ミネラル不足の症状はコレ!【食べ物は何が良いの?】
ミネラルとは、体を作っている元素のうち酸素、窒素、炭素、水素以外の総称です。無機質、灰分(かいぶん)とも言います。そのうち体の生命活動にどうしても必要なものを、必須ミネラルと言います。
必須ミネラルは主要ミネラル7種類、微量ミネラル9種類に分かれます。
主要ミネラルは「カルシウム」「マグネシウム」「リン」「カリウム」「ナトリウム」「硫黄」「塩素」、微量ミネラルは「鉄」「銅」「ヨウ素」「マンガン」「セレン」「亜鉛」「クロム」「コバルト」「モリブデン」になります。
これらのミネラルはビタミンと互いに影響しながら、酵素と結びついて食物の消化や吸収、老廃物の排出やエネルギー生成などの生命活動を助けています。
関わり方はビタミンと似ていますが、ミネラルは互いに組み合わさって、バランスをとりながら働きます。
必須ミネラルが不足すると欠乏症状が出てきます。また、他のミネラルとのバランスがくずれると機能に影響が出ます。
ミネラルが不足するとどんな症状が出るのか、原因や解消法にはどんなものがあるのでしょうか。
気になる所から確認してみよう
ミネラル不足になると起こる症状
ミネラルは体重の4~5%を占めています。男性でおおよそ3,5kg、女性で2,7kgほどです。
そのうち75%をカルシウムとリンが占めており、残りが鉄やマグネシウムなどになり、男性で800g程度になります。
これらが不足するとどんなことになるのでしょうか。その症状について詳細です。
カルシウム
カルシウムというと骨や歯に目が向きますが、材料としてだけではなく血液を固まらせる、血圧を調整する、筋肉の収縮などに働いています。
血液中のカルシウムが不足すると、あまり症状が無い状態から動悸・息切れ、筋肉のけいれんなどが起こり、慢性化するとアレルギー症状の頻繁に起こったり、高齢の人たちの場合にはうつ症状、高血圧や骨粗しょう症の原因となったりします。
血液中のカルシウム濃度が低くなると、補給するために骨から血液へ溶け出すために骨や歯がもろくなります。
このようなカルシウム不足から、血管が老化して、動脈硬化や心臓病、脳卒中などの生活習慣病の原因にも発展します。
リン
カルシウムと結びついて、リン酸カルシウムとして骨や歯を作っています。一部は心臓や腎臓の働きを助け、ビタミンDの吸収にかかわります。
不足すると骨粗しょう症、関節炎、だるさ、食欲不振、体重減少、筋力低下、集中力の低下などが起こります。
マグネシウム
全量で30gぐらいが存在します。そのうち70%はリン酸マグネシウムとして骨や歯に含まれ、残りは筋肉、脳、神経に含まれています。
不足すると、イライラしたり頭痛、胃弱、腎臓結石、足がつる、手足のしびれ、ふるえ、痙攣(けいれん)、不整脈、心臓発作、首や背中の筋肉痛、歯の形成不全などが起こります。
不整脈に関してくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
【関連記事】
動悸や不整脈に効く薬は市販されてる?【副作用についても解説】
ナトリウム
主に細胞外の体液に多く含まれます。神経の刺激伝達にかかわるほか、ミネラルが血液中に溶けやすくします。
不足すると血圧低下、吐き気、頭痛、めまい、筋力低下、極度の疲労、食欲減退と精神不安などが起こります。現実的には不足よりも、むしろ過剰のほうが問題になります。
カリウム
カリウムはリンやタンパク質と結びついて細胞内に存在します。水分の調整のほか、ナトリウムの排出を促し血圧の上昇を抑えます。
不足すると、むくみやめまい、倦怠感、疲労感、神経過敏、食欲不振、吐き気、便秘、筋力低下、しびれ、筋肉痛、不整脈、関節炎、高血圧などがおこります。
カリウムについてくわしくはこちらを見て参考にして下さい。
【関連記事】
カリウムの過剰摂取は危険!【この症状が現れる!】
