パンを食べ過ぎた!【アレルギーで下痢や肌荒れに注意して!】
<監修医師 まっちゃん>
パンを食べ過ぎたらどうなるか知ってます? もちろん太ります。同じ重さだとカロリーはご飯よりかなり高く、血糖値も上がりやすい食品です。
それ以外にちょっと困った面も持つ食品でもあります。アレルギー症状が起き、下痢や肌荒れなどの困った症状も出てくる食品なのです。
今回はパンを食べ過ぎて起こる症状と、その対策についてまとめました。
パンの食べ過ぎでアレルギーになる
遅延型フードアレルギー
パンに限ったことではありませんが、食べ過ぎることでアレルギーになることは実際起こり得ることです。
好きなものを食べ続けるうち、腸内でアレルゲン(アレルギーを起こす原因物質)が作られます。そうするうちにだんだん体調が悪く(肌荒れ、便秘など)なり、アレルギーになってしまいます。
体調が悪くなった時に、パンを食べ過ぎていることに気付いて食べるのをやめれば悪化せずに済みます。
でもなかなか気づくことはむずかしく、症状もゆっくり遅れて出てきて、アレルギー体質ができ上がってしまいます。
このようなアレルギーを、遅延型のフードアレルギーと呼んでいます。アレルゲンは多くの種類の食物が関係した複合的なもので、全身に多様な症状を起こします。
即効型食物アレルギー
ところで、遅効型があるのなら即効型もあるはずですね。即効型といわれるほうが一般的に知られた、いわゆる食物アレルギーです。
エビや卵などのアレルゲンを口にいれて30分もすれば腹痛、下痢、蕁麻疹(じんましん)などの症状が現れます。
子供に多く見られるタイプで、反応が速いので原因物質を特定することが簡単です。大人の食べ過ぎでは原因の特定が難しくなります。
なお、パンのアレルギーでもグルテンがアレルゲンの場合はこちらの即効型になります。
パンの原料である小麦が原因で起きる場合もあります。くわしくはこちらを見て参考にして下さい。
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食べ過ぎでおこる症状
アレルギー症状
食べ過ぎでおこる遅延型アレルギーの場合、症状が出るのは早くて6時間後、多くは丸一日経ってからとか、相当時間をおいて現れます。炎症がじわじわと広がりながら進行し、全身に及びます。
たいへん広い範囲に多種多様な症状があらわれ、しかもなかなか原因に気付かない、厄介な症状です。
✅ 消化器官…過敏性腸症候群, ガスがたまる, 便秘, 下痢, 吐き気 など
✅ 神経系統…不安感、情緒不安定, 抑うつ, 集中力不足 など
✅ 筋肉・骨格…関節炎, 関節痛, 筋肉痛, 手足のだるさ など
✅ 泌尿生殖器系統…頻尿, ほてり, 尿意切迫, 膣のかゆみ, など
✅ 呼吸器系統…ぜんそく, 鼻水, 鼻づまり, 咽頭炎 など
✅ 循環器系統…不整脈, 胸痛, 頻脈 など
✅ 皮膚系統…アトピー性皮膚炎, 湿疹, 目の下のくま, 多汗 など
✅ その他…慢性疲労, 偏頭痛, むくみ, 口内炎, 涙目 など
グルテン過敏症(またはグルテン不耐症)
グルテンはパンの材料の小麦粉に多いタンパク質で、その中の主要成分グリアジンに過敏に反応することで起こる症状です。グルテンアレルギーとは違い、症状はゆっくり現れます。
主な症状には頭痛、関節痛、湿疹、集中力の低下、全身倦怠感、便秘、下痢、膨満感などがあります。
※よく似た症状の病気にセリアック病というものがあります。パンやパスタなど小麦食の多い欧米人に多い病気で、グルテンに対する免疫反応から起こる自己免疫疾患です。
食べ過ぎとは関係なく、遺伝的要素が強いようです。
中毒性
これもグルテンの成分グリアジンによるものです。脳に作用して快感とともに食欲を増進します。
小麦を食べれば食べるほど食欲が増し、摂取するカロリーは増え、血糖値上昇から肥満へと進みます。
また、糖質中毒もあります。砂糖や炭水化物を過剰に摂り続けると、たくさん食べないと我慢できない中毒症状が起こります。
