ミルタックスパップの成分や肩こりへの効果【市販されてる?】
<監修薬剤師 日髙宗明>
ミルタックスパップは、いわゆる湿布薬のこと。「病院で貰ったことがあるよ!」という人もいると思います。
ミルタックスパップは幅広い症状に対応していますが、湿布薬なら肩に貼っておけば肩こりにも効くんじゃないかって思いませんか?実際のところ、どうなのでしょう。
ミルタックスパップはどんな湿布薬なのか、また、市販でも買うことができるのかについて、見ていきたいと思います。
気になる所から確認してみよう
ミルタックスパップの成分
主成分:ケトプロフェン
ミルタックスパップの主成分は、ケトプロフェンというもの。これに、l-メントールなどの添加物が配合されています。
ケトプロフェンは非ステロイド性の抗炎症薬で、痛みや炎症の原因物質であるプロスタグランジンが作られるのを抑えてくれる作用があります。
湿布薬のほかにも、軟膏やクリームなどもあり、皮膚から吸収させることで消炎・鎮痛効果を発揮します。ちなみに、湿布薬として有名なモーラステープにも、ケトプロフェンが配合されています。
その他の同じような効能を持つテープについてはこちらを参考にして下さい。
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どんな湿布薬?
ミルタックスパップは、薄く黄色がかった白色のパップ剤です。パップ剤とは、湿布薬の種類の一つで、白くて少し厚みのあるタイプのもの。
水分を多く含んでいるため、貼った時にヒンヤリ感があり、肌への刺激も優しいという利点があります。ちなみに、肌色で薄く、はがれにくいタイプのものはテープ剤と言います。
ミルタックスパップは医薬品で、基本的には病院で貰うことになると思います。1袋に6~7枚入りで、薬価は1枚あたり20円前後。先発品で、同成分の後発品(ジェネリック医薬品)には、ケトプロフェンパップ・テープなどがあります。
ミルタックスパップの7つの効果! 肩こりへの効き目は?
ミルタックスパップは、捻挫や打撲による炎症、関節痛や筋肉痛の痛みに対して、消炎・鎮痛効果を発揮します。そのため、以下の病気や症状の時に使われます。
変形性関節症
変形性関節症の中でもよく見られるのが、変形性“膝”関節症。年をとって、歩いたり階段を上ったりした時に膝が痛くなるというのが、これに当てはまります。
関節の軟骨がすり減ることで痛みや炎症が起き、その後、関節の変形が起きてしまう病気です。
肩関節周囲炎
いわゆる五十肩のこと。肩関節の骨や軟骨、靭帯などが老化に伴って炎症を起こし、動かした時に痛みとなって現れます。
ただし、動かさないでいると、逆に固まってしまって、肩関節が動かなくなってしまいます。
腱炎・腱鞘炎
骨と筋肉を繋いでいる腱に炎症が起きる腱炎と、腱を包み込んでいるトンネル(腱鞘)に炎症が起きる腱鞘炎。
2つとも似ていますが、炎症が起きている場所に違いがあるため、自己判断で見分けることは危険です。どちらも、その部分を使いすぎてしまうことで負荷が溜まってしまい、炎症を起こしている状態です。
腱鞘炎の治療方法についてはこちらも参考にして下さい。
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上腕骨上顆炎
テニス肘とも呼ばれるもの。テニスだけでなく、パソコン作業や手を使う軽作業をする人にもよく見られます。肘の外側にある骨の突起についている筋肉が炎症を起こし、痛みが発生します。
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筋肉痛
運動をしたり、慣れない動きをした時に起こる筋肉痛。使いすぎにより、傷ついた筋肉の繊維を修復しようとするために痛みが出ると言われています。
関節リウマチ
先ほどの変形性関節症と似ていますが、関節リウマチは、関節の炎症により少しずつ骨や軟骨が破壊されていき、機能障害を起こしてしまうものです。
変形性関節症は負担がかかることで発症しますが、関節リウマチは免疫機能の異常が要因としてあり、治療法は大きく違ってきます。
肩こりには効くの?
このように、ミルタックスパップは幅広い症状に効果があるため、肩こりによる痛みの緩和目的で使っても良いでしょう。
ただし、ミルタックスパップは、どちらかというと患部を冷やすタイプのものなので、急性期の肩こり向き。慢性的な肩こりは温めたほうが良いので、あまりにも長く続く肩こりには、ほかの対策を講じましょう。
また、ミルタックスパップは、基本的に痛みなどの症状を緩和する対症療法として使うもの。根本治療は出来ません。
上記で説明した症状は、どれも病院で適切な治療を必要とするものばかりなので、まずは一度、病院を受診するようにしてください。
ミルタックスパップの副作用
ミルタックスパップの副作用として、よく報告が上がるものには、かぶれ、掻痒感、発疹などがあるようです。また、稀にですが、以下のような重篤な副作用が現れることもあるので、症状の変化には十分に注意しましょう。
✅ アナフィラキシー・ショック(蕁麻疹、呼吸困難、しびれ、顔面蒼白など)
✅ 喘息発作(アスピリン喘息)の誘発
✅ 接触皮膚炎(かぶれ、かゆみ、発疹、水疱など)
✅ 光線過敏症(患部が紫外線に当たることにより、かぶれや日焼け、色素沈着などが起こる)
過去に、ミルタックスパップを使ってアレルギー症状が出たことのある人や、アスピリン喘息を持っている人は、必ず医師や薬剤師に報告しましょう。
妊娠後期の女性も使用禁止です。ただ、妊娠後期でなくとも、妊娠・授乳中の使用は極力控えることが推奨されています。また、新生児~幼児に対する安全性も確立していないことも覚えておきましょう。
アスピリン喘息についてはこちらを参考にして下さい。
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ミルタックスパップは市販されているのか?
「ミルタックスパップ」としては、ドラッグストアや薬局などで見かけることはないと思いますが、同じ成分のものなら市販薬として出ています。
「オムニードケトプロフェンパップ」という、帝国製薬グループのテイコクファルマケアが出している湿布薬で、1袋6枚入りで3袋(計18枚)、青い箱に入った状態で売られています。
うたい文句は「腰痛、肩こりに伴う肩の痛みに効く」ということで、ケトプロフェンとl-メントールのダブル配合となっています。使用できるのは15歳以上、1日2枚まで。
肩こりで病院に行くほどでもないという人は、検討してみても良いかもしれませんね。
ただし、このオムニードケトプロフェンパップは指定第二類医薬品、副作用などには十分に気を付けなくてはいけません。使う時には添付文書をよく読んで、用法容量や注意する点はきちんと守ってくださいね。
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