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セレウス菌食中毒の症状や治療法まとめ【この予防法を守って!】

<監修医師  WASHIO>
腹痛 

セレウス菌食中毒を知っていますか?なんと、120度で加熱しても死滅しない菌です。「加熱してグツグツいったら大丈夫」と思っていてもこの菌には通用しません。

今回は、セレウス菌食中毒の症状や予防法、治療法について解説していきます

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セレウス菌の特徴を見てみよう

 

セレウス菌は土壌細菌の一つで、土壌・水・ほこり等の自然環境や農畜水産物に広く分布しています。この菌は耐熱性(90度60分の加熱に抵抗性)の芽胞を作成します。増殖の適正温度は28〜35度です。

また、嘔吐を起こす毒素も熱に強く、126度90分でも失活しません。

 

セレウス菌食中毒の2つの特徴

 

セレウス菌食中毒・嘔吐型

嘔吐型の潜伏期間は短く、30分〜6時間、平均3時間と言われています。主な症状は、吐き気や嘔吐です

 

国内で報告されているセレウス菌食中毒の大部分が嘔吐型です。ただ、症状が軽症であることも多く、保健所に届出されないこともあり、統計に現れない発生もあるようです。

 

この嘔吐型はブドウ球菌食中毒と似ていて、食物中に畜生された毒物によって発病することから毒素型食中毒に入れられます。

 

セレウス菌食中毒・下痢型

下痢型の潜伏期間は嘔吐型よりも潜伏期間が長く8時間〜16時間、平均10〜12時間と言われています。水のような下痢、腹痛が出現します。吐き気を伴うこともありますが、嘔吐や発熱はないようです。

 

セレウス菌食中毒は、通常、人から人への感染はありません

なお、免疫が抑制された人の体内では、セレウス菌は、菌血症・心内膜炎・髄膜炎・肺炎を起こすことがあるので要注意です。また、セレウス菌は外傷後の眼内炎とも関係していると言われています。

 

髄膜炎についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
髄膜炎による後遺症に注意!【頭痛やてんかんが起こるかも】

 

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セレウス菌食中毒の主な原因食品はコレ!

 

セレウス菌食中毒は、米や小麦などの穀物農産物を原料とする食品が主な感染源になっていることが多いです。主な原因食品は、焼飯、スパゲッティー、ピラフ、焼きそばなどです。

 

嘔吐型

主に米飯が原因食品です。オムライス、チキンライス、握り飯、すし飯、弁当など米飯主体が70%を超えています。

 

そのほかの食品では、豆腐のおから、厚焼き卵、野菜の煮物、五平餅、ローストチキンなどがあります。前日、またはそれ以前に炊いた米飯を調理加工したり、また調理した焼き飯などを室温で長時間放置したりすることが原因となることが指摘されています

 

下痢型

下痢型食中毒は嘔吐型と原因食品が異なっています。食肉製品、スープ類、バニラソース、ソーセージ等多種類に渡っています。プリン、ハンバーグ、幕の内弁当、などの食品でも下痢型食中毒が発生しています。

 

セレウス菌食中毒の治療法

 

自然回復

食中毒の多くは細菌やウイルスが体内に入り胃腸の機能が低下して、嘔吐や下痢症状が出ることです。毒素を畜生しない細菌やウイルスによる食中毒は、下痢や嘔吐で排出されることで徐々に回復していきます。

 

重症化することも少ないので数日から10日ほど自宅で安静にしていると回復することが多いです。症状が辛い場合や、少しでも早く症状を治したい場合は病院で医師の診察を受け、処方薬をもらってください。

 

市販薬は飲まない

市販されている「下痢止め」「吐き気止め」で症状を抑えたくなります。これは症状を長引かせたり、重症化を招いたりする危険性があるので、絶対に飲まないでください。

 

下痢や嘔吐は体内のウイルスや細菌を早く排出するための反応です。薬によって排出しづらくなると、症状の悪化の危険性があります。また、手持ちの抗生物質の服用も耐性菌を作ることにもなるので絶対にやめましょう。

 

また、抗生物質は腸内の善玉菌も殺してしまいます。薬の服用は医師の指示に従うようにしましょう。

抗生物質による副作用についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
抗生物質の副作用で下痢や吐き気がひどい。これ大丈夫?

 

症状が重い時は躊躇せず病院へ

血便、意識障害、呼吸困難、高齢者・乳幼児など体力が弱い方、経験したことのないひどい下痢や嘔吐の方、精神不安定な方、毒キノコやフグを誤食した方は躊躇せず病院へ行き医師の診察を受けましょう

 

乳幼児や高齢者は脱水症状になりやすいのでこまめに水分補給をしましょう。

 

脱水症状対策

下痢や嘔吐の症状が続くと、体内の水分や電解質(ミネラル)が不足して行きます。人間の体は約6割が水分でできています。

 

体温調整、ph調整、代謝を円滑にする役割がありますが、水分や電解質が不足するとこれらの機能が低下し、体調が悪化して行きます。脱水状態が長時間続くと命の危険もあります。

 

水分補給は一気に飲むと胃腸が刺激され嘔吐、下痢を誘発するので少しずつ飲ませましょう。常温か、少し温かめが飲みやすいです。水分摂取が難しい場合は病院を受診しましょう。点滴などで対応してもらえます。

1番のセルフケアは「感染しない」ことにつきます。

 

脱水症状の対処方法についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
脱水症状の5つの対処法【高齢者は注意して!】

 

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セレウス菌食中毒の3つの予防法

 

つけない

新鮮食材を選び、セレウス菌が少しでもつかないように気をつけます。まな板や手や指、布巾などから感染していくこともあるので、清潔に保つようにしましょう

 

ふやさない

調理の際は、十分に加熱します。調理した食品はできる限り保存せず早めに食べるようにします。作り置きをする場合は、調理後すぐに小分けして冷蔵庫で低温保存するようにしましょう。

 

冷蔵庫を過信せず、焼き飯やスパゲッティーなどの翌日に再調理することをできるだけ避けるようにしましょう。原因物質を少量摂取しても発症しないことが多いのですが、大量摂取すると下痢や嘔吐の症状が出ます。

原因物質を増やさないように温度管理をすることが大切です。

ふやさない努力についてはこちらも参考にして下さい。

【関連記事】
ウェルシュ菌食中毒の症状!【そのカレー危険ですよ!!】

 

ころす

しっかりと消毒すること。加熱により死滅する菌もあるので、しっかりと加熱することが大切です。消毒剤はアルコール剤や次亜塩素酸(キッチンハイター)が基本となります。

 

アルコール剤はノロウイルスや芽胞を持つ菌には効果がないので、次亜塩素酸を使う方が効果的です

ただ、次亜塩素酸ナトリウムは金属を錆びさせたり、残留性の高さから人体への影響が強かったりするので次亜塩素酸水や二酸化塩素剤がオススメです。

 

「つけない」「増やさない」「ころす」ことに気をつけて、食中毒から身を守りましょう。

  当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。

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