フロモックス100の効能!服用方法を間違えないで!
<監修薬剤師 T.Nagao>
風邪をひいて、病院で診察を受けて薬をもらう時、自分がどんな薬を処方されているかご存知ですか?
最近はお薬手帳などで記録を残してくれるので、昔よりは分かりやすくなりましたよね。
今回は、風邪をひいた際に処方される場合もある抗生物質フロモックス錠100mgについてご紹介します。
薬の情報をきちんと理解した上で治療に役立てましょう!
気になる所から確認してみよう
フロモックス錠100mgの効能!効果的な理由
フロモックス錠100mgってどんな薬?
それでは、まずフロモックス錠100mgとはどんな薬なのか、ご説明します。
フロモックス錠100mgは経口抗生物質です。
抗生物質とは、微生物の細胞増殖や細胞機能を阻害する物質、つまり病気の原因となる微生物を死滅させるための薬です。
ペニシリンという名前を聞いたことがある人も多いでしょう。ペニシリンも、抗生物質の一種です。
そのためフロモックス錠は細菌が原因となる疾患に処方されます。
風邪はウイルス性疾患のため、フロモックス錠が処方されることはありません。
抗生物質が病原菌をやっつける!
フロモックスは、種類ある抗生物質の中でも、セフェム系と呼ばれるグループの薬です。
このグループの薬は、病原菌が細胞の壁を作ることを阻害する作用があります。
細胞の壁がないと、微生物は自分の形が保てなくなり、死滅してしまうのです。
また色々な種類の病原菌に有効なため、細菌などが原因で炎症を起こしている病気(膀胱炎や咽頭炎、中耳炎、扁桃腺の腫れ、溶連菌など)でも処方されます。
特に歯科では抜歯の際に起きる炎症を抑えたり、抜歯までは行かない歯のトラブルに対処するためによく処方されます。
風邪の場合、咽頭・喉頭炎など細菌感染による、のどの痛みや発熱をともなう時に処方されることが多いです。
実は、インフルエンザや、一般的なウイルス性の風邪に抗生物質は無効なのですが、細菌による二次感染やその予防のために処方されます。
ただし抗生物質を使用しすぎると耐性がつき、フロモックスが効かない菌が誕生するおそれがあります。
そのため「なんだか喉がイガイガする」「鼻水が止まらない」「いつもより咳が続く」といった軽度の風邪には使用しません。
風邪薬代わりに気軽に使用しないことが重要です。
フロモックス錠100mgの服用方法!飲み合わせに注意!
基本的な服用方法は1回1錠、食後に飲む
フロモックス錠100mgは、処方箋医薬品ですので、服用方法は医師や薬剤師の方から説明があると思います。
基本的には、1日3回、各1錠を食後に服用します。抗生物質を飲むときに大事なのは、何錠飲むか、ではなく服用方法を守ることです。
フロモックスは、体内で一定の濃度で保つことが重要です。飲み忘れたからといって1回に2錠飲んだり、1日分を一度に飲むのは避けてください。
ただし、効果が薄いと判断された場合は、1回150mg分処方されることもあります。
必ず主治医の方や薬剤師の方の説明をよく聞いてください。
薬は飲みきる
抗生物質を処方されたら、すべて飲みきるまで服用をやめないでください。
症状が治まったかな、と思っても、細菌が弱っているだけの事もあります。
もし抗生物質を飲むのをやめてしまうと、また細菌が活動し始め、症状がぶり返してしまう事も。
服用期間を守ることが重要になります。
薬を飲みきって、完治させましょう!
薬の飲み合わせは大丈夫?
フロモックス錠100mgは、いわゆる頭痛薬や総合感冒薬(かぜ薬)とは組み合わせて飲むことも可能です。
ロキソニンやカロナールといった、風邪の際によくお世話になる薬との飲み合わせも可能であるため、よく病院で併せて処方されることもあります。
ただし、低用量ピルを服用されている方は注意してください。
一般的に抗生物質はピルの効果を下げる可能性があると言われています。
低用量ピルとの併用は、効果減弱だけでなく、不正性器出血の発現率が増大する可能性もあります。
避妊目的で低用量ピルを使用している方は、抗生物質を服用している間は別の避妊方法を併用してください。
一緒に飲んだからといって必ず避妊効果が下がる訳ではありませんが、 用心するに越したことはありません。
またセフェム系の抗生物質は二日酔いを悪化させるはたらきがあります。
フロモックスはセフェム系の抗生物質ですので、薬の服用後にアルコールを摂取するのは避けましょう。
子供も服用できるの?
フロモックスには小児用の錠剤もあり、服用することが可能です。
ただし「大人用を子供に少しだけ服用させる」ことはできません。
小児用に処方されるフロモックス錠75mgは、対象となる子供の症状や年齢、体重などを加味した上で用量が決定されています。
大人向けの薬を服用させると思わぬトラブルの元になりますので、絶対に避けます。
フロモックス錠100mgは授乳中でも服用して大丈夫?
授乳中の服用は医師と相談してからがベスト
フロモックス錠100mgは、比較的安全な抗生物質で、妊娠中・授乳中の服用が不可とされている薬ではありません。
フロモックスは、母乳への移行が少ないと報告されています。(大分県「母乳と薬剤」研究会編 母乳と薬ハンドブック)
また、妊娠初期から後期までの妊婦への処方も可能な薬です。(産婦人科診療ガイドラインー婦人科外来編2014)
母乳は赤ちゃんにとって大切な栄養源ですので、できるだけ飲ませてあげたいですね。
どうしても不安な方は、こう考えてみてはいかがでしょう。フロモックスの血中濃度は服用後1〜3時間目がピークです。
母乳は、授乳をしてから2時間半から3時間ほどで作られます。
服用直後に授乳して、2〜4時間後の授乳はミルクで代替(その分の母乳は絞って出してしまう)そうすれば、抗生物質の影響を最小限にできますよね。
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いずれにしても、一人で不安がらずに、医師の方に授乳中であることを伝え相談してみてください。
フロモックスは子供から大人まで処方され、適用範囲の広い抗生物質です。
処方されたら、用法を守って使用してください。そして、早く治して元気な毎日を送りましょう。
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