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プロポフォールの副作用や作用まとめ【小児に禁忌の理由とは?】

<監修薬剤師 いちかわえつこ>
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以前「子供への使用は禁忌!」などと報道されていましたが、実際のところプロポフォールとはどういった薬かご存知でしょうか?

今回はプロポフォールの副作用や作用、小児に禁忌の理由などについて解説していきたいと思います。

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プロポフォールの作用

 

全身麻酔の導入及び維持

✅ 導入

通常、成人には0.05ml/kg/10秒(プロポフォールとして0.5mg/kg/10秒)の速度で、患者の全身状態を観察しながら、就眠が得られるまで静脈内に投与します。なお、重度の全身性疾患などがある患者の場合は、より緩徐に投与します。

 

✅ 維持

通常、酸素もしくは酸素・亜鉛化窒素混合ガスと併用し、プロポフォールを静脈内に投与します。適切な麻酔深度が得られるように患者の全身状態を観察しながら投与速度を調整します。また鎮痛剤(麻薬性鎮痛剤・局所麻酔剤等)を併用するようにします。

 

なお、局所麻酔剤併用時には通常より低容量で適切な麻酔深度が得られます。

 

全身麻酔についてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。

【関連記事】
全身麻酔の人体への影響【この副作用や後遺症に注意して!】

 

局所麻酔についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
局所麻酔の痛みは激痛?【副作用や種類に関しても分かりやすく解説】

 

集中治療における人工呼吸中の鎮静

成人(高齢者を含む)にはプロポフォール剤を0.03ml/kg/時(プロプフォールとして0.3mg/kg/時)の投与速度で、持続注入にて静脈内に投与を開始し適切な鎮静深度が得られるよう患者の全身状態を観察しながら、投与速度を調節します。

 

通常、成人にはプロポフォール剤を0.03〜0.30ml/kg/時(プロポフォールとして0.3〜3.0mg/kg/時)の投与速度で適切な鎮静深度が得られます。

 

なお、疾患の種類、症状の程度を考慮して、必要とする鎮静深度に応じて投与速度を増減します。

 

その他

少し前ですが、マイケルジャクソンがプロポフォールの大量投与で命を落としています。静脈注射・点滴をすることで「すぐに眠れる、スッキリ目覚められる」などの効果作用を目的として使用していたのではないかと言われています。

 

プロポフォールには中枢神経の抑制効果があるので睡眠を促す作用があります。投与すると数十秒で効果が出るようです。

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プロポフォールの副作用

 

プロポフォールには中枢神経を抑制する作用があるので、中枢神経につながっている心臓や肺などの心肺機能にも影響があります。

プロポフォールは、単体でもかなり強い麻酔作用のある鎮静剤なので過剰投与されると副作用が出る危険性があります。

 

心拍数の低下

麻酔作用によって心臓の鼓動が遅くなります。そのため心拍数が低下します。低下すると血流が悪くなるので全身に影響が出てきます。

脈拍数の正常値についてはこちらを参考にして下さい。

【関連記事】
脈拍が遅い4つの原因と病気【正常値と比較しながら対処法を解説】

 

血圧低下

心拍数が低下するので、血液を全身に送る力も弱まります。そのため、血流が悪くなるので全身に影響が出てきます。

 

呼吸不全

過剰投与により、中枢神経系が過剰に抑制され、呼吸力そのものが低下します。ひどい時は呼吸そのものが止まってしまいます。呼吸が止まると命に関わってきます。

 

アナフィラキシーショック

アナフィラキシーショックは麻酔薬に起因する最も重篤な合併症の1つです。呼吸困難や気管支痙攣などの呼吸器系症状、血圧の低下、失神、全身的な蕁麻疹、口唇・舌の浮腫、痙攣など、発現する症状は多岐に渡り、患者によって異なります。

 

約90%は麻酔薬の導入後すぐに発現し、対応が遅れれば命に関わることもあるため迅速で適切な処置が必要になります。

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小児に禁忌の理由

 

新生児、乳児、幼児、小児に対する安全性は確立していないようです。また、小児の集中治療における人工呼吸中の鎮静は禁忌となっています。

 

使用方法が確率していないから

新生児、乳児、幼児、小児に対する安全性が確立していません。つまり、小児への安全な使用方法が確立されていないのです。

 

緊急時の解毒・レスキュー方法がないから

プロポフォールは他の麻酔薬と違って、解毒効果のある薬がないため過剰摂取した人を簡単に助ける方法はありません

 

2歳の男の子がプロポフォール大量投与で死亡

2014年に2歳の男の子が手術後、集中治療室での経過観察中に死亡する事故がありました。

この時、「小児に禁忌」と報道されましたが、実際は「小児の集中治療における人工呼吸中の鎮静」「小児への長期大量投与」が禁忌となっていて、小児に対して全面的に禁忌というわけではありません

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