
日光アレルギーとは?
日光アレルギーとは、紫外線アレルギーや光線過敏症、日光性皮膚炎とも呼ばれています。
日光や日光の紫外線が原因で起こるアレルギー反応の事で、皮膚に異常反応が起きます。
普段の紫外線量では何も起きない方も、一度に大量の紫外線を浴びたり、紫外線対策をしていない場合に起こりやすい傾向があります。
紫外線には地上に届くものでは、UV-BとUV-Aの2種類があります。
UV-Bは日焼けや皮膚がんの主な原因となります。
UV-AはUV-B程の害はありませんが、長時間浴びる事で健康被害の原因となるという事、また肌の奥まで届いてしみの原因となる紫外線です。
もう1種類UV-Cもありますが、大気層で吸収され地上には到達しません。
日光アレルギーを起こすのはUV-Aですので、日焼け止め対策も重要となります。
また喘息やアトピー性皮膚炎等のアレルギー体質の方もなりやすい傾向にあります。
症状も皮膚の炎症だけでなく、目の症状や、頭痛、発熱、吐き気等の症状も現れます。
日光アレルギーの原因としても、外因性のものから、内因性のものまで多岐にわたります。この後詳しく解説いたします。
アトピー性皮膚炎についてはこちらを参考にして下さい。
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紫外線について知ろう
太陽光の中には、暖かさを感じる目に見えない赤外線と、目に見える可視光線、そして何も感じない紫外線があります。
紫外線、UVとはUltra Violetの略で、は波長が10~400nmと短波長ですが、強エネルギーの光の事をいいます。
先程も少しお話しましたが、紫外線にはUV-AとUV-BとUV-Cの3種類があり、地上に届く紫外線はUV-AとUV-Bの2種類です。
紫外線は夏に強く、冬には弱まりますが、これには紫外線が大気層を通過する距離との関係性があります。
日本では夏至の時には、大気層を通過する距離が短く、紫外線が強いまま地上に届きます。
そして冬至の時には、大気層を通過する距離が長くなる為に紫外線も弱まるのです。
ただし、UV-Bは夏に比べて冬は約5分の1まで減少しますが、UV-Aは夏に比べて冬は2分の1程度にしか減少しないのです。
ですので、夏だけでなく冬でも、年中十分な紫外線対策が必要なのです。
また晴れの日だけが紫外線が出ている訳ではありません。
雨や曇りの日でもUV-Bの場合には紫外線量はそんなに変動はない為、注意が必要です。
一度日光アレルギーを発症すると、なかなか治りにくくなってしまいます。
今までは影響のなかった紫外線量でも、急に体内で化学反応を起こして発症する可能性もあります。
予防の為には、十分な紫外線対策が必要です。
顔だけにとどまらない日光アレルギーの15の症状
次に日光アレルギーの症状について解説いたします。
紫外線にあたった皮膚症状だけでなく、全身症状を引き起こす事もありますので、注意が必要です。
なかなか日光アレルギーの症状だと自己判断するのは難しいので、専門医の診断を受けてください。
皮膚症状
皮膚に現れる症状としては、発赤、湿疹・じんましん・水ぶくれ等の発疹、腫れ、むくみ、かぶれ、かゆみ等が現れます。
紫外線に当たった場所に赤く腫れた湿疹が出る事が多く、かゆみが非常に強いです。そして掻きすぎてしまう事でじんましんのようになったり、ひどくなってしまいます。
目の症状
目に現れる症状としては、目の充血、涙が出る、異物感を感じる等が現れます。
全身症状
全身症状として頭痛、発熱、吐き気、倦怠感等の症状も現れます。
顔の皮膚症状
皮膚症状が顔だけに出る方もいます。これは、紫外線対策として日焼け止めを使用している時に、中に配合されている紫外線吸収剤が原因となっている可能性があります。
また化粧品に原因がある可能性もありますので、化粧品の見直しも必要となります。
日光アレルギーの原因はコレだ
続いて日光アレルギーの原因についてです。内因性の原因から外因性の原因まで多岐にわたりますので、きちんと把握しましょう。
内因性による原因
普段は会社内でのお勤めの方や主婦の方等、あまり日光に当たらない生活をしている方が普段よりも多い紫外線に当たった時に日光アレルギーを発症する事があります。
紫外線を浴びてから、人間の身体の紫外線に対する抗体量を超えた時に発症します。つまり突然の紫外線に肌が対応できずに、アレルギー反応として発症してしまうのです。
この抗体量には個人差があり、大量の紫外線でなくても少量の紫外線で反応を起こしてしまう事もあります。
これらの事は代謝障害や遺伝子異常等の生体内の異常に深い関連性があります。
また後程、詳しく解説いたしますが、アレルギー疾患、アルコール性肝障害、C型肝炎、ペラグラの病気の方や、過度のダイエットを行っている方がなりやすい傾向にあります。
外因性による原因
外因性の原因として、普段から服用しているお薬や日焼け止めの成分が原因の場合が多いです。
お薬や日焼け止め等の成分の中に光毒性のものが含まれている場合に、日光アレルギーが引き起こされます。
日焼け止め効果の高い化粧品に含まれている事のある、紫外線吸収剤というものがあります。この紫外線吸収剤により、紫外線が吸収されて、光毒性を持ってしまい発症してしまう場合があるのです。
普段からお薬を服用している方で日光アレルギーの症状が出た場合には、まず主治医にご相談ください。
また日焼け止めや化粧品等を変えた後に、発症した場合には化粧品等の見直しも必要になります。
柑橘類などの食べ物
また柑橘類の中に光毒性が含まれている事で日光アレルギーを発症する事があります。
レモンやオレンジ等の柑橘類、いちじく、セロリ、キャベツ、あわび、クロレア、ベルガモット油が原因となり発症する場合がありますので、注意が必要です。
日光アレルギーになりやすい病気がある
