バージャー病の特徴的な症状まとめ【4つの治療法や原因も解説!】
<監修柔道整復師 りんご>
バージャー病と呼ばれる病気について耳にしたことがあるでしょうか?バージャー病とは英語読みであり、ドイツ語読みではビュルガー病と呼ばれるものです。
いずれも報告者の名前が付けられています。四肢(主に下肢)の末梢動脈の内膜の炎症により動脈の閉塞をきたし血流障害が生じる病気です。閉塞性血栓血管炎とも呼ばれます。
患者数は国内で約1万人と推計されています。男女比は10対1と男性が多く、20−40歳代に多く発症します。難病指定の病気で公費負担助成の対象疾患です。
今回はそんなバージャー病についてその症状や原因、治療法について以下に解説していきたいと思います。
バージャー病の症状
知覚異常
詰まった動脈から足先や指へ酸素と栄養が届かなくなると、その部分が酸素不足、栄養不足となります。そうなると酸素供給のない箇所は色が悪く冷たくなります。脚部の動脈に起こると、下肢の冷感を感じます。
血流が悪いため、手足の指や皮膚が蒼白、紫色になるレイノー現象が生じることがあります。これは足が死にかけている状態であり、この状態が続くと壊死を起こします。
しびれ
バージャー病の初期の段階では手足のだるさやしびれが特徴的です。末梢に血液が行き届かないためしびれを自覚します。
バージャー病はゆっくりと進行していきます。早いうちに医療機関を受診し、禁煙やリハビリなどを行えば進行を抑えることが可能です。
喫煙による身体への影響についてはこちらを参考にして下さい。
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むくみ
静脈は血液が足先から心臓・肺に戻るための血管であり、その静脈が詰まると、むくみが生じます。血流が滞ると足の痛みなどを感じることもあるようです。
歩行困難
足先に血流が届かなくなると、長距離を歩くことができなくなり、これを完結性跛行といいます。歩き続けると足に痛みやしびれ、ふくらはぎの張りや痛みを感じます。
停留所1区間の距離も何度も休みながらでないと歩けなくなり、長時間立っていることもできなくなります。
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潰瘍・壊死
病状が進行すると、歩行時以外も血流の悪さから足先の痛みなどが起こるようになります。ジーンとした痛みで夜も眠れなくなります。
この状態は壊死まであと一歩というところまで進行している状態であり、直ちに病院に行く必要があります。
最終的に進行すると詰まった手足の指先が壊死します。特に足指の場合は、靴による圧迫などで炎症が起き潰瘍ができることもあります。傷口から菌が入ると切断することも考えなければなりません。
バージャー病にかかる原因
喫煙
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮する作用があり、バージャー病患者の血管はすでに炎症を起こし狭くなっているため非常に危険です。喫煙は次に解説する歯周病も悪化させる原因となります。
喫煙により白血球が減少し細菌と闘う力がなくなります。さらにニコチンの代謝産物であるコチニンがあるとますます歯周病菌の動きは活発になるため悪循環となります。
歯周病
平成17年に日本の研究機関からバージャー病と歯周病の関連性について報告されました。
歯周病はポーフィロモナス・ジンジバリスという歯周病菌から生じますが、バージャー病患者の詰まった血管14標本中から13本歯周病菌が発見されました。
歯周病菌は血管内で血小板と強く反応して血小板や赤血球の塊を作ると言われています。これらの塊は血管をより狭くし、閉塞させる恐れがあります。
喫煙により体の体力が落ちると歯周病がますます悪化し、血管の閉塞と重なることでさらに病状の進行を加速させます。
バージャー病の治療法
禁煙
発症や症状の憎悪と喫煙は密接に関係しており、喫煙を続けていると他にどのような治療を施しても無効です。禁煙することで急速に回復し進行を防ぐこともできます。
ニコチン依存症の治療方法についてはこちらを参考にして下さい。
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薬物療法
根治させることはできませんが、バージャー病特有のつらい症状を緩和させることができます。
まず血液の循環を改善し血栓の進展を予防するために、抗血小板薬や血流改善薬、抗凝固薬などの薬剤を投与し血栓をできるだけ作らせないようにします。
血管拡張剤は狭くなった血管を広げ完結性跛行の改善に役立ちます。代表的な薬剤はシロスタゾールやプロスタグランジン製剤です。
手術
保存療法で改善を認めない重症者には血行再建手術(バイパス手術など)が行われます。これは虚血症状に対して最も効果的な治療法で、閉塞した血管部分にバイパスを通し血流を改善させるものです。
しかし血行再建手術が可能な症例は全体の20%以下と低値です。またバイパスができた先の血管が細かったり状態が悪ければ再度詰まってしまうことが多いため、禁煙することが非常に大切です。
重症の虚血症状(安静時疼痛、潰瘍や壊死)がある場合には、薬物療法に加え高圧酸素療法を行って局所に高濃度の酸素を供給したり、交感神経節ブロックや交感神経節切除手術などを行い皮膚血流を増加させることもあります。
血管新生療法
遺伝子治療や細胞移植法などで血管を新生させる新しい治療法も行われ始めています。
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