その他
胃液の原料の塩素が不足すると低塩素症になります。通常の生活では起こる可能性はあまりありません。
皮膚や爪、毛髪を作る成分の硫黄が不足すると、皮膚炎、シミ、脱毛などが起こります。
微量ミネラルの亜鉛は、かゆみの原因となるヒスタミンの生成を抑えることがわかっており、不足するとアトピーの症状が悪化します。
実際、アトピーの人の亜鉛の値が極端に低くなっています。また、亜鉛が不足すると、精神不安や健忘(けんぼう)、キレやすくなるなどの精神症状が起こります。
ミネラルが全体的に不足した場合、体の各部が不調になります。このような状態になると、体は生体としての活動を抑えます。
この結果、普通に食事をしていると、いつの間にか太ることになります。
ミネラル不足を解消する食べ物や食事
カルシウム
カルシウムが多く含まれる食品は「ヨーグルト」「牛乳」「チーズ」「モロヘイヤ」「ケシの実」「煮干し」「丸干し」「干しエビ」「わかめ」「乾燥ひじき」「昆布」などです。
なお、クエン酸にはカルシウムの吸収率を高める作用があり、柑橘(かんきつ)類、梅干などを一緒にとると効果的です。
クエン酸についてはこちらを参考にして下さい。
【関連記事】
クエン酸の効果・効能が凄い!【多く含まれる食品も徹底解説】
リン
リンが多く含まれる食品は「プロセスチーズ」「煎りゴマ」「アーモンド」「卵」「たらこ」「小麦胚芽」「イワシ」「煮干し」「かつお節」「スルメ」「凍り豆腐」「ココア」「海苔」などです。
ハムなどのあらゆる加工食品には、食品添加物として摂りすぎるほど入っています。
マグネシウム
マグネシウムが多く含まれる食品は「バナナ」「ナッツ類」「ヒジキ」「大豆」「ゴマ」「玄米」「スルメ」「そば」「豆腐」「ホウレンソウ」「スイートコーン」「昆布」「ワカメ」などがあります。海水にも多いのですが、飲むわけにはいきませんね。
ナトリウム
ナトリウムは塩辛いものに多く含まれます。普通の食事が摂れていれば、不足する心配はありません。
それよりも過剰摂取に気をつけましょう。緑黄色野菜や海藻などのカリウムが多く含まれる食品を摂れば、ナトリウムの排出が促されます。
カリウム
カリウムが多く含まれる食品は「バナナ」「リンゴ」「柿」「栗」「スイカ」「干しブドウ」「アボカド」「イモ類」「ほうれん草」「切り干し大根」「豆類」「牛乳」「ナッツ類」などになります。
多く摂るためには熱を加えないことです。また、水分を多く取った場合、尿に溶けて排出されてしまいます。そんな時は追加で補充を考えてください。
アボカドについてはこちらを参考にして下さい。
【関連記事】
アボカドの栄養素が凄い!【美容効果もあるけど食べ過ぎは逆効果?】
塩素、硫黄
塩素は塩化ナトリウムとして塩辛いものに含まれます。ナトリウムとおなじく過剰摂取が問題です。
硫黄が多く含まれる食品は「卵」「肉類」「魚介類」「牛乳」など、タンパク質を多く含む食品です。
亜鉛
亜鉛を多く含む食品は、「カキ(貝)」「からすみ」「するめ」「毛がに」「ビーフジャーキー」「牛肉」「豚レバー」「生姜」「チーズ」などです。
動物性たんぱく質と一緒に摂ると亜鉛の吸収率がよくなります。肉や魚介類は摂取先としてより優れた食品であるといえます
ミネラル不足におすすめなサプリ
不足すると困った症状も出てくるミネラルですが、種類が多くて食事からきちんととるのはむずかしそうです。
そこで手軽な対策としてサプリがあります。ミネラル不足の改善に、よさそうなものをいくつか挙げてみましたので、選ぶ時の参考にしてください。
HBCフナト NLマルチミネラルスリム
アメリカ製のサプリで、ミネラルがまんべんなく含まれています。ナトリウムは余分と思いますが、味付けでしょうか。
硫黄やリンなど、不足する心配があまりないミネラルは省かれていて、過不足ない内容です。
