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ボナロンの効果や副作用とは【錠や点滴などタイプも詳しく解説】

<監修薬剤師 サリー>

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あなたは骨密度を測定したことがありますか?

 

超高齢社会と言われて久しい今日ですが、骨密度の低下は40代からすでに始まっているとも言われています。

 

専門医を受診したり、何かの症状が現れたりしないかぎり、普段あまり気にかけることがないのが「骨の健康」です。

 

骨粗鬆症治療薬「ボナロン」というお薬の名前を聞いたことがありますか?整形外科などで骨型の可愛らしいキャラクター「ボナロンくん」をひょっとしたら見かけたことがあるでしょうか。

 

ここでは、骨粗鬆症治療薬「ボナロン」について解説します。

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ボナロン錠とは

 

加齢などに伴って弱く脆くなる骨を強化する働きを持つお薬が「ボナロン錠」です。骨粗鬆症の治療薬として2001年から帝人ファーマから発売されています。

 

新陳代謝を繰り返して更新されていくようにできている骨ですが、古い骨を壊す役割を持つ「破骨細胞」が加齢とともに増加していきます。

 

作り出す「骨芽細胞」よりも壊す細胞の方が強くなるために、更新サイクルは崩れてカルシウムは骨から溶け出して骨密度が下がっていきます。

 

「ボナロン錠」は「破骨細胞」の働きを抑制することで「骨芽細胞」の働きを高めて「骨が壊れる速さを抑制する」というお薬なのです。

 

内服タイプでは毎日もしくは週に1回服用するタイプの錠剤や、飲み込みが悪くなってきても服用しやすい経口ゼリーがあります。

 

1ヶ月効果が持続する点滴タイプがあるのも便利です。ジェネリック薬品もすでに発売されています。

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骨粗鬆症とはどんな病気

 

骨粗鬆症とは骨密度が低下して骨折しやすくなる疾患です。

 

女性の場合18歳あたりで骨密度はピークを迎えます。50歳あたりからその密度は低下していきますが、食事や運動の量が減少するなども影響しているようです。

 

原因は骨の代謝バランスが崩れること閉経後の女性ホルモン量の低下です。また、服用中の薬によっては副作用として骨が脆くなることもあるのです。

 

自覚症状はないことが多く、あったとしても腰痛ぐらいです。高齢者において、自覚症状がないままくしゃみ程度の衝撃で骨が折れてしまうこともあります。

 

また、何もないところで転倒して背骨や手首を圧迫骨折することが多いようです。

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ボナロンの作用を詳しく解説

 

骨粗鬆症の治療薬は「骨形成促進薬」「骨吸収抑制薬」の2つに分類され、ボナロン錠は後者の「骨吸収抑制薬」です。

 

骨が壊される過程を骨吸収と呼びますが、骨のカルシウムが血液の中へと放出されて、骨が壊されていきます。

 

この時、骨が壊される過程に関与している細胞すなわち「破骨細胞」は骨を溶解する酸を分泌して骨の分解吸収を行います。

 

ボナロンは体内に入ると骨の成分「ハイドロキシアパタイト」に結合します。

 

破骨細胞が酸を分泌して骨を溶かそうとするとハイドロキシアパタイトから遊離して、破骨細胞に結合して酸の分泌を抑制する特性を持っています。

 

破骨細胞にボナロン錠の成分が結合することで、骨の溶解を阻害するのです。

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ボナロン錠の特徴的な服用方法

 

骨粗鬆症抑制に効果があるボナロン錠ですが、服用方法にはいくつかの注意点があります。

 

用量

5mg錠は1日1回、毎朝起床時に服用します。35mg錠は1週間に1回、起床時の服用です。

 

守らなければならない用法

経口投与では必ず「起床時」に飲むことを忘れないようにしましょう。口の中で溶かしたり噛み砕いてはいけません。

 

朝起きてすぐ、食事の前に水約180ml(コップ1杯程度)で服用します。水以外のお茶やコーヒーなどの飲み物で飲んではいけません。

 

ミネラルウォーターも厳密に言えば水ですが、ミネラルの含有量が多いため避けます。

 

服用後の注意

服用後30分は飲食禁止です。他の内服薬との併用もいけません。

 

また服用後30分は横にならないということも注意点です。30分後から朝食を摂れますが、朝食が済むまでは絶対に体は起こした状態にしなければなりません。

 

用法や服用後の注意がある理由は?