日光アレルギーには、もともとの持病との関係で発症しやすくなる病気があります。
アルコール性肝障害・C型肝炎・ペラグラ
アルコールの過剰摂取により、アルコール性脂肪肝となり、ひどくなった場合にアルコール性肝障害を発症します。
C型肝炎はC型肝炎ウイルスの感染により、細胞が破壊され炎症を起こし、肝臓の働きが悪くなってしまう病気です。
ペラグラとは、代謝分泌疾患の1つで、ニコチン酸とニコチン酸アミドである、ナイアシン欠乏症の事です。
これらの病気により、体内にポルフィリンが蓄積する事で、日光アレルギーを発症しやすくなります。またペラグラの疾患自体の症状としても、光線過敏症の症状が現れる事があります。
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無理なダイエット
若い女性などが行う無理なダイエット、単品ダイエットや偏った食生活が原因で日光アレルギーを発症する事もあります。
紫外線に効果のある栄養素である、ビタミン群やパントテン酸などが不足する事により、引き起こされるのです。無理なダイエットはせずに、栄養バランスの良い食生活を心掛けましょう。
日光アレルギーに効果あり!7つの薬
日光アレルギーの治療方法としては、対処療法のみになります。根本的な治療薬はまだ見つかっていません。
日光アレルギーを発症した場合には、なかなか治りにくくなってしまい、良くなってもまた再発する可能性が高いです。
ここでは治癒は難しいものの、効果のあるお薬について紹介いたします。
ジルテック錠
ジルテックは花粉症等のアレルギー疾患にもよく使用されているお薬です。
ジルテックの主成分は、セチリジン塩酸塩で、日光アレルギーの症状である湿疹・かゆみ・かぶれを防いでくれる働きを持ちます。
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セレスタミン
セレスタミンも古くから使われているお薬で、様々な症状に効果があるお薬です。
セレスタミンの主成分は、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモンであり、アレルギー反応や炎症反応を抑える働きを持ちます。
セレスタミンの場合には市販薬はありませんので、病院で医師の処方を受けてください。
アレロック
アレロックも花粉症等のアレルギー症状に効果のあるお薬です。日光アレルギーの症状である、発疹・かゆみに効果的です。
こちらも医師の処方が必要です。
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リンデロンA軟膏
日光アレルギーの症状である皮膚症状に効果があるリンデロンA軟膏。使用後、数日後には症状が治まる事も多いです。
医師の処方が必要ですので、病院を受診してください。
マイザークリーム
マイザークリームは合成副腎皮質ホルモン剤です。
抗炎症作用や抗アレルギー作用があり、日光アレルギーの症状である湿疹・かゆみに効果があります。効果は高いお薬ですが、ステロイド剤の為、きちんと医師の処方を受けてください。
ネリゾナユニバーサルクリーム
こちらもステロイドの軟膏で、消炎作用があります。日光アレルギーの症状である皮膚の発赤・湿疹・かゆみに効果があります。
病院で医師に処方してもらってください。
エクラークリーム
エクラークリームは、皮膚の炎症を抑える効果のあるステロイドの軟膏です。皮膚の発赤・湿疹に効果があり、即効性もあります。
ステロイド剤の注意
日光アレルギーには、ステロイド剤が配合されている軟膏が処方される事が多いです。効果も高く、即効性もある為に多く処方されています。
ただし、多用はいけません。
医師の指示とは異なった使用をしたり、大量に塗り過ぎたりした場合には、副作用の危険性もあります。きちんと病院に行き、医師の診断を受け、症状に合った医師の処方を受けてください。
使用方法についても、医師の指示に従い治療を行いましょう。
日光アレルギーは日焼け止めの対策が大切
ここまで日光アレルギー、紫外線、日光アレルギーの症状や原因等についてお話してきました。
繰り返しになりますが、日光アレルギーは一度発症したらなかなか治りにくい疾患です。一度症状が治まってもまた紫外線を浴びると、症状が現れてしまう事もあります。
お薬には効果もありますが、副作用もあります。現在では日光アレルギーに対する根本的治療方法はまだ見つかっていません。
お薬に頼るのではなく、まずは日焼け止め対策をしっかりと行うようにしましょう。
今は日焼け止め製品にも、様々なタイプが出ており、クリーム・ミルク・ジェル等もあります。
また帽子や日傘対策も必ず徹底しましょう。色は黒や紺、茶色等の濃い色のものが効果的です。
服装も今では、UVカット加工がされている商品が出てきました。UVカットの洋服を着たり、春夏でもカーディガンを羽織る等、肌の露出を控えましょう。
日光アレルギーで目に症状が出る場合もあります。紫外線は目にも入りますので、サングラスをかけて対策をしましょう。
自動車の運転や、自転車の運転等で紫外線が皮膚に当たっている事は多くみられます。日焼け止め対策として、車内でも腕までの長さの手袋、アームカバーを付ける等、露出を減らしましょう。
また先程もお話しましたが、晴れの日だけでなく、雨や曇りの日も紫外線は出ています。さらに夏場だけでなく、冬場にも紫外線は出ている為、きちんと対策が必要なのです。
紫外線の多い時間帯は、9時から14時、その中でも特に12時から14時は紫外線が多くなっています。夏場は12時から14時の外出はなるべく避けたほうが良いでしょう。
仕事等で外出をやむを得ない場合には、しっかりと紫外線対策をしましょう。
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