量も1日の必要量が十分満たされていて、いいサプリだといえそうです。
<配合ミネラル>
✅ ナトリウム:1.8mg
✅ カルシウム:1,000mg
✅ マグネシウム::500mg
✅ カリウム:95mg
✅ 鉄:30mg
✅ 亜鉛:22.5mg
✅ 銅:3mg
✅ マンガン:10mg
✅ クロム:200μg
✅ セレン:100μg
✅ ヨウ素:150μg
美的タウン 美的ヌーボ
これもサプリ大国アメリカ製です。このサプリのメインは葉酸で、妊娠中の健康管理むけのようです。
各種ビタミンとともにミネラルは12種類含んでいて、あまり不足の心配がない塩素や硫黄などは省略されています。ミネラルのサプリではないので、量はやや少なめです。
カリウムなどもっと欲しい感じですが、これだけで必要量を賄うわけではないので、ちゃんと食事すれば大丈夫でしょう。
<配合ミネラル> ✅ カルシウム:250mg
✅ クロム:25μg ✅ 銅:1mg ✅ ヨウ素:100μg ✅ 鉄:15mg ✅ マグネシウム:125mg ✅ マンガン:4.5mg ✅ リン:25mg ✅ カリウム:30mg ✅ セレン:37.5μg ✅ 亜鉛:7.5mg |
シナジーカンパニー ヴァイタシナジー
植物由来の成分を中心に、ビタミン各種とミネラルを含む「総合栄養補助食品」といった感じの商品です。
栄養ドリンク的な使い方で、お疲れの人向けとされています。ミネラルの種類はちょっと少なめで、主要ミネラルがなく、微量ミネラルばかりの成分になっています。
量はそれぞれ1日分の必要量が入っています。意図は不明ですが、摂りにくいものを重点的にということでしょうか。
<配合ミネラル>
✅ 亜鉛:9mg
✅ 銅:1mg
✅ マンガン:4mg
✅ セレン:30μg
✅ 葉酸:200μg
✅ クロム:35μg
✅ モリブデン:30μg
ミネラル不足になる原因
日本人の体にはミネラルが少ないと言われます。どうしてミネラルが不足するのでしょうか。
何かの病気でしょうか。食事の影響とか、病気も考えられます。原因について見て行きます。
土壌
日本の火山灰性の土壌には、もともとミネラルが少なくなっています。そこを流れる水にもミネラルは少なく、土壌や水で育つ動植物にも当然ミネラルは少なくなります。
国産のミネラルウォーターがミネラル分の少ない軟水なのも、このためです。
ストレス
体に亜鉛が不足した状態になります。また亜鉛は吸収自体が悪くなります。
他にストレスが原因で不足状態になるものは、カルシウム、マグネシウム、カリウム、クロム、リチウムなどたくさんあり、ストレスはミネラル不足の大きな原因になります。
食事
食生活の変化で、よりおいしく、より食べやすいものが好まれるようになりました。
砂糖や塩は精製度が高くなり、微量なミネラルは失われています。また添加物が増えています。例えば加工食品の添加物でリンを多く摂ると、カルシウムや鉄の吸収が悪くなります。
その他
1. お酒の飲みすぎで、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、クロムが不足します。
2. 利尿剤の影響でナトリウム、カリウムが少なくなります。
3. 甲状腺の異常の種類にもよりますが、ビタミンD、リン(副甲状腺)、カルシウム(副甲状腺)、銅が不足します。
4. 消化器の吸収不良でマンガンとリンが不足します。
5. ビタミンBの不足でカルシウム、コバルトが不足します。
まとめ
ミネラルは体にとって重要な役割を持っていますが、ビタミンと比べるとなぜか地味な印象があります。
不足すると困ることになるので、普段の生活でも意識して摂るようにしましょう。
ただ、ミネラルをきちんと摂ろうとすると、食事の支度が面倒になってついついおろそかになります。
面倒ならあまり食事にこだわらず、簡単手軽なサプリを利用するのもいいでしょう。