土踏まずにかゆい湿疹が出来た!【5つの原因はコレです】
<監修医師 田中 恵文>
土踏まずにかゆい湿疹が出来たら、これこそ隔靴掻痒そのものです。かゆいところに手が届かない、精神的にもストレスを感じます。そんなことになる原因とは何でしょう。
蒸れるからあせも?水虫?何かの病気なのかもしれません。土踏まずがかゆい原因、治療法などについて解説します。
土踏まずがかゆい原因
足白癬(あしはくせん)
カビの一種白癬菌による感染症です。タイプによって3つに分けられます。
足の指や間にでき、赤身をおびて皮がむける趾間型(しかんがた)、水疱ができかゆい小水疱型水虫、足の裏・かかとが乾燥して硬くなりひび割れたりする角質増殖型があります。
症状は単独ではなく複数が同時に起こることもまれではありません。カビによるものなので、繁殖しやすい高温多湿の夏場には多く発生します。
足の裏を清潔にしておけば防げるので、こまめに足を洗うことが予防になります。
カンジダ菌
カビの仲間の真菌の一種です。真菌は普段から皮膚にいる常在菌で、害を及ぼすことはありません。
しかし風邪やストレス、疲労が引き金になって免疫力が下がったときに、カンジダ菌が繁殖してかゆみを起こしたりします。
ダニ
ヒゼンダニはヒトの皮膚に寄生します。侵入されると激しいかゆみがあり、痛み、水ぶくれもあります。手首、肘、足の皮膚に食いついて中に入り繁殖します。
この症状を疥癬(かいせん)とよび、感染するので注意が必要です。
他に家の中にはイエダニとかツメダニもいて、咬まれると赤い発疹、ブツブツができかゆくなります。この場合は水ぶくれはありません。
ダニによる湿疹についてはこちらを見て参考にして下さい。
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その他
✅ 血行
マッサージを受けたり足湯を使ったりすると、足の裏がかゆくなることがあります。押したり温度変化によって血行がよくなり、血管がひろがって柔らかい足の裏を刺激することでかゆみが出ます。
✅ 蒸れ
また、夏など暑いときに靴の中に汗をかいて、蒸れてかゆくなることもあります。時々は外気にさらして蒸れを解消しましょう。
土踏まずがかゆくなる病気
汗疱(かんぽう)
汗疱は、異汗性湿疹とか汗疱状湿疹ともいいます。小さい水疱がたくさんできて、強いかゆみを伴います。
できるのは足の裏に限ったことではなく、手のひら、手の指の間などにもよくできます。水虫に似て間違えやすいのですが、白癬菌によるものではありません。
季節的には汗が出やすくなる春から夏にかけて多くなり、はっきりした原因は解明されていません。多汗体質やストレス、アレルギー、発汗に関わる自律神経の乱れなどが考えられます。
接触性皮膚炎
いわゆるかぶれです。何かに触れたことが原因になります。足の土踏まずはやわらかく、刺激に敏感なので、かゆみが起こりやすくなります。
原因の80%は触れたものの刺激で起こる刺激性接触皮膚炎です。油や洗剤、石鹸、昆虫の毒などが原因になっています。
あとは原因物質が皮膚につくことでアレルギーが起こる、アレルギー性接触皮膚炎で、原因物質は数千におよぶといわれます。いずれも原因物質を避けることが対処になります。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
手のひらや足の裏に水疱ができて皮がむけます。白や黄色の膿のように見えることもあります。水疱は無菌性膿瘍(むきんせいのうよう)といい、中に菌はいないのでつぶしても移ることはありません。
かゆみは次第に収まりかさぶたになって、最後はそれが剥がれ落ちて治ります。
水疱の正体は、皮膚の新陳代謝の速度が異常に早くなって、自分の細胞が固まりになったものです。原因はまだ解明されていません。金属アレルギーとか喫煙、水虫のような菌が原因とするなどの説があります。
ムズムズ脚症候群
脳内のドパミンの分泌が異常になって起こります。土踏まずやふくらはぎに、虫が這うようなムズムズした感覚が起こります。
始めの内はなんとなく土踏まずがムズムズする感じですが、進行するとかゆみが強くなって、夜眠れないようになることもあります。
土踏まずのかゆみの治療法
足白癬、カンジダ菌が原因の場合
カビに感染したことが原因なので、まず菌の確認が必要です。そのうえで適切な内服薬や外用薬で治療するので、まず受診して診断してもらうことになります。
自己判断は無理なので、異常があったらまず皮膚科へいきましょう。
治療は一か月以上にわたる長期間になります。毎日入浴して足を清潔にして、日中はつとめて足の乾燥を心がけます。
ダニの場合
ヒゼンダニに取りつかれると厄介ですが、これに限らずダニかどうかは判断がむずかしいので、皮膚科へ行かないと対処できません。ダニらしいと感じたらとにかく皮膚科を受診するのが一番の対処法です。
イエダニ、コナダニとわかった場合は市販薬でも対処可能です。ムヒアルファEXなどが効果的です。
ダニの予防としては、家の中にこまめに掃除機をかけるとか、熱に弱いのでふとん乾燥機を使うのも有効です。シーツや枕カバーはアイロンをかけましょう。
ムヒアルファEXの効能についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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汗疱、掌蹠膿疱症の場合
感染ではなく、原因も現在のところ特定できていないので、対症療法になります。皮膚科を受診して、適切なステロイド外用薬、尿素配合軟膏、ビタミンD3などの外用療法が基本になります。
汗疱は水虫や単なる湿疹と間違えやすく、自己判断は症状を悪化させます。水疱ができてかゆくなったら、まず皮膚科を受診しましょう。
汗疱の水疱は、皮膚科ではつぶさないように指導されますが、歩くうちにつぶれて不潔になりがちです。自分でつぶすと同時に消毒し、馬油などで保湿すると早く治ります。
掌蹠膿疱症の場合は病巣感染を抑えるために抗生剤の長期内服も行われます。治療は長期にわたることが多く、3年以上続くことも珍しくありません。
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接触性皮膚炎(かぶれ)の場合
土踏まずにかゆみ、かぶれが出た場合は何にかぶれたのかを思い出してみましょう。足の裏に直接触れるものは種類がそう多くないので、比較的思い出しやすくなります。
推定できたらそれを近づけないのが一番です。かぶれがひどければ皮膚科で薬を出してもらいましょう。
ムズムズ脚症候群の場合
皮膚に異常はなく脳分泌が原因なので、担当は「神経内科」「睡眠外来」「精神科」になります。皮膚科へ行っても神経内科などへ紹介してくれます。
鉄分の不足やストレスが直接の原因なので、食事に気をつけたりストレス解消などは自己対応が可能です。
その他の土踏まずのトラブルについてはこちらを見て参考にして下さい。
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まとめ
土踏まずがかゆいのは、やっぱり感染などの病気が多いようです。それもほとんどが病院へ行くべきものがほとんどです。
症状、見た目がまぎらわしくしろうとには判断できないことが多いので、異変を感じたらすぐ病院へ行きましょう。
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