多めの水で服用したり、服用後は横になってはいけないという注意には理由があります。

 

ボナロン錠は長時間消化器内に残っていると、口の中や食道などに潰瘍を作る恐れがあり、食道炎や胃炎のリスクが高まります。そのため多めの水で服用し横になってはいけないということなのです。

 

また、服用後30分以上たってから朝食をとる指示があるのは、飲食による薬の吸収阻害を避けるためです。

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飲み忘れしない!ボナロンには点滴薬もある

 

毎朝もしくは1週間に1回、服用方法を守って・・・忙しい人にはちょっと難しいこともあるかもしれません。忘れることもありますよね。

 

飲み忘れの恐れがないように、効果持続の期間が1ヶ月という「ボナロン点滴静注バッグ900μg」があります。

 

4週間に1回の通院でうける30分程度を要する点滴注射です。内服薬より飲み忘れがなく簡単ということから、点滴薬を選択する人も増えているようです。

 

ボナロンの副作用をしっかりチェック

 

どんな薬にも効果と副作用があります。ボナロンにはどのような副作用があるのか見ていきましょう。

 

主な副作用

口腔内や消化器などに潰瘍を作る恐れがあるということから、胃腸系の副作用が多いようです。

 

✅ 嘔気

✅ 便秘・下痢

✅ 胃炎・胃痛

 

消化器症状以外ではLDH上昇CK・CPK上昇などが血液検査で発覚することもあるようです。

 

重篤な副作用

稀に起こる重篤な副作用についてです。本当に稀な頻度ではありますが

 

✅ 低カルシウム血症

✅ 食道狭窄・食道穿孔などの食道障害

✅ 関節痛や筋痙攣

 

歯科治療中は要注意

顎関節症や抜歯など、歯科や口腔外科で治療・処置を受けている場合にはボナロン服用を申告する必要があります。

 

重篤な副作用に「顎骨壊死」「顎骨骨髄炎」というものがあります。歯科治療後に「薬剤関連顎骨壊死」という合併症が起こることがあります。

 

抜歯など外科的な処置の後に骨の治癒が悪くなって、骨が壊死するというものです。具体的にどれぐらいの数という数値はありませんが、リスクがあるということは覚えておいた方が良いでしょう。

 

口の中が不衛生であることがこの副作用のリスクを増すので、歯磨きなどを欠かさないようにしましょう。

 

禁忌と飲み合わせ

ボナロンを使用してはいけない場合を見てみます。

 

食道通過障害(アラカシアなど)がある場合にはボナロンの食道通過が遅れるため、副作用が起こる確率が上がります。

 

30分以上上体を起こしたまま・起立姿勢を取れない人は服用できません。

 

ボナロンや「ビスホスホネート」に過敏症がある場合も使用できませんし、女性ホルモン剤を投与中の人は血栓リスクが上がります。

 

酸化マグネシウムと併用すると高マグネシウム血症を発症することがあります。便秘薬に配合されているため、市販薬でも注意が必要です。

 

妊婦さんは作用が副作用を上回る場合にのみ適用となるため申告しておきましょう。

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骨粗鬆症を日常生活から意識して予防しよう

 

ボナロン錠という治療薬はありますが、治療をうける状態にならないように日常生活で自ら予防をする方法を考えると良いです。

 

予防は食生活から

「骨の健康に必要な栄養素は?」と問われれば、まず「カルシウム」でしょう。

 

1日に800mgの摂取が必要だと言われていますが、まかなうには牛乳をコップ3杯毎日飲まなければなりません。

 

もしも毎日コップ3杯の牛乳を飲めたとしても、吸収するためのビタミンDも必要です。また骨を強化するビタミンKも上手に取らなければ「骨の健康」を保つためのバランスが良くなりません。

 

食事療法でも同様で、カルシウムを多く含む乳製品や小松菜・小魚などを多く食べるようにします。

 

それとともにビタミンDならきくらげやしらす、ビタミンKなら納豆やワカメ・のり・緑黄色野菜などをうまく組み合わせて食べるようにしましょう。

 

「なかなか食事では難しい」という時にはサプリメントを取り入れるのも良い方法です。

 

カフェインを含む飲料などを習慣的に大量に摂取していると、カルシウムが尿中に排出されやすくなり骨が弱ると言われています。

 

喫煙や多量の刺激物なども避けるようにしましょう。

 

適度な運動を

ビタミンDは「食べる」だけでなく日光浴でも生成されます。お日様の出ている天気の良い日は外に出て日光浴を兼ねてウォーキングをすると良いでしょう。

 

わざわざウォーキングをする時間なんてない、という時には買い物や通勤で積極的に歩くようにすると効率的ですね。

 

屋内ではエレベーターやエスカレーターを使わずに階段を昇降するようにしましょう。

 

骨を強くする運動を取り入れるのも効果的です。壁やカウンターに手をついて、アキレス腱とふくらはぎを伸ばします。これは転倒予防にもなり、体力に自信のない年配の方でも簡単にできます。

 

ふくらはぎのストレッチをしたら、次に片足で30秒ずつ立ってみましょう。普段は両足に分散されている体重を片足で受け止めることで、簡単に負荷をかけることができます。

 

骨粗鬆症は検査を受けさえすれば「予備軍」であることがわかり、早い時期から治療を開始することができます。

 

ボナロン錠という治療薬があるのは安心です。しかし日頃から運動や食事に気をつけて、「治療薬を飲まなくても良い丈夫な骨」を作ることを心がけましょう。

  当記事は医師、薬剤師などの専門家の監修を受けておりますが本サイトで提供する情報、文章等に関しては、主観的評価や時間経過による変化が含まれています。 そのため閲覧や情報収集は利用者ご自身の責任において行っていただくものとしその完全性、正確性、安全性等についていかなる保証も行いません。

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