セレスタミン配合錠の副作用を確認【効果と注意点もチェック】
<監修薬剤師 T.Nagao>
セレスタミンという薬は、アレルギーや蕁麻疹などの治療に使われる、抗ヒスタミン剤と副腎皮質ホルモン剤を含む、ステロイド系と呼ばれる種類の薬です。
効果・作用が強いために、医師の処方によってしか使えません。
抗ヒスタミンはアレルギー反応を抑える効果があり、副腎皮質ホルモンは炎症を鎮める作用があるので、蕁麻疹や湿疹によるかゆみ、薬疹、花粉症などのアレルギー性鼻炎に使われます。
薬の形状はシロップや、錠剤とありますが、今回は錠剤であるセレスタミン配合錠を対象にして、効果や副作用、使い方の注意点などについてまとめました。
セレスタミン配合錠の副作用
セレスタミンは炎症、アレルギーに強い効果がありますが、副作用もあり、特に長期使用する場合は注意が必要です。
副作用には、眠気、不眠、頭重感、悪心・嘔吐、食欲不振、下痢、胃潰瘍、口渇、倦怠感、満月様顔貌、体重増加、発疹、光線過敏症、多毛、月経異常、白血球増加などがあります。
眠気
眠気は個人差や状況でかなり強く出ることがありますので、薬を飲んだあとは車の運転や高所作業は控えてください。
また、アルコールと重なっても眠気がより強まることがありますので、併用は控えるべきです。
吐き気 嘔吐 下痢 便秘
胃や腸など消化器関連に障害が出ます。重い場合胃潰瘍からの吐血・下血が出ることもあります。
また、以下に挙げた副作用が起こるのはまれですが、重症化しやすい副作用もありますので長期の使用では特に注意してください。
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「うつ」との関連
長期にわたって大量に連用した場合、抑うつ状態が現れることがあります。憂鬱な気分が続き、気分が落ち込む、不安感がある、悲観的になる、不眠などなどです
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太る むくみ 高血圧
これも長期連用の場合ですが、中心性肥満と呼ばれる症状が出ます。顔が丸くなる、腹回り、肩まわりが太るなど、また、むくみが出たり血圧が高くなります。
続発性副腎皮質機能低下・急性副腎不全による諸症状
発熱、頭痛、全身のだるさ、腹痛、関節痛、小児が不機嫌になるなどの症状が起こります。
糖尿病の誘発・悪化
頻尿、多尿、のどの渇き、倦怠感、血管障害、神経障害、感染症などの糖尿病の症状が出ます。
膵炎
胃周辺の激しい痛み、背中の痛み、吐き気、嘔吐などが起こります。
痙攣
全身の筋肉が細かく痙攣する、しびれる、痛むなど。
骨頭壊死
大たい骨や上腕骨などの骨折、股関節の疼痛、腰痛、膝通、大腿部の前面の痛み、肩の関節痛など。
小児の症状
発育が抑制される症状が起こるので、十分注意しながら使用する必要があります。また、頭蓋内圧が上がる症状も報告されています。
これらは副作用すべてを記載していませんので、気になる症状が出た場合は、必ず医師、薬剤師にご相談ください。
<使用禁忌>
セレスタミンの使用による重大な障害が起こる恐れがあるので、次に該当する人は使用が禁じられています。
✅ この薬の成分について、過敏症になったことがある人。
✅ 前立腺肥大症をはじめ下部尿路に閉塞性の病変がある人。
✅ 緑内障、血栓症、精神病、疱疹性角膜炎、白内障、高血圧、心筋梗塞、結核、消化性潰瘍などの人。
セレスタミン配合錠の効果
炎症、アレルギー症状を抑える作用が強力な薬です。
蕁麻疹、湿疹、薬疹、アレルギー性鼻炎などの治療を目的に処方されています。
効果の持続時間
セレスタミン配合錠は抗ヒスタミン成分とステロイド成分の両方を含む大変強い薬です。
服用後30分から1時間程度で効き始めるのはヒスタミン成分によるもので、その後、1日以内にステロイド成分が効き始め、薄まりながら3日ほど体内に残存します。
蕁麻疹、湿疹、皮膚炎への効果
強い症状が起こったときなどに、即効性があり抗アレルギーと抗ヒスタミンの両方の効果を持つセレスタミンが使われます。但し慢性の蕁麻疹には向きません。
慢性の場合症状の抑制期間が長期にわたり必要になるので、長期連用で副作用が出やすいステロイド系の薬の使用は不適切なためです。
花粉症、アレルギー性鼻炎への効果
花粉症やアレルギー性鼻炎で、強いアレルギー症状が起こった時にセレスタミン配合錠が処方されます。
花粉症薬としては最も強力とされ、即効性も兼ね備えています。長期連用されるお薬ではありません。
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セレスタミンを使用する上での注意点
半減期(薬の代謝・排泄速度)
セレスタミン配合錠に含まれる主成分、ステロイド剤のベタメタゾンは、血中濃度の半減期は3.3時間です。
長期作用型の成分なので、連用すると作用が重複するおそれがあります。
アルコール併用
アルコールと同時に服用すると、ステロイドの作用が強められて副作用が増大する恐れがあります。併用はやめてください。
アレグラとの併用
アレグラは比較的副作用の少ないアレルギー薬の抗ヒスタミン剤です。セレスタミンとは抗ヒスタミンの成分が重複します。
急性症状で即効性を期待する意味では、一時期だけの併用はありえますが、継続使用は避けるべきです。
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その他の使用法
飲み方:一回何錠?いつ飲む?
セレスタミン配合錠は処方薬なので、医師の指示通りが大原則です。
通常、成人には1回1~2錠を1日1~4回が処方され、年齢、症状により適宜増減されます。最大量は一日あたり8錠(3食後と就寝前の4回に分けて各2錠ずつ)という事になります。
運転・運動
眠気は多くの場合出てくるので、運転は避けてください。運動は特に問題ありませんが、眠気で注意力が落ちますので事故が起こる運動は避けたほうがいいでしょう。
赤ちゃんの使用
乳児にも使用量を考慮したうえでシロップ剤が投与されます。指示通り使っていれば問題はありません。
セレスタミン配合錠は、大変強い効力を持つ薬で、頼りになります。
しかし副作用もいろいろありますので、病院で指示された通りに上手に使いましょう。
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