セルテクト錠30mgの副作用に注意【気になる強さを解説】
<監修薬剤師 サリー>
セルテクト錠30mgは鼻水や皮膚のかゆみなどのアレルギー症状を抑えるお薬で、花粉症の季節には活躍してくれます。
現在、市販薬やジェネリック医薬品を含めるとアレルギーに効くお薬はたくさんの種類がありますよね。もちろん、効果や副作用の強さも薬によって異なります。
今回は、その中でも、セルテクト錠30mgについてまとめていきたいと思います。気になる強さや、注意すべき副作用についても解説しちゃいます!
セルテクト錠30mgの効果
アレルギー症状を抑える薬
セルテクト錠30mgはオキサトミドを主成分とした処方薬です。
このお薬は、花粉症などのアレルギー症状を引き起こす原因物質であるヒスタミンが、受容体と結合するのをブロックする効果があります。
さらに、ヒスタミンの肥満細胞からの分泌を抑える働きもあるため、抗ヒスタミン薬と呼ばれます。
また、ヒスタミン以外のアレルギー誘発物質であるロイコトリエンに対しても遊離を抑制する作用があります。
そして、アレルギーによって起きた喘息症状の原因となる血小板活性化因子(PAF)の働きもブロックする作用も確認されています。
ヒスタミンについてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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錠剤とドライシロップがある
セルテクトは、錠剤とドライシロップがあり、適応疾患や年齢などが若干異なっていますが、効果に違いはありません。
錠剤は、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚掻痒症、湿疹・皮膚炎、痒疹に効果があるとされ、ドライシロップは気管支喘息、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、痒疹となっており、一般的に錠剤は成人向け、ドライシロップは子ども向けとなっています。
第2世代の抗ヒスタミン薬
アレルギー症状に広く効くとされる抗ヒスタミン薬は、昔から開発されていましたが副作用が多いことが問題とされてきました。
効き目は強かったのですが副作用も強いのが第1世代と呼ばれる薬です。
この第1世代に変わって開発されたのが第2世代のお薬で、副作用が減弱されました。
セルテクト錠30mgは、第2世代の抗ヒスタミン薬としては比較的古いお薬で、現在では新薬に処方が移りつつありますが、使用実績が豊富であることから選択されています。
特徴として、アレルギー症状に対して即効性ではないものの比較的すぐに効き、効果の持続時間も長いです。特に、くしゃみ、鼻水に効果が高く、鼻づまりによる息苦しさ等も軽減してくれます。
セルテクト錠30mgの副作用
セルテクト錠30mgの副作用発生率は5〜7.6%前後と報告されています。
また他の抗ヒスタミン薬と比べて眠気の副作用が生じやすいと言われています。
セルテクト錠を服用中は、自動車の運転等危険を伴う機械の操作を控えるようにしましょう。
その他、下痢、口渇、倦怠感、肝機能障害などの副作用が生じることがあります。
肝機能障害については、セルテクト錠30mgを長期服用している場合には定期的に血液検査を行い、肝炎などがないかチェックすることが良いでしょう。
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稀で重篤な副作用も!
稀ですが、薬に対するアレルギー症状としてアナフィラキシーショック、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症を発症するケースもあるそうです。
蕁麻疹、全身紅潮、顔面や咽頭の浮腫、血圧低下、息苦しさ、めまい、手足のしびれ、かゆみ、発疹、発熱、口腔内のただれや眼の充血などの症状が現れた場合は、薬の服用をやめて直ちに病院を受診しましょう。
この他、血小板減少による鼻血、血尿、皮下出血などの症状や、肝臓の重い症状として発熱、発疹、吐き気、食欲不振、黄疸などの症状にも要注意です。
抗ドーパミン作用による副作用に要注意!
セルテクトがわずかに持つとされている抗ドーパミン作用というものがあります。
脳内で重要な役割をする神経伝達物質の一つであるドーパミンの働きをブロックしてしまうと、手足のつっぱりや振戦、眼の異常運動などの錐体外路症状が特に子どもに出やすいという報告があります。
また、女性化乳房や月経障害などの内分泌異常も稀ですが報告があるため、要注意です。
妊婦は禁忌です!
ラットの実験で、胎児に口蓋裂、合指症、指骨の形成不全などの奇形が生じる例が報告されており、妊婦への投与は禁忌となっています。
飲み方に注意
安定剤など脳の神経を鎮める薬と併用すると、眠気の副作用が出やすくなります。また、飲酒も同様の作用がありますので控えましょう。
この他、眠くなくても集中力や注意力が低下することがあります。服用中の車の運転や危険な作業は避けた方が良いです。
セルテクト錠30mgの強さについて
中等度の強さ
アレルギーに使われる抗ヒスタミン薬の第1世代のお薬は、非常に強い効果のある薬ですが副作用も強いことが問題でした。
第2世代は効果をマイルドにして副作用が減っています。
現在、抗ヒスタミン薬には市販薬やジェネリック医薬品を含め、たくさんの種類があります。眠気などの副作用がでにくいように設計された第3世代まで開発されています。
抗ヒスタミン作用と眠気の副作用には関連性が弱いとされていますので、効果の評価は難しいのが現状です。ただ、セルテクト錠は第2世代の中でも初期に開発されているので、開発の流れからすると、薬の強さとしては中等度と考えてよいでしょう。
症状によって効き目はさまざま!
セルテクト錠30mgは、比較的すぐに効いてくると言われていますが、十分な効果が現れるまでに数日かかる場合もあります。
喘息では数週間以上かかるとも言われており発作を直接止める作用はなく、予防薬として用いられます。花粉症に対しても、花粉が飛び始める直前からある一定期間飲み続けなければ適切な効果は得られないようです。
副作用に関しても、眠気やだるさが顕著に現れる人もいれば全く出ない人もおり、体質によっても効き目は様々です。
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専門医や薬剤師に相談しながら、自分の体に適したお薬を選択しましょう。
今回はセルテクト錠30mgについてまとめてみました。花粉症をはじめとする辛いアレルギー症状を持つ人にとって、抗ヒスタミン薬はとても重宝しますよね。
効果が強いものには眠気などの副作用がつきものであり、最近ではその人のライフスタイルや需要に合わせて効き目の強さを選択できるようになりました。
処方されるお薬の場合は医師や薬剤師に相談したり、市販薬を自分で買う場合は薬についての知識を持っておくと役に立ちます。
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