糖質が脳に快感を与えることで起こる症状です。糖で脳内にドーパミンという神経伝達物質が放出され、満足感を感じます。
しばらく糖質を摂らないと、イライラ、怒りっぽいなどの禁断症状が起こります。コカインなど薬物による中毒症状と同じものです。
糖質についてはこちらも参考にして下さい。
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肥満
食べ過ぎといえば肥満です。パンは炭水化物です。そして添加物として砂糖、マーガリン、バターといった脂質、糖質を含みます。
そして食べる時にはジャムやバターを塗ります。これもまた糖質、脂質です。
要するにパンは太るもののかたまりなのです。それを食べ過ぎれば当然ながら太ります。
さらに主食がパンだと、副食として摂るものは脂肪の多い肉料理を中心に、脂質の多いものになりがちです。パンの食べ過ぎはどうしても肥満に行ってしまいます。
皮脂の増加
パンを食べ過ぎて糖質が過剰になると、余った分は分解されて脂肪に変えられます。この結果、皮脂の分泌が多くなって脂性の肌になり、ニキビができたり肌荒れの原因になります。
アレルギーにならないための対策法
アレルギーになってしまうと、アレルゲンから遠ざかる必要があり、正確にアレルゲンが何なのか分かるまでパンや他の小麦製品は食べてはいけません。
でもパン好きとしては、そうなる前に対策をとりたいものです。何かできることをさがしてみましょう。
グルテンフリーダイエット
グルテンにはグリアジンという物質が含まれていて、これは食欲を増進する効果を持っています。パンの食べ過ぎは、このグリアジンの影響かもしれません。
この食べ過ぎの結果アレルギーになったり太り過ぎたりといった弊害が起こります。
この対策法としてグルテンフリーダイエットが出てきます。パンを食べ過ぎたのだからやめればいいだけなのですが、パン好きな人には無理です。
でも実は簡単。小麦粉を米粉に替えてパンを焼けばいいのです。市販、通販でもけっこう米粉のパンは見つかります。
急に100%米粉に変えなくても、次第に減らすだけでも効果は得られます。米粉のパンならグリアジンがないので、食欲がわいて食べ過ぎることもなくなります。
米粉パンは腹持ちがいいので、間食も減らせるでしょう。
同じパンを食べ続けない
同じ成分が続けて体に入ることがアレルギーの抗原を作る最大の原因になります。同じパンなら小麦や油分などの成分も同じものになります。
いくら好きでも同じパンを食べ続けるのはせっせとアレルゲンを製造しているようなものです。
同じものばかり食べてしまうことの弊害についてはこちらを見て参考にして下さい。
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同じメーカーのパンばかり食べない
パン好きでも、さすがに同じパンばかりでは飽きるので種類を変えますが、同じ店の売り場にあるものは、同じメーカーのパンばかりということがよくあります。
メーカーはコストダウンのために、種類は違ってもできるだけ同じ材料を使うのが普通です。
そうするとパンに含まれるのは同じ成分ばかりになって、同じパンだけたべているのと変わりない結果になります。
買う店を変えたり、自分で焼いてみたり、米粉パンを探すなどしてできる限り同じものを食べないように、神経を使いましょう。
和食も取り入れる
食事の洋風化が進んで、弊害もあれこれ取りざたされていますが、確かにバランスのとりやすい和食をもっと見直すべきでしょう。
特に朝食などは同じパターンになりやすいので、ごはんもメニューのうちに取り入れて偏らないよう注意しましょう。
まとめ
何といっても手軽なパンなので、つい食べる機会が多くなります。それによって起こる、あまりポピュラーではないアレルギーがあることがおわかりいただけたかと思います。
好きなパンを食べ続けるためには、ほどほどが大切なようです。
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